「HIIT(高強度インターバルトレーニング)」やクロスフィットにハマっているという人なら、これまでに「AMRAP」ワークアウトをしたことがあるのではないでしょうか。
このようなワークアウトは基本的に、「60秒間でできるだけ多くのバーピーを行う」といったもので、終わった後には床に這いつくばって肩で息をすることになるほどハードなものです。ですが、クロスフィットの経験がない人にとっては、この略語「AMRAP」と聞いてもピンとこないという方が多いでしょう。
AMRAPとは、「as many reps as possible(できる限り多くのレップ数)」または「as many rounds as possible(できる限り多くのラウンド数)」の略です。そして、これは一定時間内(一般的には3分〜60分です)に身体に最大限の負荷をかけるような構成のワークアウトを意味します。
AMRAPを行う場合は時間を決めてタイマーをセットし、いくつかのエクササイズを選びます。たとえば腕立て伏せ10回、懸垂10回、スクワット10回などです。
この上で、これら複数のエクササイズを時間内に可能な限り繰り返します。このとき、休憩は必要に応じてとります。
そしてAMRAPは、自分の成長プロセスを追いやすいのが特徴です。毎回決められた時間内に特定のエクササイズを行うため、パフォーマンスの向上が目に見えてわかるのです。
「AMRAPでは、トレーニングセッションにかける時間を自分で決められます。これは特定の動きを最適化する上で非常に重要なことです。7分間という時間が決まっていれば、これを踏まえて必要なペース配分を把握することが非常に容易になるんです」と話すのは、シカゴのクロスフィットジム「サウスループ・ストレングス & コンディショニング」のオーナーでヘッドコーチのトッド・ニーフ氏。
「根気よく続けることで、7分間でさらに多くのラウンドをこなせるかどうかが分かってくるんです」とも教えてくれました。
また、AMRAPには高強度トレーニングの要素もあります。このため筋肉を活性化させ、汗だくになることはまったく無駄にはならないのです。さらに言えば、AMRAPの「時間内にベストを尽くす」というメンタリティは運動以外にもポジティブな影響をもたらしてくれることでしょう。
「レップ数やセット数、休憩時間を決めるのではなく、できるかぎり素早く身体を動かすことになります。これによって、一定時間でこなせるトレーニングの絶対量が増えるのです」と、ニーフ氏は説明を加えています。
ここからは、ニーフ氏にAMRAPのやり方や注意点について聞いてみました。また、いくつかの具体的なワークアウト(どれもあっという間に汗だくになるものです)も教えていただきました。
1)始める前に実際のプロセスをイメージする
「AMRAP(=できる限り多くのレップ数/ラウンド数(as many reps/rounds as possible)の略)では、それぞれの動きにかかる時間について事前にある程度把握しておくことが非常に重要です。
あるワークアウトについて、ひとつひとつの動きにかかる時間や、あるエクササイズから次のエクササイズへの移行にかかる時間、さらにワークアウトの後半でどの程度ペースが落ちるか?といったことを大まかに予想できなければなりません」と、シカゴのクロスフィットジム「サウスループ・ストレングス & コンディショニング」のオーナーでヘッドコーチのトッド・ニーフ氏は説明します。
2)パフォーマンスを損なう典型的なミスに気をつける
「ほとんどの人は、ワークアウトの開始時から飛ばしすぎてしまいます。特に5分間以上のAMRAPでは、前半で飛ばしすぎると後半のワークアウトでバテてしまうでしょう」と、ニール氏はアドバイスします。
3)疲れてくれば、自然にスピードは落ちることを想定。ただし、急激なペースダウンはNG
「AMRAPでは、時間とともに少しずつエクササイズのペースが落ちることは想定しておくべきです。とはいえ、前半と後半でペースに顕著な差があるのは好ましくありません。
また、決められたレップ数をこなすため、目的の筋肉に十分な負荷がかからない代償運動ばかりすることになることも避けるべきです」とニール氏。
4)時間内にこなすべきラウンド数やレップ数について、具体的な目標を設定する
「具体的な目標を定めないまま、AMRAPをしてしまう人もしばしばいます。ワークアウト全体を通してスピーディに身体を動かしたければ、目標の設定は不可欠です。これはトレーニングの途中で動きが止まってしまうことなく、ラウンドを続けていくことにも役立ちます」とのこと。
5)エクササイズの組み合わせで効果をアップさせる
「たとえば、スクワットベースの動きとランジベースの動きの両方があれば、大腿四頭筋の持久性の限界に挑戦するようなトレーニングにできるでしょう。これは太もも周りの筋肉に、大きな負荷をかけるからです」と、ニール氏はアドバイスしています。
では、ここまでの基本を押さえたら早速挑戦してみましょう!
《脂肪を燃焼させ、筋肉を増やすために効果的な「AMRAP」ワークアウトを3つ紹介します》
・懸垂5回
・腕立て伏せ10回
・スクワット15回
このワークアウトには、コンセプト2社のローイングマシンを使用します。「ローカロリー」はこのマシンで表示される消費カロリーで、モニターのセッティングでメーターとカロリーの表示を切り換えられます。
▶ストリクト・プルアップ (反動や勢いを使わずに行う懸垂。動き全体を通して、お尻が前後にぶれないようにする)…3回
▶ローカロリー…3カロリー
▶逆立ち腕立て伏せ(壁にかかとをつけて行う)…3回
▶ローカロリー…3カロリー
2ラウンド目は①〜②をそれぞれ6回および6カロリーと増やし、3ラウンド目は9回、9カロリー、4ラウンド目は12回、12カロリーと増やしていきます。5ラウンド目には3回、3カロリーに戻して、以降同じように増やしていきます。
・スラスター 10回 (男性43kg / 女性29kg)
・バーピー10回
・アサルトバイク(Precor社のワークアウト器具) 10カロリー
Source / Men's Health US
Translation / Wataru Nakamura
※この翻訳は抄訳です。