おいしく料理をつくるうえで欠かせないのが、鋭い切れ味の包丁です。ですが、どんなに高品質な包丁でもその切れ味は徐々に衰えていきます。そこで活用したいのが、家庭用の包丁研ぎ器(シャープナー)です。

このページでは砥石(といし)と包丁研ぎ器の違いや、包丁研ぎ器の種類による特徴、購入時の注意点を解説するとともに、ネット通販で購入できるおすすめの包丁研ぎ器を紹介します。

砥石と包丁研ぎ器の違いとは?

砥石
Promo_Link//Getty Images

砥石とは包丁を研ぐための石で、もともとは天然の堆積岩や凝灰岩が使われていました。現在は人工素材でできた人造砥石が主流となっています。砥石は刃先を研いで鋭くでき、切れ味が長持ちすることが特徴です。使い方は難しく、プロに任せる人も少なくありません。

一方、包丁研ぎ器はシャープナーとも呼ばれ、刃先に非常に細かいキズをつけることで、落ちてしまった切れ味を復活させます。効果はあまり長く持続しませんが、誰でも簡単に使えるので日頃のメンテナンスに向いています。

包丁研ぎ器の種類と特徴

包丁研ぎ器には、大きく分けて4つのタイプがあります。タイプによって使い勝手や研げるものが違うので、それぞれの違いを知り、自分の使い方にあったものを選ぶことが大切です。

ロール式:シャープな仕上がりが魅力

ロール式包丁研ぎ器
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ロール式は、2枚の砥石が刃を挟む構造になっている包丁研ぎ器です。非常にシャープに研ぐことができ、砥石で研ぐのに近い仕上がりが期待できるでしょう。

一方で使用しすぎると、刃先がギザギザになり、刃を傷めることがあります。そのため、「切れ味の鋭い高価な包丁には使わないほうがいい」とされています。

また、研ぐ口が複数ある製品もあります。これは包丁の状態に合わせて砥石を変えられるもので、より本格的な仕上がりが期待できるでしょう。

交差式:リーズナブルに購入できる

交差式の研ぎ器は、V字型に交差した2枚の砥石に刃先を挟むようにして研ぐタイプです。ロール式よりも構造が単純で、リーズナブルに購入できます。

研ぎ味はロール式ほどではなく、またV字型の砥石の角度が包丁に合わない場合、かえって切れ味が落ちてしまうというケースも。そのため、包丁自体が安価な場合におすすめできる包丁研ぎ器と言えます。

電動式:手間をかけず素早く研げる

電動式包丁研ぎ器
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電動式の包丁研ぎ器は、スピーディに研げることが大きな特徴となります。砥石が回転するタイプと振動するタイプがありますが、実際の仕上がりに大きな差はないでしょう。

価格は比較的高価で、本体サイズも大きくなります。また振動が大きいため、包丁をしっかり押さえて使う必要があります。力が弱い人の場合、ロール式の方が安心感があるかもしれません。

研ぎ棒:包丁以外にハサミなども研げる

研ぎ棒
Choosee Thammajee//Getty Images

研ぎ棒は食肉加工場などプロの現場で使われている研ぎ器で、包丁についた油を落としながら切れ味を回復させる効果が期待できます。

一定の力と角度で刃に当てながら滑らせて使うため、上手に使うにはコツが必要です。その一方で「仕上がりはロール式と同じくらいよい」とされ、またハサミなども研げるのはメリットと言えます。

包丁研ぎ器を選ぶときの注意点

研げる包丁の材質をチェックしよう

包丁研ぎ器の多くは、もっとも普及している家庭用のステンレス製包丁のみに対応しています。

鋼*やチタン、セラミック製包丁に対応している研ぎ器は少数派なので、購入時にはチェックが必要です。必ず、愛用している包丁の材質を確認してから選びましょう。

※鋼(はがね):基本的には炭素を400ppmから2パーセント程度含む鉄の合金を指す。また、鉄よりも硬度と靭性(じんせい=材質の粘り強さ)に優れ、加工性に優れた金属とされる。包丁の鋼材としてはこの他、炭素量が多く硬くて切れ味抜群だが錆びやすい「青紙鋼」、炭素量が少なく青紙鋼よりも柔らかで錆びにくい「白紙鋼」とがあるが、一般に「白紙」のほうが素材に噛みつくような切れ方が持ち味で、「青紙」のほうは滑るように切れるとされる。また。日本の伝統的な鋼材で「青紙鋼」と「白紙鋼」の中間の性質を持つ「安来鋼(やすきはがね)」もある。

片刃の包丁は使える研ぎ器が限られるので要チェック

ほとんどの包丁研ぎ器は、先端の両側に刃がついている「両刃」の包丁にのみ対応しています。

ですが、出刃包丁や菜切包丁などに代表される、いわゆる和包丁は片側にのみ刃がついている「片刃」が主流。そのため片刃の包丁を使っている場合は、対応している包丁研ぎ器を探す必要があります。

おすすめの包丁研ぎ器10選


京セラ(Kyocera) ロールシャープナー RS-20BK

ロールシャープナー RS-20BK

京セラ(Kyocera) ロールシャープナー RS-20BK

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オーソドックスなロール式の包丁研ぎ器です。溝面で荒く研ぎ、平らな面で仕上げをする構造になっていて、前後に10回往復させるだけで包丁の切れ味を復活させます。

使える包丁は鋼やステンレス等の両刃包丁のみ。一般的なステンレス製三徳包丁との相性もいいとされています。


ヘンケルス 包丁研ぎ器 11299-004

包丁研ぎ器 11299-004

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本体がグリップ型になっていて、しっかり押さえて使えるロール式の包丁研ぎ器です。底面には滑り止めもついているので、力の強くない人でも安定して使えるでしょう。

荒く研ぎつつ仕上げも行うので、簡単な操作で刃を整えられます。また、こちらはステンレス包丁専用となっています。はじめての包丁研ぎ器としておすすめです。


ティファール(T-fal) インジニオ コンパクトシャープナー K26105

インジニオ コンパクトシャープナー K26105

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3ステップで刃先をシャープに整える包丁研ぎ器です。グリップにあたる部分はカバーを兼ねていて、使わないときはコンパクトになるのがよいところ。

最初に最も外側のロール式のダイヤモンド砥石で摩耗した刃を整え、次にロール式セラミック砥石で刃の鋭さをアップ、そして最後にV字のセラミック砥石で仕上げを行う手順となります。

3回通す手間をかけるぶん、シャープな仕上がりを期待できるでしょう。


下村企販 越匠 ダブルシャープナー 43700

越匠 ダブルシャープナー 43700

下村企販 越匠 ダブルシャープナー 43700

¥4,175

本体がステンレス製のロール式包丁研ぎ器です。カバーが開閉式になっていて、中の砥石を水洗いできるので清潔に使えるでしょう。

砥石は粗く研ぐダイヤモンド砥石と、仕上げ用のセラミック砥石の2つあり、順番に使うことで刃先をシャープに研げます。少々高価ですが、長く使えそうな製品と言えそうです。


グローバル イスト(Global-Ist) シャープナー GSS-03

シャープナー GSS-03

グローバル イスト(Global-Ist) シャープナー GSS-03

¥6,600

日本が世界に誇る包丁ブランド、「GLOBAL」のロール式包丁研ぎ器です。GLOBALの包丁に似たスタイリッシュなデザインが施されています。

研ぎ石の部分は透明のカバーになっており、刃に砥石が当たる様子を確認できます。カバーは開くようになっていて、手軽に水洗いして清潔に使えるのもよいところ。GLOBALをはじめとした、両刃の洋包丁におすすめです。


竹内快速鋸 竹内式 庖丁研ぎ器 匠

竹内式 庖丁研ぎ器 匠

竹内快速鋸 竹内式 庖丁研ぎ器 匠

¥8,952

業務用としても利用できる、高品質なロール式包丁研ぎ器です。独自構造のダイヤモンド砥石が最適な力と角度で包丁の刃に当たり、鋭い切れ味がよみがえります。

包丁を削ることで出る細かな粉は、水洗いで洗い流せるようになっており、いつまでも清潔に使えるでしょう。その実力は口コミでも好評で、高価でも高性能な研ぎ器を探している人におすすめできます。


貝印(Kai Corporation) コンパクト電動シャープナー AP0543

コンパクト電動シャープナー AP0543

貝印(Kai Corporation) コンパクト電動シャープナー AP0543

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¥2,873

コンパクトな電動包丁研ぎ器です。乾電池式なのでコードが邪魔になりません。三徳包丁などの両刃のセラミック包丁専用で、スタイリッシュなデザインも魅力的です。

荒砥石と仕上げ用の砥石を一直線に並べることで、包丁を数回ゆっくり引くだけできれいに研げるよう設計されています。電動タイプでネックとなりがちな音も小さく(80db程度)、集合住宅でも気兼ねせず使えるでしょう。


京セラ(Kyocera) ダイヤモンドロールシャープナー DS-38

ダイヤモンドロールシャープナー  DS-38

京セラ(Kyocera) ダイヤモンドロールシャープナー DS-38

¥3,570

ステンレスだけでなく、鋼やチタン、さらに京セラ製のセラミック包丁にも対応した電動式の包丁研ぎ器です。乾電池式のコードレスタイプで、使い勝手も良好。

砥石にはセラミックよりも硬いダイヤモンド砥石を使っており、溝に包丁をセットして、10秒程度かけて手前に引くだけでOKです。0.5mm程度の刃こぼれなら直せる性能があり、多くの人におすすめできます。


TOHO T028-003 電動シャープナー

T028-003 電動シャープナー

TOHO T028-003 電動シャープナー

¥5,980

片刃の包丁も研げる電動包丁研ぎ器です。左のスリットが粗研ぎ、右のスリットが仕上げ用になっていて、片面ずつ仕上げる仕組みです。

両刃の場合は4つあるスリットを左から順番に通して行き(仕上げは交互に2回ずつ)、片刃の場合は刃のついているほうだけを通します。ステンレスや鋼の和包丁を愛用している人におすすめしたい包丁研ぎ器です。


京セラ(Kyocera) セラミックシャープナー CS-10-N

セラミックシャープナー CS-10-N

京セラ(Kyocera) セラミックシャープナー CS-10-N

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¥843

ファインセラミック*素材を使った研ぎ棒です。比較的短めになっていて、研ぎ棒を使うのが初めてでも比較的使いやすい大きさでしょう。

使える材質は、ステンレス、鋼、チタン。カマなどの道具や、アウトドアナイフなどを研ぐのにも使えますし、切れ味の鈍ったハサミの手入れにもおすすめです。価格もリーズナブルで、ひとつ持っておくと何かと役立つでしょう。

※ファインセラミックスは、高純度な原料と精密な製造方法によってつくられる、従来のセラミックスよりも高強度、高機能なセラミック。具体的には、天然鉱物由来の原料を用いる従来のセラミックスに対し、ファインセラミックスは化学合成された高純度な原料を用いるため、より緻密な構造と優れた特性を実現している。


まとめ

包丁の切れ味は、料理の質を大きく左右するともされています。包丁研ぎ器でこまめに手入れをすることで、鋭い切れ味を維持できるようになることでしょう。

ここで紹介したロール式や電動式など各タイプの包丁研ぎ器は、どれも評判のよい製品ばかりです。ぜひ、自分の包丁に合った包丁研ぎ器を選んで、最適な製品を購入してください。このガイドが、あなたの包丁研ぎ器選びの参考になれば幸いです。