NHK連続テレビ小説「おちょやん」に出演、ディズニー映画『ラーヤと龍の王国』で主人公の声優に初挑戦、そして2021年4月1日(木)からスタートの連続ドラマ『カラフラブル ~ジェンダーレス男子に愛されています。~』で主演を務めるなど、2021年3月までだけでも数多くの作品に出演しており、飛ぶ鳥を落とす勢いで人気急上昇中の俳優・吉川 愛さん。

 子役時代から彼女の活躍を観てきた方は、急激な成長ぶりと大人の色気を感じさせる表情の変化に驚いたということも少なくないはずです。

 新ドラマ『カラフラブル…』の撮影、雑誌やテレビの取材など多忙なスケジュールをこなしながら、彼女がこのコロナ禍にどう自分自身をコントロールしているのか? そして、新ドラマの役について思うことなど、訊いてみました。

吉川愛 撮りおろし写真&インタビュー「女子らしく、じゃなくて自分らしくで良いって気づけた」
Cedric Diradourian
シルクガウン 4万6200円、シルクパンツ2万8490円、タンクトップ1万780円(すべて Foo Tokyo/support@brand-foo.com

 撮影当日、静かにスタジオに入ってきた吉川さん。ヘアメイクの担当の方とは気心が知れた仲の様子で、リラックスしながら会話する姿からは、同じクラスにいるマドンナ的存在の女の子といった感じ。それでも頑張れば、話しかけられるほどの距離にいて、話してみたら思いのほか普通に話してくれる…壁のない雰囲気に包まれた可愛い子なのです。

 ですが、ひとたび撮影が始まると、その雰囲気は壁を突き抜けて柔軟に。そして、妖艶にポーズをとり続けます。ドレスを着ての撮影では、まるでダンスをしているようにも見えました。その表情も、物憂げなものから強い意志の感じられる真剣なもの、恥じらいのあるものから物欲しげなものまで…まさに百花繚乱と言っていいでしょう。

 コロナ禍で制限がかかる困難な環境下でも、新しいことに挑戦し続けている彼女の強さと、数多くの作品を演じることで多くのことを吸収し続けているモチベーションおよび意識の高さを、ここで垣間見ることができたのです。

 そんな彼女の原動力となるものは何でしょう? そして、そのオン・オフをつけるためにどう自分を癒し、備えているのでしょうか? その答えは、とてもシンプルでした。

吉川愛 撮りおろし写真&インタビュー「女子らしく、じゃなくて自分らしくで良いって気づけた」
Cedric Diradourian

編集部:パンデミックによって新しい生活様式が浸透していく中で、精神的にも肉体的にも自分自身をコントロールすることが必要になったかと思いますが、このコロナ禍で、自分自身を保つために行ったことはありますか?

吉川 愛さん(以下、吉川):性格として、やるべきことを後回しにすると、どんどん怠けちゃうタイプなんです。それに、時間が経つほど決断力も鈍っていく自分も知っているので…。なので、まずは自分の部屋を綺麗にすることに努めました。疲れていたりすると、なにか置きっぱなしのものとか「まあ、このままでいっか」ってなりがちですよね? それを意識的に片づけたりとか…。シンプルなんですけど、綺麗な部屋で快適に過ごすことの大切さを改めて感じるようになりました。

でもそこには、愛犬のセナくんの存在が大きかったんです。ペットを飼っているので、これまでも綺麗にするようにはしていましたが、部屋の空気を良くするためにもより意識的に行動できるようになれました。その快適な空間で、セナくんと一緒にアニメに浸るのが私の癒しです。

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編集部:愛犬セナくんの話は、動画の撮影でもしてくださいましたね。どんな性格の子なんですか?

吉川:すごく甘えん坊で、家の中ではずっと私にくっついてくるんです。私が出掛けてるとドアの前で待ってたりしてるので、独りにするのがちょっと心苦しいです…。

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編集部:吉川さんの原動力となるようなものは、なんですか?

吉川:生活のルーティーンなんですけど、湯船に浸(つ)かることをすごく大事にしています。仕事とかプライベートの悩みを全部忘れて、湯船に浸かってぼーっとする。これが自分にとっては1番大事なルーティーンで、1日を締めくくるというか、リセットするための時間として欠かせません。忙しい日はシャワーだけで済ませることもありますが、やっぱり「湯船に入りたい」ってどこかモヤモヤを抱えたままで、1日が綺麗に終わった気がしないんです。なので、10分でもいいから湯船に浸かるようにしています。

そこに、大好きなネロリの香りの入浴剤を入れるんです。この香りがいま1番のお気に入りで、この入浴剤は絶対に欠かせませんね。これが加わることで、極上の癒しになるんです! 自分の家のお風呂は何をしても問題ありませんし(笑)、安心しますし、自分の好きな香りを充満させてリセットする…。この時間は代えがたいですね。

吉川愛 撮りおろし写真&インタビュー「女子らしく、じゃなくて自分らしくで良いって気づけた」
Cedric Diradourian
吉川愛 撮りおろし写真&インタビュー「女子らしく、じゃなくて自分らしくで良いって気づけた」
Cedric Diradourian

 吉川さん出演の新ドラマ、『カラフラブル ~ジェンダーレス男子に愛されています。~』の原作は、漫画雑誌『FEEL YOUNG』(祥伝社)に連載中のためこう氏のコミック『ジェンダーレス男⼦に愛されています。』。監督は『人狼ゲーム』の熊坂 出氏、脚本はドラマ『コウノドリ』や『おじさんはカワイイものがお好き。』の坪田 文氏が手掛けており、新時代のカップルや個性を⾃由に輝かせるキャラクターたちが描かれています。

 吉川さん演じる主役・町田和子(まちだ わこ)は、美しいものが大好きだけれど仕事に夢中になるあまり、自分自身のお洒落は二の次になってしまうマンガ編集者。そんな彼女に長年想いを馳せているのが、メイクも完璧なファッションショップ店員の相⾺ 周(そうま めぐる)です。この周役を演じる板垣李光⼈(いたがき りひと)さんは、これまで「仮⾯ライダージオウ」や映画『約束のネバーランド』などに出演する注目の俳優です。

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吉川 愛から「エスクァイア日本版」読者へメッセージ| Esquire Japan
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編集部:このドラマの脚本を受け取ったとき、どう思われましたか?

吉川:ひと言で言うと、今の時代にふさわしい作品だと思いました。「ジェンダーレス男子」という言葉が普通に聞かれるようになったのは、最近のことだと思うんです。それでも、まだいまいち理解できていない方もいるはずで、そんな方たちに現代のジェンダーについて改めて考えていただけたらうれしいですね。

他にも、さまざまな個性的キャラクターが登場するので、幅広い考え方を知ることができて面白いんです。きっと一瞬で55分(ドラマ1本分)が終わってしまう、そんなドラマになると思います。

編集部:吉川さんと和子ちゃんに、共通点ってありますか?

吉川:私はアニメが大好きで、和子ちゃんは美しいものが好き。ちょっとヲタク気質なところ、好きなことになると一直線に夢中になるところが似ていると思います。私は暇さえあればアニメばかり観ていますので、アニメの話が出ると熱く語ってしまうんです(笑)。 

特に声優さんの声が全般的に好きなので、好きなマンガがアニメ化すると、声優さんの声が入ることで臨場感も増して、私自身その世界へさらに入り込めるので楽しくて仕方ありません。

でも和子ちゃんのように、「他のことに手がつけられないほど、夢中になることはあまりないかな」と思っています。例えば和子ちゃんは、いつもほぼ同じ服なんですね。インナーだけ変えるとか、トップスだけ変えるとか、あとバッグ1個、靴も1個しか持っていませんし…。そのぐらい、自分のことは二の次になってしまうキャラクターなんです。あと、私の想像なんですけど、きっと和子ちゃんはネイルなんてしなくて爪も短いだろうから、私自身爪を短く切ったりしました。そういう点は私とは違う部分ですが、そんな和子ちゃんも「可愛い!」「いいな!」って思いながら演じています。

吉川愛 撮りおろし写真&インタビュー「女子らしく、じゃなくて自分らしくで良いって気づけた」
Cedric Diradourian
シャツ 4万円、キャミワンピース4万8000円(VIVIANO/VIVIANO TEL 03-6325-6761)パールピアス1万6000円( lost in echo / VIVIANO TEL 03-6325-6761)

編集部:演技をする上で、役から影響を受けることはありますか?

吉川:考え方とかは影響を受けますね。「女子力ってなに?」っていう台詞があるんですけど、これにすごくドキッとさせられたんです。この台詞に心動かされたのは私だけじゃなくて、周くんを演じる板垣さんもそれに共感していて、「女子力ってなに?」って、実際に板垣さんも訊いてきたんです。これまで私自身、自分のことを「女子力低いな」って思っていて、周りの友だちとかに「女子力欲しくて…」って言っていたんです。「女子力上げるために頑張ろう」とか、「もっと意識しなきゃ!」とか思ってた自分がいたのですが…、そこで「女子力ってなに?」って訊かれたときに実際、自分では答えられなかったんです。

そうして、この台詞に向き合っていくうちに、「女子だからといって、『女子らしく』じゃなくていいんだ!」って思えるようになりました。むしろ、こういう考え方こそ偏見であって、自分の個性をつぶしてまで「女子らしく」という型に無理やりはめる必要はないことに気づけたんです。これからは自分らしい個性を磨くために、「自分は自分らしくでいいんだ!」って思えるようになりました。

吉川愛 撮りおろし写真&インタビュー「女子らしく、じゃなくて自分らしくで良いって気づけた」
Cedric Diradourian
サンダル 3万2000円(lost in echo/VIVIANO TEL 03-6325-6761)
吉川愛 撮りおろし写真&インタビュー「女子らしく、じゃなくて自分らしくで良いって気づけた」
Cedric Diradourian

編集部:これまで演技を続けていくうちに「これが自分の強みだ」と思ったものや、「克服された弱み」などはありましたか?

吉川:「私の強みってなんだろう? 」って、実はずっと考えているんですね。周りの方に訊くと、「こういうところあるんじゃない?」って言ってもらえるんですけど、どれもいまいち自信を持ってコレだと言えなくて…。自分のことを考え始めると、「私ってこういうところ変だな」とか、「こういうところ直したほうがいいかな」とか堂々巡りしてしまうので、考えることをやめてしまっていました。でも、自分の強みが何かをはっきりと言えるようになったら、もっと自分のことが好きになれるのかな…。

いまは自分の中の強み云々(うんぬん)ではなく、「私のことを好きと言ってくれるファンの方々がいる限り、頑張ろう!」と思っています。

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吉川 愛が「Dice Chat」に挑戦!撮りおろし写真&インタビューのメイキング動画とともにお届け| Esquire Japan
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Model / Ai Yoshikawa
Photograph / Cedric Diradourian
Video / Michiko Takio & Yusuke Arai
Video Edit / Marin Kanii
Stylist / Risa Ueda
Hair & Make-up / Tsukushi Tomita

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