ドナルド・トランプ米大統領は2019年7月14日(現地時間)に、有色人種の女性議員たちに対してツイッター上で激しく口撃しました。数十年にわたって偏見に基づいた発言を続けてきたトランプ氏が、新たに公然と人種差別発言を行ったのです。
同日、トランプ氏が公言していた不法移民への強制捜査計画によって、公園や食料品店から人々が姿を消しました。米移民・税関捜査局(ICE)による一斉検挙を恐れ、移民家族たちは自宅で過ごしたのです。伝説的なホラー作家のスティーブン・キング氏はこれに対し、米国で次に起こり得る恐ろしいシナリオに関してゾッとするような予想をツイートしていました。
「まず、人々は憎しみやマイノリティへの恐れを募らせます。それから、彼らをまとめて収容所に入れることになります。次に追い詰められ、身を潜めていた人々のもとには襲撃隊を送り込まれるのです。そしてこれに続くのは、(ナチスのような)腕章ではないでしょうか…」
このベストセラー作家は以前からトランプ政権を痛烈に批判しており、トランプ時代の絶え間なく渦巻く嫌悪に対し、ソーシャルメディア上でたびたび自らの怒りを爆発させてきました。キング氏は率直な批判によって、ツイッター上ではトランプによってブロックされてしまったほどであり、これについては米連邦控訴裁判所が2019年7月9日に「憲法違反」との判決を下していました。
スティーブン・キング氏のツイート内容:
トランプと彼の政権に関するあらゆることが見苦しく、卑劣、狭量かつ不快で、これは明らかな間違いなのです。
1979年にキング氏が書き下ろした小説『デッド・ゾーン』では、トランプ政権に関する不気味な予言がなされています。この小説の悪役であるグレッグ・スティルソンは、一介の不動産詐欺師から攻撃的な扇動政治家となって急速に頭角を現し、政治集会では暴力的な命令を執行するバイカーたちを引き連れています。スティルソンは政界を一気に駆け上がり、最終的に核戦争を引き起こしそうになるという物語です。
「NowThis」のビデオインタビューの中でキング氏は、トランプ氏とこの40代の架空のキャラクター(スティルソン)の類似性について語りました。
インタビュアーが「トランプ政権はスティーブン・キングの小説よりも恐ろしいと思いますか?」と尋ねると、キング氏は「その質問への手短な答えはイエスです。そう思います」と答えています。
自国のために、トランプ政権に向けて発言し続けるスティーブン・キング氏の行動力は並みならぬもの。米国で次に起こり得る恐ろしいシナリオを、真剣に考えている彼に賛同している人は少なくないでしょう。
From Esquire US
Translation / Wataru Nakamura
※この翻訳は抄訳です。