Hector Vivas - FIFA/FIFA via Getty Images

ラッシュフォード!

FIFA(国際サッカー連盟)の創設以前、4つのサッカー協会が存在していたサッカーの母国イギリス。それゆえイギリスからは、イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの4チームに世界のサッカー大会への出場資格が与えられているというのは有名なお話です。そしてカタールW杯10日目、イングランド対ウェールズというW杯では初となる「イギリス対決」が実現しました。

結果は、3-0でイングランドの勝利。この試合で輝きを放ったのは、イングランドのマーカス・ラッシュフォードでした。直接フリーキックを含む2得点の活躍で勝利に貢献。見事マン・オブ・ザ・マッチにも選出されました。ライバル関係にあるウェールズを撃破し、ロンドンで開かれた観戦イベントの会場や街のパブからは、この試合の殊勲者を称えるチャントが鳴り響きました。今日の一枚は、先制点となる芸術的なフリーキックを決めたラッシュフォード(写真右端・背番号11の選手)のセレブレーションを選びました。

ラッシュフォードと言えば、思い出されるのは2020年に開催された欧州選手権。決勝のPK戦で失敗したことから、SNSで人種差別的な誹謗中傷の被害に遭い、彼の姿が描かれた壁画には差別的な落書きがされるなど、卑劣な行為が大きな社会問題となりました。

今回のW杯でも、選手に対するSNSでの卑劣な書き込みが問題視されています。ほんのひと握りの心ないファンによる愚行であることは容易に想像がつきます。しかし同時に、その卑劣な行為は「特別な誰か」が行ったわけでもないはず。一時の感情の高ぶりで、誰もがその当事者となってしまうことも肝に銘じておく必要があるでしょう。当時ラッシュフォードに愚行を犯した人たちは、この日の彼の大活躍を見て何を思ったのでしょうか?

これはyouTubeの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。
 thumnail
Watch onWatch on YouTube