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健康意識が高まる昨今ですが、実は多くの方の食生活に食物繊維が不足しているというが統計で出ているそうです。皆さん、今こそ変えるべきときでは? ここで健康に良い、食物繊維豊富な食材をご紹介します。
今回は、食品栄養素やウエルネス (=Wellness、世界保健機関 が国際的に提示した「健康」の定義をより広範囲な視点から見た健康観を意味する)に造詣の深いアメリカ人ジャーナリスト、クリス・モール氏とメリッサ・マシューズ氏の調査によって、栄養士たちに「食物繊維」が豊富で過小評価されがちな食品を10つピックアップしていただきました。
いったい何を食べるべきか? 健康促進のために何をすべきか?…そんなふうに思いをめぐらせることも、皆さん一度はあることでしょう。ですがそのとき、「食物繊維」にまでに考えがおよばない人が多いようです。
それよりも、「たんぱく質をもっと摂るべきだ」とか、「糖質を抑えたほうが良さそうだ」「脂肪は控えないと」など、三大栄養素のことばかり考えてしまいがちなのです。でも、それはそれで間違いではありません(しかしながら、ビタミン、ミネラルまでプラスした「5大栄養素」の領域で考えたほうがベストです)。
ですが、ここに多くの人が見逃がちな事実があります。それは「糖質」を「健康の敵」かのような扱いよする現在の風潮によっって、皆さんは「糖質」ばかりに目がいくことによって死角ができてしまっているのです。皆さん、ここで改めて確認しておいてください。多くの人が「炭水化物=糖質」だと思っているかもしれませんが、実は「炭水化物」には血糖値を上昇させる「糖質」と、もうひとつ血糖値を上昇を抑える「食物繊維」が共存しているのです。
でありながらも、食事中に含まれる「食物繊維」は少量であるため、「炭水化物≒糖質」となっているのです。ですので皆さん、ここで不足しがちな「食物繊維」に注目しましょう。
大抵は「食物繊維」にまでに考えが及ばないようです。それよりも、「より豊富なプロテインを摂るべきだ」とか、「糖質を抑えたほうが良さそうだ」とか、そのようなことばかり考えてしまいがちです。しかしいまこそ、その考えを改めるべきときなのです。なぜなら、健康を維持するためには「食物繊維こそ不足している可能性が高い栄養素」だからなのです。
◇日本人が一日平均として食物繊維をとるべき摂取量
日本の厚生労働省は発表している「日本人の食事摂取基準(2015年版)」では、食物繊維の目標量は、男性は18~69歳では1日あたりおよそ20g以上、女性は18g以上とされています。
ほかにも、アメリカを例に挙げると、心臓病や肥満のリスクは、「食物繊維の不足により、その数は増大している可能性がある」という研究発表もあるそうなのです。
「私たちの得たデータによれば、アメリカ国内における男性のたった4パーセント、女性のわずか13パーセントだけしか、十分な量の食物繊維を摂取していません」と語るのは、公衆衛生学修士号をもち、現在はトロント大学博士課程で栄養学の(栄養と脳の健康に関する)研究を行うヤニ・パパニコラウ氏。
食物繊維を摂りたいけれども、「ブロッコリーやレーズンブランなど見るのもうんざり」ですって? では、過小評価されている10つの食物繊維のヒーローたち(食べ物)をご紹介しましょう。
【1】アーモンド
ナッツと聞くと、ほとんどの人は「脂肪」を思い浮かべるかもしれません。ですが、「食物繊維」も実に豊富に含まれています。
アーモンドでは約28.3グラムあたり、およそ平均3.5グラムが含まれているのです。
これは、他のナッツ類と比べ高い数値となっています。果物と合わせておやつ代わりに食べれば、栄養価の高い組み合わせとなるでしょう。
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【2】黒豆
豆は心臓にとって良いばかりでなく、心も豊かにしてくれる、栄養価の極めて高い食品と言われています。それはお財布にも優しく、料理の付け合せとしても便利だからです。さらに、黒豆なら1カップあたり平均15グラムという、1日あたりの食物繊維の摂取基準の約半分をクリアできるのですから…。
そう説明してくれたのは、栄養士でジャーナリストのマリサ・ムーア先生。彼女はジョージア州立大学で栄養学の学士号を取得した後、「ジョージア栄養士協会」や「米国疾病管理センター」でも働いていた経歴を持っています。
ムーア先生によれば、「黒豆にはアントシアニン(黒豆の深い紫の色を出している成分)が豊富に含まれている」とのこと。植物界において広く存在する色素であるアントシアニンは、パワフルな抗酸化物質でもあり、「心臓疾患のリスクを下げることが期待できる」とされています。また黒豆には、植物性タンパク質も豊富なのです。
ムーア先生のオススメは、「黒豆バーガーを作ったり、サラダやグレインボウルのトッピングに加えること」だそうです。
【4】亜麻仁(フラックスシード)
日本では「亜麻仁(アマニ)の種」として知られる「フラックスシード」。海外では、オイルや種を挽いてパウダー状にしたものなど様々な形状で販売され、美容や健康に優れた食品として広く親しまれています。
10年程前に大流行しましたが…、その後フェードアウト気味のようです。しかしながら、「オメガ3脂肪酸」、「プロテイン」、そしてもちろん「食物繊維」と、この小さな種に蓄えられた栄養はすさまじいものがあります。「フラックスシード」には、100g中平均28gもの豊富な食物繊維が含まれているということ。
そして、フラックスシードがもつ栄養素「α-リノレン酸」、「リグナン」、「食物繊維」は、肥満をはじめとするメタボリック症候群や、心臓病、糖尿病などの生活習慣病から、便秘、腸炎、骨粗しょう症、関節リウマチ、更年期障害、うつ病などの予防・改善に効果が期待できるとも言われているのです。
朝食のオート麦(さらなる食物繊維です)、ヨーグルト、カッテージチーズなどに加えれば、完璧な一皿ができ上がります。よく挽いてから加えるのが、美味しく食べる秘訣となっていますので…。
【6】さつまいも
「さつまいもが、食物繊維が豊富なのは知ってるよ!」という方も多いのではないでしょうか。しかし、こちらの食品、それだけでは語りつくせないほど“あなどれない”食品なのです。
低糖質ダイエットをしている人は、このデンプン質の食材に恐れおののくかもしれません。が…、さつまいもは栄養価の優れた食材です。中サイズのさつまいもに含まれる繊維質は約4g前後です。そして、さつまいもはさらにカルシウムやカリウム、ビタミンA、ビタミンCも豊富に含み、骨や免疫システムを健康的に保つために役立つ食べ物として栄養士たちは推奨します。
また、アメリカ国立医学図書館によれば、「カリウムは、高血圧予防にも役立つ可能性がある」とも言われているのです。これはあなたの筋肉や神経系にとって、欠かすことのできない栄養素なのです。
さらにこの庶民が愛する食品、「快適な眠り」をサポートしてくれる最強な食品でもあるのです。中サイズのさつまいもには、1日の推奨摂取量の10分の1にあたる約540mg前後の「ポタシウム(カリウム)」を含んでるのです。
睡眠アドバイザーで、『The Sleep Solution(眠りのソリューション)』の著者でもあるW.クリストファー・ウィンター医師によれば、「このポタシウム(カリウム)はマグネシウムと同様に、筋肉の適切な収縮をサポートしてくれるでしょう。夜間の脚のけいれんを抑制してくれるのです」と説明しています。
さつまいもには、睡眠へと誘導する「セロトニン」生成に必要とされる炭水化物も豊富に含ふくまれています。そして、「アメリカ国立衛生研究所」がリリースした2016年の研究発表によれば、「さつまいもは、化学療法の副作用による便秘を患う患者の便秘緩和にも役立つ可能性がある」という報告もなされているので、大いにその効果を活用してください。
【7】アボカド
アボカドには心臓疾患のリスクを低下させる効果が期待できる、「一価不飽和脂肪酸」と「食物繊維」が豊富に含まれています。
心臓にいい脂肪分で知られるアボカドですが、「食物繊維」も豊富です。また、ロマ・リンダ大学の研究によれば、昼食にアボカドを半分加えることで、満腹感が長続きすることもわかったそうです。
タコス用のワカモレ(アボカドディップ)を作ったり、サラダやサンドイッチに加えるのもいいでしょう。
「週末に油断して、セロリやレタスなどで代用すればいいかと思う方もいるでしょうが、アボカドなら満腹感も得られるうえに、栄養豊富な食品です。なので、状態を戻そうという努力の中にも、空腹感と戦うストレスは緩和されている食品なので、おすすめなのです」と、説明してくれたのは医療専門家であり栄養士の資格も有するジェシカ・コーディング先生。彼女は、ニューヨーク大学の臨床栄養学科の修士号も取得しています。
ちなみに、アボカド1/3あたり、カロリー約100kcal前後、脂肪分約10g前後(飽和脂肪1g前後)、ナトリウム約5mg前後、炭水化物約6g前後、糖分約0.4g前後、食物繊維約4g前後、タンパク質約1g前後が含まれています。
【8】レンズ豆
レンズ豆は1カップで、1日の推奨摂取量の半分の食物繊維を摂ることができ、たんぱく質も豊富です。サラダ、スープ、もしくはパスタ用のソースを作る際に、1カップ加えるだけで繊維質約15g前後とたんぽく質約18g前後を簡単に摂ることができるのです。
ニュートリション・ストリップド社の創業者で管理栄養士のマケル・ヒル先生は、「レンズ豆は食物繊維とマグネシウムを摂るためには、最高の食べ物です」とも説明しています。彼女はオハイオ州立大学、臨床栄養と栄養学の修士号を取得しています。
また豆類は、おならの原因に挙げられることがよくありますが、これには特有の理由があるのです。学術誌『ニュートリショナル・ジャーナル』に掲載された研究によれば、レンズ豆やナッツ、エンドウ豆などほとんどのマメ科植物は、食物繊維を豊富に含むだけでなく、ラフィノースやスタキオースなど、人間が適切に消化できない糖分を含んでいるということなのです。
腸内細菌はこれらの糖分を分解するにあたって、結果的に水素やメタン、さらには硫黄(腐った卵のような臭いで知られていますね)のような様々なガスが放出するからなのです。
缶詰の豆は流水にさらして、しっかりと水を切りましょう。そうすることによって、これらのガスの原因となる成分を減らすことが期待できるとのことです。
【9】アーティチョーク
アーティチョークは、便秘予防にも役立つ不溶性食物繊維を摂るのに最適な食品です。アーティチョークは消化器系にとって、とても有益な食材なのです。
1カップ相当の量で繊維質約8 g前後、たんぱく質約5 g前後といったところでしょうか。他の野菜やチキン、パスタなどと合わせて調理しても良いですし、それ単体でも簡単なサイドメニューになりますので…。
【10】チアシード
日本ではまだまだ馴染みの薄いチアシードではありますが、一方で最近では、スーパーフードとして大注目されている食品になります。まだ、ご存知ない方に説明しますと、チアシードとはメキシコなどの中南米で栽培されているシソ科サルビア属ミントの一種の「チア(chia)」という「植物の種(seed)」のこと。
この種子は1oz(約28.3g)に、約10g前後もの食物繊維と約5g前後ものたんぱく質を含み。またチアシードは非常に吸水性が高い種子です。
米国ヒューストンのテキサス小児病院の上級小児科栄養士であり、ベイラー医科大学の臨床講師でもある管理栄養士のクリスティ・キング先生は、「夜仕込んだオートミールやスムージー、サラダ、ヨーグルトなどにかけて食べたり、ハンバーガーやミートボールに増粘剤として加える」ことをおすすめしています。
「チアシードは食物繊維がたくさん含んでいるだけでなく、体内の炎症を抑えるオメガ3脂肪酸も豊富です」。
さらに、ハリウッド女優ドリュー・バリモアや俳優チャニング・テイタムといったセレブたちと一緒に仕事をしてきた著名な栄養士キンバリー・スナイダー先生は、「大量のチアシードをスムージーに混ぜて飲む、それが正解です! チアシードは、まず水と混ぜてジェル状にしておかないとそれほどの効果は期待できないでしょう。そうしないと、腸から水分を吸収して消化の妨げになるうえ、便秘の原因にもなり兼ねないのです」と、説明しています。
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Source / Men's Health
Translation / Kazuki Kimura
※この翻訳は抄訳です。