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社会不安障害(社交不安症)とは何か?

「社会不安障害(社交不安症とも言われています)は、世界で最も一般的な精神疾患のひとつですが、それでも人々の生活に与える影響については、いまだほとんど誤解されています」と、心理学研究者のファロン・グッドマン博士は考えています。

本質的に、社会不安は拒絶されることへの恐れと言えるます。拒絶されることを恐れるのは実は、『自分が劣っているのではないか』と考えてしまうことへの恐れなのです。それは、『なりたいと思っているものよりも劣っている』『こうであるべきだと思っているものよりも劣っている』あるいは『社会がわれわれに望んでいるよりも劣っているのではないか』、という恐れからと言えるのです」と、博士は話しています。

「社会不安障害(SAD)」3つの対処法

これはyouTubeの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。
Social Anxiety in the Modern World | Dr. Fallon Goodman | TEDxUSF
Social Anxiety in the Modern World | Dr. Fallon Goodman | TEDxUSF thumnail
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博士のTEDxでの講演『現代社会における社会不安』で、この病気に関するいくつかの俗説を取り上げ、その助けとなる3つの簡単な戦略の概要を説明しています。

1)「社会不安のある人は、1人でいるほうが幸せだ」という誤解”が、一般的に広まっています。博士の研究によると、「社会不安のある人は他の人と同じように、強く親密な人間関係を望んでおり、社会的な状況を楽しむことが完全に可能である」というように、全く逆の結果が得られています。

もうひとつの俗説は、“2)「社会不安のある人は、スポットライトを浴びることを避ける」という誤解”です。博士は俳優、モデル、スポーツ選手など、人目につく分野でキャリアを積んできた人々が社会不安と闘っている例を挙げています。特にテニス界のスーパースター、大坂なおみ選手は「コート上でのパフォーマンス」と、「人生の他の領域でのパフォーマンス」の違いについて自ら語っています。

最後に、“3)「不安はつかの間のもので無害である」という誤解”は、断じて真実ではありません。「介入しなければ、多くの人々が何年も何十年も、社会不安に悩んでいます。それに社会不安は、その人の人生のあらゆる側面に影響を及ぼす可能性もあるのです」と、博士は話しています。

社会不安障害とどう付き合えばよいのか?

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Men's Health US

1. 問題を早期に発見する

グッドマン博士は、「社交不安を持つ人はうつ病やアルコール依存症など、他の精神疾患を発症するケースが多い」と指摘しています。これを防ぐには、早期発見と介入が必要となります。博士は高校や大学などの教育機関で、驚くほど簡単にこれを実現できると考えています。

「社会不安は、いくつかの簡単な質問をすることで確実かつ正確に診断することができるものだと考えています。例えば、拒絶されることへの恐れはあなたにとって最悪の恐怖の1つですか? その恐れは、あなたがやりたいと思っていることを実行する妨げとなっていますか? など…になります。このような質問をするのに、必要なコストは30秒ほどの時間であって費用などかかりませんね」と、博士は説明しています。

2. プラットフォームを活用する

「インターネットなどでつながりのある世界に住んでいる利点のひとつは、『1人の人間が大きな力を持つことができる』ということです。精神疾患について定期的に、率直に話し合うことで、最終的に偏見をなくし、有害な俗説を正し、そのことで悩んでいる人々が必要とする助けを得ることができるでしょう」と、グッドマン博士は話しています。

3. 社会的な勇気を育む

最終的に博士は、『社会不安への対処法は、拒絶を避けたり根絶したりすることではない』と考えています。

「社会的な勇気を持つということは、拒絶される可能性がゼロではないことを前提の上で、その経験を追求することです。さらに社会的な勇気とは、自分にとって重要な体験を追求することであり、その追求の成功というのは人間としての価値を左右するものではないことを知ることでもあるのです」と、博士は締めくくっています。

Source / Men's Health US
Translation / Kazuhiro Uchida
※この翻訳は抄訳です。