《もくじ》

  • ランナーズニー:膝蓋大腿関節障害と腸脛靱帯炎の違いは?
  • 膝関節の基礎知識
  • 【膝の強化】ランナーズ膝(ニー)の4つの対処方法
    1)大腿四頭筋の強化
    2)臀部筋の強化
    3)ハムストリングスのストレッチ
    4)ストレッチポールを使用したエクササイズ

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理学療法士であり、認定ストレングス & コンディショニングスペシャリストの資格(CSCS)を持つレイチェル・タベル博士は、体調が崩れたときに身体を元に戻す方法を把握してます。

マラソンやランニングを愛する多くのランナーにとって、長く続く痛みも急な痛みもよくあることでしょう。しかし、しつこい膝の痛みが走行距離の記録を妨げるようであれば、どうにかしたいと考えますよね。

◇ランナーズニー:膝蓋大腿関節障害と腸脛靱帯炎の違いは?

まず最初に、「ランナーズニー(Runner's Knee)」という言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、マラソンランナーに多く見られる代表的な2つの障害と違いについて説明しましょう。

膝蓋大腿関節障害(しつがいだいたいかんせつしょうがい=PFPS)とは?

膝の前面を保護している骨「膝蓋骨(しつがいこつ)」の裏側や、膝蓋骨周辺の痛みのことを膝蓋大腿関節障害(しつがいだいたいかんせつしょうがい)と呼びます。

《原因》

これはマラソンランナーに最も多く見られる障害のひとつです。膝に負荷がかかりすぎた後に発生するもので、膝を曲げる動作(スクワット、階段や坂道を使ったトレーニングなど)を繰り返し行うことで引き起こされます。

《症状》

典型的に膝小僧(=膝蓋骨)の内側や、周囲に鈍痛や刺激性のある曖昧な痛みとして現れます。ほとんどの場合において、走ることにより悪化するのですが、何時間もじっと座った後にも起こることもあります。

腸脛靱帯炎 (ちょうけいじんたいえん)とは?

「ランナー膝」とは、ランニングによる膝関節周辺のスポーツ障害の総称のことを指します。が、一般的にランナー膝と言うと、この腸脛靱帯が膝部(しつぶ)外側で摩擦して、疼痛(とうつう)が発生する腸脛靱帯炎を言うことが多いです。

《原因・症状》

さて、この腸脛靱帯症炎はマラソンランナーに2番目に多く見られる障害と言われています。大腿骨(だいたいこつ)の骨性隆起と腸脛靭帯の摩擦の後に、膝の外側に痛みが出るものです。この痛みは膝の曲げ伸ばしを繰り返し行うことによるストレスが、組織の耐性を超えたときに発生します。つまり、ランニングなどの練習のやりすぎが原因となります。

◇膝関節の基礎知識

膝関節は大腿骨(だいたいこつ)、脛骨(けいこつ)、そして膝蓋骨(しつがいこつ)によって形成されています。

膝蓋骨は、大腿骨溝と呼ばれる大腿骨の内側の溝の間を滑るように、関節の上部に位置する浮遊骨です(そのために、膝のお皿とも呼ばれています)。

膝蓋骨が、この溝の間を滑らかに動かないと、関節の間で摩擦が増えていってしまうのです。この摩擦は膝の屈折運動で膝蓋大腿関節の圧縮力を増加させるため、特に膝の片側だけへの繰り返しの負荷や曲げることで、関節に痛みを引き起こすことがよくあるのです。

この溝に沿って滑らかに動く代わりに、膝蓋骨は横に引っ張られることが多くなり不快感をもたらします。

股関節や大腿四頭筋が弱かったり、ハムストリングがタイトになってしまっていたり、脛骨が適切に回転しない場合や軟部組織の制限により、可動性や筋肉の活性化が制限されている場合には生体力学の低下や(外側変位、外側スピン、外側傾斜といった)トラッキングの異常の増加を導いてしまうのです。

「ランナーズニー」はたいてい、時間の経過とともに発症します。こうなる前に早期に対処して痛まないようにしていきましょう。それでは、対処法を紹介していきます。

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◇【膝の強化】ランナーズニーの4つの対処方法

●大腿四頭筋の強化

屈曲中にまっすぐな足上げを行い、その際につま先を上に向けさらに少し外側に向け(わずかに外部回転をさせます)、大腿四頭筋(具体的には筋肉の内側広筋部分VMO)をターゲットにします。

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How to Strengthen your Quads from Scratch
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この動きを行うためには仰向けに寝て、膝に痛みを感じる方の足をまっすぐにして、もう一方の足を曲げます。

体幹を安定させるために腹筋を引き込み、膝を床に向かって押し下げ、そして足をできるだけまっすぐにしながら、患部の方の太ももの前面を締めます。それから足を真っすぐ上下に持ち上げます。

つま先を天井に向けて10回を2セット、つま先を少し外側に向けて10回を2セット行いましょう。この動きを通して、膝を伸ばした状態を維持してください。

●臀部筋の強化

すでにご存知の方もいると思いますが、とにかく臀部筋の強化です。

ランナーであっても、ランニングにジャンプにカッティングといったいずれかのアスリートであっても、臀部筋を鍛える強力なトレーニングが必要になるでしょう。うれしいことに、筋肉を強化するための方法は無数にあります。

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ストレートレッグレイズ/下腹部を鍛える/スロトレ実践講座
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横になって足首の周りにバンドをつけるか、立った状態で両足首の周りにバンドをつけて外転(体の中心線から外に向かう運動)しながら、(脚を伸ばし上下させる)「ストレートレッグレイズ」はいかがでしょうか。

ラテラルウォーク
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レジストバンドを使用した「ラテラルウォーク 」

さらに太もも、または足首の周りにバンドをつけての(横歩きの)「ラテラルウォーク」。

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レジストバンドを使用した「クラムシェル(Clam Shells)」。 Courtesy of CHARLEE ATKINS/Mens Health US

そして、膝が内向きにならないように、の回旋筋強化のために抵抗のある「クラムシェル(両膝のみを開く運動)」にも挑戦してみてください。各トレーニング10回を、2〜3セット繰り返してください。

●ハムストリングスのストレッチ

ハムストリングスのストレッチ
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ハムストリングスの片脚ストレッチ

両方または片方の足を、前にまっすぐ伸ばしながら床に長坐位の態勢で行うことも可能です。

● 横向きになりストレッチポールを使用した横大腿四頭筋と腸脛靱帯炎のエクササイズ

大腿四頭筋の外側に位置する腸脛靭帯の炎症へのストレッチポールは、研究では実際の有効性が実証されたわけではありません。

横向きになりストレッチポールを使用した横大腿四頭筋と腸脛靱帯炎のエクササイズ
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しかし、フォームロールが症状を和らげるのに役立つ神経筋の要素となるようですし、かなり気持ちもいいものです。まずは試してみて、緩和に役立つか様子を見てください。

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ひざのテーピング ひざの痛みが残っている状態【battlewin】
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キネシオテープでのテーピングも役立つことでしょう。

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ストレッチポール
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抵抗バンド
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Source / Men’s Health US
Translation / Kazuhiro Uchida
※この翻訳は抄訳です。