《目次》

もしあなたがサイクリストでなかった場合、その真実に関して知る由もないかもしれませんが。サイクリストにとって上半身のパワーも、重要なカギとなります。とは言え、筋肉もりもりの肩と腕がサイクリストの典型というわけでもありません。ですが、どれだけ優れた脚力を持っていても、サドルに座った身体をきちんと支えることができなければペダルを力強く踏むことはできないと言うことはイメージできるでしょう。

◇上半身を鍛える重要性

「上半身が鍛えられたサイクリストは、自転車に乗っているときによりよいポジションを保つことができるのです」と語るのは、全米トライアスロン レベル1のコーチでサイクリストのブライアン・レヴァインさんです。「それはつまり、肩や首に余計な力を入れる必要がなくなるということになります」。

「上半身に筋力があれば、必要な際に空気力学も応用しやすくなるのです」と、レヴァインさんは加えて言います(これは、例えば夏の気候の中で自転車に乗っているときには大いに役に立つでしょう)。

また、上半身を強化すれば、自転車に乗っているときのエネルギー効率も上がってきます。上半身の弱さは悪いフォームへとつながります。「悪いフォームはエネルギー消費の増加––あるいは胸椎(背中の上部)や肩の無駄な動き––を招いて、ペダルストロークにつぎ込めるエネルギーを減らしてしまうのです」と、レヴェインさんはさらに説明してくれました。

◇中高年こそ上半身の筋力を強化

ちなみに筋力トレーニングを続けることは、年齢を重ねるにつれてますます重要になってくる身体全体の筋肉量の維持や、基礎代謝の低下を遅らせることにも役立ちます。「有酸素運動のほかに筋力トレーニングを続けていくことで、筋肉量が落ちるのを遅らせることができるのです。ならば、基礎代謝も大きく下がることも抑制されるので、太りやすくなること抑制できるわけです」と、レヴェインさん。

ダンベル無しで、上半身強化は可能

意外なのは、上半身の筋力を鍛えるのに必ずしも(ダンベルなどの)ウエイト類は必要なく、特にこれから上半身のトレーニングに取り組み始めるという場合には、あなたの体重だけで大丈夫ということです。

◇期待できる効果は?
プロトレーナーが推奨する、2つの腕の筋トレプラン(5種+5種)

以下にご紹介するのは、レヴァインさんがまとめてくれたウエイト無しでできる腕のトレーニングです。つまり、これなら自宅でもできるということで、ジムに行く時間をひねり出す必要もありません。このサーキット(筋トレプラン)は重要な腕、コア、肩に焦点をしぼったものになっています。

◇時間・回数は?

この筋トレプランの実施フローは、「サーキット1(筋トレプラン5種)」の各エクササイズ間に、ほとんど休憩を挟まないで2~3回行います。それから30秒くらい休んで「サーキット2(筋トレプラン5種)」へと移り、こちらも各エクササイズ間にほとんど休憩を挟まず2~3回繰り返します。

正しいフォームがよくわかるように、すべての動きについてレヴァインさんがデモンストレーションをやってくれました。器具は一切必要なし。エクササイズマットはあってもなくてもかまいません。

「サーキット1(筋トレプラン5種)」

各エクササイズを60秒間行い、その間にできるだけ多くの回数をこなすようにしてください。

【1-1】「ヒップヒンジ」から「ハイプランク」

存在しない画像
「ヒップヒンジ」→「ハイプランク」

■正しいやり方

直立した状態からスタートして、両腕を頭上に差し上げます。腰を曲げて前かがみになって両手のひらを床につき、その状態から手首が肩の真下にくる「ハイプランク」の姿勢になるまで、コア(体幹)を使って手を前に進めていきます。動きを逆にして、もとの直立姿勢に戻ります。

【1-2】「腕立て伏せ(プッシュアップ)」

存在しない画像
「腕立て伏せ」

■正しいやり方

手のひらが肩の真下にあって、身体が一直線に伸びた「ハイプランク」のポジションからスタートします。

両ひじを外側に曲げて、胸が床に触れるまで下げます(もしくはできるだけ低く下げる)。腹筋は引き締めたまま、身体も一直線のままで。腰が曲がらないようにしてください。その状態を1秒間保ってから腕を伸ばし、同じ動作を繰り返します。

【1-3】「フォアアーム プランク」

自宅でできる,筋トレ,トレーニング,ワークアウト,腕,上腕二頭筋,上腕三頭筋,
Julia Hembree Smith
「フォアアーム プランク」

■正しいやり方

四つんばいの状態からスタートします。ひじが肩の真下にくるようなカタチで前腕を床につき、両足をうしろに伸ばして「フォアアーム プランク」の姿勢になります。

肩は低く後ろに引いて腹筋を働かせて腰と肩の位置をそろえ、身体が一直線にします。太ももと大臀筋に力を入れて身体を支えてください。この姿勢を60秒間保持します。

【1-4】「サイドプランク」から「スレッド ザ ニードル」

存在しない画像
「サイドプランク」→「スレッド ザ ニードル」

■正しいやり方

右側を下にして横向きになり、右ひじが肩の真下にくるよう右前腕で身体を支えながら足と腰と肩が一直線になるようにします。そして腰を床から浮かせ、左腕をまっすぐ天井のほうへ伸ばしてください。

腰を浮かせた状態のままで左の肩を前方に丸めるようにしながら、左腕を右わきの下を通します。動きを逆にしてもとの姿勢に戻ります。この動きを60秒間繰り返してください。そして次に左右を替えて、同じことを繰り返します。

【1-5】「ベアクロール

存在しない画像
「ベアクロール」

■正しいやり方

両手両ひざをついた四つんばいの状態でスタートします。背中をまっすぐに保ったまま、コアを使って両ひざを床から数センチ浮かせます。

左手と右足を同時に前に出し、次に右手と左足を前に出します。まっすぐ前を向いた姿勢を保ったままで逆の動きをします。この前後の動きを30秒間繰り返して、次に左右の動きを30秒間繰り返しましょう。

「サーキット2(筋トレプラン5種)」

各エクササイズを60秒間行い、その間にできるだけ多くの回数をこなすようにしてください。

【2-1】「スーパーマン」

存在しない画像
「スーパーマン」

■正しいやり方

マットの上で、両腕をまっすぐ伸ばしたうつ伏せの状態でスタートします。背筋を使って両腕と両足をできるだけ高くマットから浮かせます。

首をリラックスさせた状態を保つため、視線は下に向けたままで。そのままの姿勢でひとつカウントしてもとの姿勢に戻ります。この動作を繰り返します。

【2-2】「バーピー」

存在しない画像
「バーピー」

■正しいやり方

直立の状態でスタートします。素早い動きで両手を同時に床につけながら、小さくジャンプして両足を後ろに伸ばし、胸をマットにつけます。

床につける手は肩の真下にくるように。

両腕を伸ばしながら小さくジャンプして足を前方へ運び、両手を床から離して立ち上がると同時に勢いよく宙に飛び上がります。ソフトに着地してスクワットの姿勢になるまでが1回。これを繰り返します。

【2-3】「ラテラル アーム パルス」

存在しない画像
「ラテラル アーム パルス」

■正しいやり方

肩幅に広げて立ち、両腕を肩の高さで横に伸ばします。そしてひじは軽く曲げ、手のひらは上向きにします。

肩甲骨を低い位置で後ろに引いた状態に保ったまま、腕を約2.5~5cmほど上げて、またもとへと戻します。

これを繰り返します。楽そうに見えますが、結構きついエクササイズです。

【2-4】「ボディウエイト リバース フライ」

存在しない画像
「ボディウエイト リバース フライ」

■正しいやり方

肩幅に広げて立ち、腰を引いて45度の前傾姿勢を取ります。

両腕を握りこぶしの状態で、胸の前でまっすぐ下向きに伸ばします。背中の上部を使って両腕を肩の高さまで横へ広げてください。

またもとの姿勢に戻って、同じ動作を繰り返します。

【2-5】「ひねりを加えたマウンテンクライマー

存在しない画像
「ひねりを加えたマウンテンクライマー」

■正しいやり方

両手のひらを肩の真下で床につき、コアを使って身体を一直線に伸ばした「ハイプランク」のポジションからスタートします。

右ひざを曲げて左ひじへと近づけ、またもとの姿勢へと戻ります。次に左ひざを曲げて右ひじに近づけ、またもとの姿勢に戻ったところで1回です。これを交互に繰り返します。

◇動画で一連の流れ(正しいやり方)を確認

preview for An At-Home Arm Workout You Can Do Without Weights

Source / Bicycling
Translation / Satoru Imada
※この翻訳は抄訳です。