ゴローズのショップは東京・原宿の表参道にある1店舗のみ。支店や卸、そのほかゴローズの関連店舗、正規取扱店舗、またゴローズ公認の弟子による店舗は一切存在しない。

ゴローさんの意志、そして面影を今も残す

ゴローズの店内階段
Kenichiro Higa
ゴローズビルの正面、右手にある階段を上がると店の入り口が。角が取れ、丸みを帯びた階段のひとつひとつが長い年月を物語っています。
ゴローズの店内入り口
Kenichiro Higa
オープン当初から変わらない、1970年代を感じさせるロゴや装飾。店は入り口の扉から内装、棚、什器にいたるまでゴローさんの手づくり。扉のフラッグ型の蝶番にはゴローさんの彫金が施されています。
ゴローズの店内いりっ口
Kenichiro Higa
階段脇の壁には、ゴローさんの家族がつくった大きなメディスンホイールのオーナメントが掛けられています。

10 月号で取材させていただいた親友、山田明光さんからの誘いもあり、1972年、ショップを現在の原宿に移転させたゴローさん。山田さんいわく、ゴローさんは2階にとてもこだわったと言います(山田さんのGRASSは3階に入る)。その理由を聞くと、「窓から行き交う人たちが見えるから」と、ゴローさん。店の奥で作業をしながら、ゴローさんはどれほどの時代の流れを目にしてきたのだろうか。

ゴローズは、足を運べばすぐに入店できるわけではない。そこには、お客さんひとりひとりときちんと向き合うことを大切にした、ゴローさんの意志とも言えるルールがあります。店頭に並んで、待って、少人数で入店して、スタッフとコミュニケーションを取り、商品に込められたゴローさんの意志を理解しながら、必要最小限の商品を買う。

そして何度も通って、フェザーやコンチョを時間をかけて増やし、自分だけのものに育てていく。天井の柱からは、ゴローさんがぶら下がっていたであろう、馬のあぶみを使った自作のつり革が垂れ下がり、その面影を今も残す。公式ホームページで詳細を確認のうえ、ゴローさんの手のぬくもりを感じてほしい。

ゴローズの店内
Kenichiro Higa
入り口の扉には、ドアノブの代わりにメディスンホイールが取りつけられています。
ゴローズの外観
Kenichiro Higa
ネイティブ・アメリカンの居留地を彷彿させるゴローズビル。ゴローさんはこの外壁の色にとてもこだわったといいます。今では原宿のランドマークのひとつに。

ゴローズの歴史が詰まった、この世で唯一の空間

a door with a couple of necklaces from it
ゴローズ
Kenichiro Higa

ビルの入り口にあるウインドーディスプレー。ラコタ族の居留地でバイクにまたがるゴローさんが、今も私たちを迎えてくれる。

SHOP
住所/東京都渋谷区神宮前4-29-4 goro’s Bldg. 2F 
TEL 03-3404-8079 
休日/水曜
公式サイト 


Composition & Text / Satoru Yanagisawa
Edit / Masahiro Nishikawa
Cooperation / goro’s
※本記事の内容や掲載されている写真などの無断転載、無断使用、営利目的による使用を固く禁じます。

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