世界で初めてノーベル賞を2度受賞し、放射能研究のパイオニアとして、現在のがん治療につながる研究を行った人物です。

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100 Women Who Changed the World

 イギリスの歴史専門誌『BBCヒストリー』が、10人の専門家によって厳選された「世界を変えた女性100人」をこのたびリストアップ。

 それを公式ウェブサイトやSNSで公開し、そのなかから「世界に最も影響を与えた女性」に投票するよう読者に呼び掛けたところ、世界で初めてノーベル賞を2度受賞したキュリー夫人ことマリー・キュリーがランキングの1位に輝いたのでした。
    

これはxの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。

  
 ポーランド出身のキュリー夫人は、1903年にノーベル物理学賞後、1911年にはノーベル化学賞を受賞。放射能研究のパイオニアであり、20世紀前半に現在のがん治療につながる研究を行って、X線装置で負傷した兵士を診断しました。
 

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 これに次いで2位にランクインしたのは、アメリカの「公民権運動の母」と呼ばれたローザ・パークスで、そのあとに女性参政権活動家(サフラジェット)のエメリン・パンクハースト、エイダ・ラブレス、ロザリンド・フランクリンと続きます…。

 イギリスの数学者であるエイダ・ラブレスは、世界で最初にコンピューターの潜在的な可能性を予見し、プログラマーとしても世界初の存在であった事で知られています。ロザリンド・フランクリンは、イギリス出身の物理学者・結晶学者で、DNAの二重らせん構造モデルの解明に貢献。
    

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写真左はローザ・パークス、右はロザリンド・フランクリン。Photograph / Getty Images
  

  
 イギリス科学史学会(British Society for the History of Science)のパトリシア・ファラ会長は、このニュースを受けてコメントしています。

「キュリー夫人は女性として初めてノーベル物理学賞を受賞し、パリ大学初の女性教授職に就任したほか、世界で初めてノーベル賞を2度も受賞した人物(女性ではなく人物と書いたのがポイント)です」「彼女はいつでも不利な状況にいました。祖国ポーランドでは帝政ロシアの支配下にあり、フランスでは外国人として厳しい目を向けられ、そしてもちろん、どこに行くにも『女性だから』と軽視されたのです」と…。

 
 同誌のシャーロット・ホッジマン副編集長も、「今回の投票では、偉業を成し遂げた歴史上の女性たちにスポットライトを当てました。そのほとんどの才能と功績は当時、現在ほど高く評価されていませんでした」と語っています。数年前に“リケジョ(理系女子)”という言葉が流行しましたが、歴史を振り返ると数学や化学、物理学の世界で活躍していた女性たちは少なくありません。彼女たちが現代に残してくれた知恵や技術に、改めて感謝しましょう。

From Harper’s BAZAAR UK
Photograph / Getty Images, Courtesy of BBC History Magazine
Translation / Reiko Kuwabara