米現地時間2021年7月13日(火)、米コロラド州デンバーのクアーズ・フィールドでMLB(メジャーリーグ・ベースボール)の第91回オールスターゲームが開催されました。今回、特に注目を浴びているのが、メジャーリーグ史上初の二刀流(投手&打者)としてア・リーグ(アメリカンリーグ)のスターティングメンバーに名を連ねた大谷翔平選手(ロサンゼルス・エンゼルス)です。こちらの記事では、そんな大谷選手の活躍を振り返ります。

「MLBオールスター レッドカーペットショー」での
大谷選手のスタイル

 まず試合前に行われた、「MLBオールスター レッドカーペットショー」に登場した大谷選手を紹介します。こちらで彼が着用したのは「ヒューゴ ボス」 の中でも、「BOSS」ブランドのネイビーセットアップスーツに白 T シャツ、そして白スニーカーで登場。

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 これらのアイテムは、同ブランドの秋冬コレクションの最新作であるとのこと。スーパーストレッチの素材から仕立てたもので、その着心地の良さからか、大谷選手も颯爽とした雰囲気で、まるでアワードのレッドカーペットを歩くセレブように登場しました。そのスマートなスタイル(…とは言え、強靭な体躯を誇っています)は、常に真摯に野球を取り組んできた大谷選手にピッタリ。さながら、アカデミー賞やカンヌ国際映画賞のフォトコールかのようにも見えました。

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ジャケット 6万4900円、Tシャツ1万5400円、パンツ 3万5200円、スカーフ 1万7600円、スニーカー 5万5000円 【公式サイト】(すべてBOSS)
先発投手&1番DH(指名打者)の大役を得た大谷選手


 それでは、本題の試合での活躍について触れていきます。大谷翔平選手の魅力は投手、そして打者として、どちらも世界トップレベルの能力を持っているということ。特に今シーズン、これまでの成績は投手として4勝1敗、打者としては打率2割7分9厘、本塁打33本、打点70とメジャーリーグトップレベルの成績を残しており、現在はア・リーグの本塁打王に君臨しています。

 そんなわけで大谷選手は、このオールスターゲームでファン投票1位となり、先発投手&1番DH(指名打者)として選ばれました。「先発投手なのに、DHとして打つ?」とは、どういうことかと思われる方も多いでしょう。大リーグの規則によると、球宴などペナントレース以外の試合では「特別規則」を設定できることになっており、今回のオールスターでは大谷選手のために「特別規則」が設定されたことになります。

 現在のMLBオールスターゲームでは、両リーグともDH制が採用されています。そこで事前に、大谷選手が「1番・投手」で出場した場合には降板後にDH制は解除され、逆に「1番・DH」で出場し、その後マウンドに上がった場合もDHは解除されることになります。すると、ア・リーグの起用法は限定的になるということで、DH制を解除しなくても済むよう「特別規則」が採用されたわけです。つまり、問題なく大谷選手の投打が楽しめるということになったのです。

 …というわけで、大谷選手が主役とも言っていい今回のオールスターゲームで彼は、史上初の二刀流を実現したのでした…。これは、メジャーリーグの歴史に新たな1ページをつくったと言っていいでしょう。ちなみに日本選手の先発登板は、1995年にナ・リーグの選手として野茂英雄氏(当時ドジャース所属)以来の26年ぶりの2人目ということになります。

第1打席の大谷選手

 1回表、ア・リーグの攻撃から。先頭打者としてバッターボックスに入った大谷選手は、前日魅せたホームランダービー後の少し疲れた表情は全くなく、真剣な眼差しでナ・リーグ(ナショナル・リーグ)先発のマックス・シャーザー投手(ワシントン・ナショナルズ)の姿を見つめます。シャーザー投手が投げた1球目はストレート。すると大谷選手は1球目から果敢にスイング。惜しくもファウルとなります。続く2球目もストレートで攻めるシャーザー投手。これをバッドで捉えるも、残念ながらセカンドゴロで凡退することに…。

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先発投手として強打者に挑んだ大谷選手

 続く1回裏も注目は大谷選手、投手としてマウンドに立ちます。彼がこの回対戦したのは、メジャーリーグを代表する好打者として知られるフェルナンド・タティス Jr.選手(サンディエゴ・パドレス)、マックス・マンシー選手(ロサンゼルス・ドジャース)、そしてノーラン・アレナド選手(セントルイス・カーディナルス)の3人。

 100マイル(約162km)以上の速球を披露した大谷選手は、タティス Jr.選手をレフトフライに、マンシー選手をセカンドゴロに、そしてアレナド選手をショートゴロに抑え、三者凡退と完璧な投球を披露しました。オールスターゲームということもあり、多くのピッチャーの活躍を待ち望むファンのために、大谷選手の投手としての活躍はこの1回裏のみとなります。

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3 UP, 3 DOWN! Shohei Ohtani starts All-Star Game with 1-2-3 inning! (Gets Tatis Jr., Muncy, Arenado)
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第2打席の大谷選手

 打者としての大谷選手が次にバッターボックスに入ったのが、3回表の攻撃。相手投手はコービン・バーンズ投手(ミルウォーキー・ブリュワーズ)に代わっていました。ここでも低めのストレートを大谷選手は捉えます。ですが、飛んだ打球は二塁手の方向へと転がり、セカンドゴロとなり凡退。次の打席からは、別のバッターが代打に送られます。結果、残念ながら大谷選手のオールスターゲームにおけるヒットやホームランは、観ることはできませんでした。ですが観客は、大谷選手に対して大声援をおくります。

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ア・リーグが勝利!
MVPはウラジーミル・ゲレロJr.選手

 試合は、ウラジーミル・ゲレロJr.選手のホームランなどで得点したア・リーグがナショナル・リーグを5対2で下します。MVPに選ばれたのは、1本塁打2打点のゲレロ Jr.選手。実はこの選手、父親ウラジーミル・ゲレロもかつてメジャーリーグの強打者として活躍し、2006年のオールスターゲームでホームランを放っています。親子そろってのホームランを達成したことで、大満足の面持ちでした。そんなゲレロJr.選手は記者会見で、「自分がもしMVPを選ぶとしたら、大谷だね。投手そして打者としての活躍は、本当にすごいと思う」とコメントし、大谷選手を賞賛しています。

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2021 All-Star Game Highlights (7/13/21) | MLB Highlights
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試合後の大谷選手のコメント

 大谷選手は試合後、「緊張よりも楽しさのほうが強かったです。(投手としては)三振を狙っていたのですが、やっぱりいい打者たちなので、いいところに投げてもバットに当てられ…僕も勉強になりました。緊張は全くしなかったですね」と、試合を振り返りました。そして最後に、「単純に『また来たいな』という気持ちが強くなりました。『何回来ても、またいいものだ』と思うので…。また来年も、再来年も目指していきたいなと思います」とコメントし、スタジアムを後にしました。

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 シーズンはまだ残り半分あるため、投手そして打者としての大谷選手を引き続き応援しましょう。今後の大谷選手からも、当然目が離せませんね。

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