スイスの高級時計ブランド「AUDEMARS PIGUET(オーデマ ピゲ)」より、 2年に一度のチャリティオークション「Only Watch」のために製作されたユニークピース、『ロイヤル オーク"ジャンボ"エクストラ シン』が発表されました。

 今回の特別モデルはロイヤル オーク発表の1972年当時最薄の自動巻きムーブメント、キャリバー2121が搭載される最後の「15202」となります。リファレンス番号15202とキャリバー2121は共に2021年末をもって正式に終了となり、次世代のキャリバーへとバトンが渡されます。

 今回の時計では、「プチタペストリー」模様のダイヤルに新しくグレーの色相が登場しましたが、ロイヤル オークの5402Aシリーズで導入されたオリジナルの書体やAPモノグラムはそのままの姿で受け継がれています。さらに未来を見据え、ケースとブレスレットには「オーデマ ピゲ」では初となる、新素材のPd基合金のバルク金属ガラスがチタンと共に採用されました。

audemars piguet
AUDEMARS PIGUET

 このモデルの発表に際し、オーデマ ピゲのCEOであるフランソワ-アンリ・べナミアス氏はこのように述べています。

「2021年に再び、先進の科学・医学研究を支援する『Only Watch』ファミリーの一員となれたことを誇りに感じています。『オーデマ ピゲ』のストーリーを共有し、デュシェンヌ型筋ジストロフィーの研究支援のために入札する方々の心を動かす時計であることをねがっています」

唯一無二のコンビネーション

audemars piguet
AUDEMARS PIGUET

 自社で一貫製造している『オーデマ ピゲ』は今回初めて、マイクロエレクトロニクス分野で特に用いられるPd基合金であるバルク金属ガラスとチタンを組み合わせました。

 Pd基合金は、高速急冷されると非晶質や高硬度などのガラスと類似した性質を持ち、優れた強じん性や耐腐食性が特徴です。手仕上げにより、非結晶性から独自の光の揺らぎが生まれます。手作業によるポリッシュ仕上げのバルク金属ガラスが用いられたベゼルはサファイアケースバックを囲み、また、同素材のブレスレットのスタッズはチタンケースとブレスレットのコマに対し、力強いコントラストを生み出しています。ポリッシュ仕上げの面取りが施されたサンドブラスト仕上げのチタンケースに合わせたブレストレットには、サンドブラスト仕上げ(表面)、サテン仕上げ(裏面)、そして面取り部分にポリッシュ仕上げが施されています。「オーデマ ピゲ」がチタンブレスレットにサンドブラスト仕上げを採用するのも、今回が初の試みです。

 サファイアバルク金属ガラスケースバックには、"Unique Piece"の文字と共に、パラジウムの含有量が50%以上の合金であることを証明する"Pd500"も刻印されています。

audemars piguet
AUDEMARS PIGUET

過去から着想を得たダイヤル

 新たなグレーカラーを展開しつつも、「Only Watch」モデルのダイヤルには1972年の初代ロイヤル オーク 5402A シリーズのデザインコードが踏襲されています。12時位置の"Audemars Piguet"と"Automatic"表示、そして6時位置のAPモノグラムは初代シリーズと同じ配置、同じ自体を継承しています。さらに当時と同様に、"Swiss"という文字も6時位置のアワーマーカー下部に表示されています。

 ダイヤルのロジウムカラーのグラデーションは、ケースとブレスレットに溶け込むように馴染み、モノクロームのコンビネーションが時を超越したエレガンスを醸し出します。

キャリバー2121時代の終焉

audemars piguet
AUDEMARS PIGUET

 『ロイヤル オーク"ジャンボ"エクストラ シン』は、キャリバー2121を締めくくる特別なモデルであり、1972年の初代ロイヤル オークに採用された自動巻きムーブメント、キャリバー2121を搭載する最後のタイムピースでもあります。厚さわずか3.05mmのキャリバー2121は、セントラルローターとデイト表示を備えた自動巻きムーブメントとしては、当時の世界最薄を誇りました。

 この伝統的なムーブメントは、マニファクチュールのエクストラ シン ムーブメントにおける長い歴史と歩みを共にしています。1875年以来、オーデマ ピゲは小型化の先駆者として、コンプリケーション搭載の有無を問わず、エクストラスモール、エクストラ シンの機構の開発へと素早く舵をきりました。1938年にマニュファクチュールは厚さわずか1.64mmという手巻きの9ML キャリバーを、また1953年にはその後継となるキャリバー2003を発表しました。

 また、1967年には一流ブランド数社のコラボレーションにより開発された、セントラルローターを備えた自動巻きムーブメントとして当時世界で最も薄い、厚さ2.45mmのキャリバー2120が登場しました。これをもとに製作されたのが、1970年に発表されたデイト表示付きのキャリバー2121でした。

 Only Watchのユニークピースである『ロイヤル オーク"ジャンボ"エクストラ シン』は、1つの時代の終焉を告げると同時に、50周年を迎える2022年に登場する次世代のロイヤル オーク 39mmへと道筋を照らす時計なのです。

『ロイヤル オーク"ジャンボ"エクストラ シン』のスペック

[ ケース ]
ケース/18Kホワイトゴールドケース
    反射防止加工サファイアガラスとケースバック
ケース幅/39 mm
ケースの厚さ/8.1 mm

[ ダイヤル ]
「プチタペストリー」模様のピンクゴールドカラーのダイヤル
蓄光処理を施したホワイトゴールドのアプライドアワーマーカーとロイヤル オーク針

[ ブレスレット ]
18Kホワイトゴールドブレスレット、APフォールディングバックル

[ ムーブメント ]

自動巻き 自社製キャリバー2121
直径/28.40mm (12 1/2 リーニュ)
ベースムーブメントの厚さ:3.05ミリ
石数/36
部品数/247
パワーリザーブ/約40 時間
バランスホイールの振動数/2.75 Hz (19'800振動/時)
機能/時、分、デイト表示
防水性/50 m

公式サイト