ダニエル・クレイグがいつまでジェームズ・ボンド役に起用され続けるかは、実際問題として誰にもわかりません。ただし、新たな俳優が決まり、ボンド俳優として定着するまでの暫定的なお守り役は…と考えると皆さんは誰がおすすめですか?

エスクァイアとしておすすめしたいのは、やはりピアース・ブロズナン。「彼こそ適役である」という意見には、多くの方が賛成してくれるだろうと期待を込めて読んでいます。ブロスナンのほうもおそらく、まんざらではないでしょう…そんな役回りをこなす準備もできているはずです。

なぜそう思うのか?

それは、2019年2月4日に公開された英「The Guardian(ザ・ガーディアン)」紙のウェブサイトのインタビュー記事から察することができるからです。

その記事では、彼の映画『007 ゴールデンアイ』(ブロスナンにとって、初めての「007」作品)製作の思い出話や、ショーン・ビーンが電波望遠鏡に串刺しになって死ぬ対決シーンについて語ってくれています。そして。それらのシーンを可能な限り説得力のあるものにするため、ブロスナン自身に課せられた過酷な仕事ぶりを半ば自慢げに(捉え方には個人差がありますが…)、語っています。

その話からは、ブロスナンの「これからでも許されるなら、ボンドをやってみてもいいよ。それだけの価値ある役だよ」と言っているかのように思えたからです。

これはpollの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。

「いちばん大変だったのはショーン・ビーンとの格闘シーンさ。最後には、巨大な電波望遠鏡にかかったハシゴの上に登って戦った例のシーンだよ」とブロスナンは、「ガーディアン」紙に語っていました。

「ビーンと私は6週間がかりであのシーンを組み立てた。昼飯の休憩時間やその日の撮影が終わった後に、スタント・コーディネートも入れて一緒に考えたね」と、ブロスナンは続けて話しています。

またブロスナンは、ファムケ・ヤンセン演じるゼニア・オナトップとジェームズ・ボンドとの格闘シーンのためにつくられた浴場のセットの話もしています。実はあのセットの壁や床には、衝撃吸収用の詰め物が入っていたのですが、そのおかげで「私たちはかなり激しくやり合うことができたんだ」と、ブロスナンは語っています。

このように、彼は今でもポイントを外していないのです。ボンド役を少しでも演じた後には、眉を寄せて気の利いた台詞を口にすることが反射的にできるようになるわけです。

ただし、その点についてブロスナンは、「ショーン・コネリーとロジャー・ムーアとの板挟みにはなりたくなかった」と述べています。

「私はボンド役を演じるうえで、ショーンとロジャーがそれぞれあの役に持ち込んだ要素を少しずつ取り入れたんだ。スタイルの点では、私のボンドはショーンのほうにかなり近かったが、だからと言ってロジャー(の演じたボンド)を否定することはできなかった。『007 ゴールデンアイ』では皆に馴染んだスタイル、ふざけたところのあるスタイルでボンドを演じたからだった」とも語っています。

さらに、「ボンドを演じることは、肉体面と同じくらい精神面もきつい仕事だった。みんなの注目を集めなくてはならない。勝利を目指してスタートラインに立ち、ゴールライン目がけて前のめりで突進するのさ」と、ブロスナンは語っています。

「007」シリーズに出演したことは、ピアース・ブロスナンにとって最も誇らしいことであったかのように感じる記事でした。そんな彼は、今でもファンから愛され続けている「ジェームズ・ボンド」であることは間違いないでしょう。

Source / Esquire UK
Translation / Hayashi Sakawa
※この翻訳は抄訳です。


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