スパイになるための訓練は言うまでもなく、困難極まりないものです。

いつもと全く変わらず、何食わぬ顔で任務を行わなくてはなりませんし、バーでスパイの同僚とバッタリ会い、思わず手を振る、などという行為はもってのほかです。間違っても、秘密を漏らすことがあってはならないのです。漏らした日にはもうその先はスパイ映画で予習済みかと思います。

しかし今回のように、国際的な秘密が万人の知るところとなってしまうケースもあります。英出版社DKのこども図鑑シリーズ「スパイになる方法」の巻でも、「あぶり出しの暗号文」や「秘密の糸電話」のつくり方に加えて、「秘密情報が書かれた紙を持っているときは、たくさんのカメラマンの前でそれをペラペラ振ってみせてはいけません」と、どこかに書いてあったように思うのですが、この大統領、そこの文をすっかり忘れてしまっていたようです。

これはxの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。
ツイッターの内容: 
「メキシコ政府は、45日以内にこの合意を確実に発効させるべく、国内法に基づき必要なすべての手続きを実施する」

トランプ大統領はこの紙を、自動発火して消滅するあの指令書と同じだと思ったのかもしれません。ですが消滅せず結局は、手に持ちながら記者団への公表を拒んだ「国境安全保障に関するメキシコとの合意文書」の中身の一部は、いとも簡単に解読されてしまったわけなのです。

その内容によると、メキシコを経由して中南米諸国から米国へ入る移民の問題について、メキシコ側が流入対策の実施を示す期限に合意したことが示唆されています。おそらくトランプ大統領は、秘密情報の保持に関して「CIAからアドバイスをもらおう」という考えなど持ち合わせていないのでしょう。

トランプ氏がこれまでに何度も口にしてきた「メキシコ移民問題」は、今後どのようにまとまるのでしょうか。さらなる動向とともに、大統領の行動に関してもその都度注目していきましょう。

Source / Esquire UK
Translation / Keiko Tanaka
※この翻訳は抄訳です。