「お腹が膨張し、触ってみると固くなっていて、おならがなかなか出ずに楽にならない」、「とても不快な気分というのは言うまでもなく、イライラさせられる…」。こんな経験ありますよね。
ガス(おなら)を排出することは何も悪いことではありませんので、その衝動を恥ずかしがることはないのです。ニューヨーク市の消化器病専門医でトゥーロ医科大学臨床助教授でもあるニケット・ソンパル医学博士は、「おならは全くもって正常な身体機能です。実際、平均的な人は1日に15回から25回はガスを出しています」と、話しています。トレーニング中に、おならが出てしまうこともそれほど珍しいことでもありません。
おならは健康で、消化器系が正常に機能していることの証です。もちろん、食べ物によってはおならが出やすくさせてしまうものもあります(おならが出やすくさせてしまう食べ物を紹介しています記事を読む)。
ソンパル博士は、「おならが出たり出なかったりすることで、生活に支障をきたすようなことがあれば、それはもっと身体に深刻な事態が起きていることを知らせるサインかもしれません」、と話しています。便秘が原因でガスが出なくなることもあります。
ですが、正しい姿勢をとるだけで問題が解決する場合や、市販薬を服用するだけで問題が解決する場合もあります。それでは、おならを出す方法をご紹介します:
お腹に溜まったガスを出したいときには、炭酸飲料を飲んでみるのもいいでしょう。ソンパル博士は、「炭酸飲料を飲むと胃の中に空気がたまり、腹部膨満を引き起こします。そして、この空気をどうにかして体外に排出しなければならなくなります」と、話しています。
しかし、炭酸飲料を飲んだとしても、本当に望むようなおならが出る可能性は低い…と、お伝えしておく必要があります。
ミズーリ州セントルイスの消化器病専門医で、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)で「Doc Schmidt」というユーザー名で教育的なコンテンツを提供しているベンジャミン・シュミット医師は、「炭酸飲料が重要な役割を果たすことは、実は少ないのです。理由としては、このような飲み物に含まれている炭酸ガスは、大腸の末端まで到達して鼓腸として排出される前に、呼吸として吐き出してしまうか、あるいは胃や小腸で吸収されてしまうからです。腸の長さは平均7.6m以上あるので、炭酸ガスが消化管全体を通過する可能性は低いのです」と、説明しています。
もちろん、こうした飲み物がそもそも問題を引き起こしてしまう可能性もあります。「炭酸飲料は腹部膨満感を悪化させたり、げっぷの増加も誘発してしまう傾向があります」と、シュミット医師は付け加えています。
今回ご紹介するヨガの動きは、溜まったガスを放出させることに役立つものです:
【その1】
チャイルドポーズ(子どものポーズ)
「この体勢は、溜まったガスを排出するのに役立つヨガのポーズです。チャイルドポーズは腰と背中をリラックスさせ、腸の動きをスムーズにしてくれるものです」と、ソンパル博士は説明します。
効果的なやり方
- このチャイルドポーズをとるには、まず両手と両足で膝をつきます。
- それからお尻を後ろに押して、かかとの上に座ります。
- 床に触れながら両腕を身体の前に伸ばし、頭を床につけます。
「こうすることで、腹部に優しい圧力がかかり、腹部の膨張が促進されます」と、ソンパル博士。必ず深呼吸をして、ガスが出るまで待ちましょう。
効果的なやり方
仰向けに寝て、膝を胸に近づけます。あごを胸部に押し込み、30秒間維持します。こうすることで腹部に圧力がかかり、ガスが出やすくなるでしょう。
効果的なやり方
- 両足を前に伸ばして、床に直立して座ります。
- 腰を前に曲げ、膝を曲げずに胸を膝の上に乗せるか、できるだけ近づけるようにしましょう(このポーズでも、他のポーズでも、無理は禁物です。もし、背中に違和感や痛みなど問題を抱えているのであれば、このポーズは試さないでください)。
- できるだけつま先に触れるように腕を伸ばしましょう。こうすることで、おならが出やすくなるでしょう。
ソンパル博士は、次のように言います。
「便秘解消サポートとして効果のある、洋式トイレ用足置き台(スクワッティーポティ)のことは聞いたことがあるかもしれません。特定のブランドのものを推奨しているわけではありませんが、これを使用することで、トイレで用を足すときに効果的な角度につくことができ、しゃがみ込んだ姿勢となって力まずに排便できるようになるでしょう。身体の位置を調整することで無理に力を入れたり、トイレに長時間いたりすることなく、ガスを効果的に出すことができる可能性が高まります」と、説明しています。
当然のことですが、おならをしたいときというのは、お腹が風船のように膨らんでいる可能性が高いです。シュミット医師は、「腹部膨満感は便秘と関係していることが多いので、まずは便秘を解消するための市販薬を選ぶとよいでしょう」と話しています。もし便が出ないときに便を軟らかくする薬を飲めば、便が出やすくなり、問題は解決するかもしれません。
そんな場合は、ジメチコン(simethicone / ガスコン)を含む薬も効果があるかもしれません。「ですが、必ず医師に相談し、服用しても問題がないことを確認してください。そして、説明書に従って使用するようにしましょう」と、ソンパル博士は注意をしています。
ジメチコンを摂取すると、たくさん食べてしまった後、消化器官にガスがたまりにくくなります。ジメチコンの効果でガスが集まりやすくなることで、ガスを体外へ排出しやすくさせてくれます。
ソンパル博士は、「ジメチコンは、おならの臭いや音にはあまり影響はありません」と説明しています。なので、服用しても音が出ずに匂いもバレないとは考えないでください。「とは言っても、ジメチコンは溜まったガスによる圧力や不快感は和らげてくれるはずです」と話します。この点については、大いに評価できるでしょう。
真面目な話ですが、おならが出ないということが、生活の中で常に起こるようになり、もし今回ご紹介したヒントが役に立たなければ、絶対に苦しみ続けないでください。腹部膨満感や腹部不快感が続くようであれば、消化器科を受診してみるのもよいでしょう。
Source / Men’s Health US
Translation / Kazuhiro Uchida
※この翻訳は抄訳です。