アルベルト・チコート氏とは?
スペインでフュージョン料理の先駆者として知られる、アルベルト・チコート(Alberto Chicote del Olmo)氏。2012年10月~2020年2月の期間でシーズン7まで続いた現アトレスメディア(Atresmedia)が運営するスペインのテレビチャンネル「Nova(ノヴァ)」で放映された料理番組『Pesadilla en la cocina(悪夢のキッチン)』のホストシェフを務めていた人気シェフです。これはトップシェフの一人、ゴードン・ラムゼイ氏による『Ramsay's Kitchen Nightmares(ラムゼイの悪魔のキッチン)のスペイン版といった感じです。チコート氏は伝統的な料理と新しいテクノロジーを組み合わせ手法により、スペイン料理のパイオニアとして評価も高い存在です。
チコート氏の料理は、日本・アジア・フランス・イタリア・中国など、さまざまな国の料理を融合したボーダレスな独自の世界を描く芸術作品と言っていいかもしれません。しかも美味しい…という、究極の芸術です。そんな作品たちは、自身のInstagramでも紹介されているのでぜひご覧ください。
旬の“新じゃが”で、
味も見映えも最高の
ハッセルバックポテトを
では、肝心の料理の話を―。
冒頭の動画をご覧いただければわかるように、先日チコート氏が紹介していたのは、おそらく嫌いな人などいないであろうポテト料理です。これはスウェーデン料理のひとつで、すべての肉料理や魚料理の付け合わせに合うマルチな副菜です。最先端のモダンなレストランでサーブされるムニエルやチキンソテー、ハンバーグなどの隣にお似合いの、ジャガイモの中でも「メークイン」の“新じゃが”を主役にした「ハッセルバックポテト(Hasselbackspotatis)」。そのルックスもナイスで、撮影したくなるほどです。
日本では「じゃがいも」「馬鈴薯(ばれいしょ)」(ちなみに農林水産省のサイトでは「ばれいしょ」と記述されています)と呼ばれるポテトは、種類もさまざまで「男爵」「メークイン」「レッドムーン」「とうや」「キタアカリ」「十勝こがね」「インカのひとみ」「インカのめざめ」などなど、スーパーで目にした方もいるかと思います。
そんな中、今回チコート氏が選んだの「メークイン」です。日本で「メークイン」の旬は主に、3~5月の春と9~11月の秋の年2回あり、今回は春に収穫された貯蔵なしで出荷される“新じゃが”を。薄皮でみずみずしい「メークイン」の“新じゃが”を料理するには絶好のタイミングかつメニューなので、ぜひともチャレンジしてほしいと願っています。見た目は豪快かもしれませんが、そのつくり方はとてもシンプルです。しかも、皮ごと食べるので、少々ですがフードロス削減にも貢献できますので…。
ハッセルバックポテトのつくり方
■必要なもの
- メークイン“新じゃが”
- 竹串
- オリーブオイル
- 塩コショウ
以下はお好みで
- バター
- すりおろしたニンニク
- パセリ
■レシピ
- 皮ごと調理するので、水でよく洗って砂や汚れを取り除きます。転がらないよう土台をつくるため、底を薄くスライスして安定させます。そして、ジャガイモを横にさせたら、下部に竹串を刺してください。
- 次に、幅約2mmごとに切り込みをいれます。竹串を刺しておくことで、切り過ぎを防ぐことができるでしょう。
- 鉄板の上にクッキングシートをひき、じゃがいもをのせます。上から塩コショウとオリーブオイルを適量まぶします。じゃがいもが中~大の場合、180度で約40分オーブンで焼きます。
- 味つけはそのままでも十分ですが、ここではチコート氏のレシピをご紹介します。常温で溶かしたバター、すりおろしたニンニク、パセリをよく混ぜ合わせます。焼き上がったじゃがいもの上にこれらをまぶし、さらに200~220度で約10分または15分仕上げに焼きます。
※オーブンで焼く時間を短縮させたい場合は、水に5分ほどさらした後、水気を簡単にふき取ってから、耐熱容器にいれてラップをかけ、600Wのレンジに約3分かけて柔らかくしましょう。その後、4.の工程を行います。
メインにしたいなら…
もし、サイドディッシュではなく、このレシピをメインディッシュにしたい場合は、じゃがいもをスライスした間にベーコンやチーズなどを挟むことで、ボリューミーで迫力のある一品に仕上がるでしょう。
Source / ESQUIRE ES