長年にわたってランボルギーニは、魂込めた渾身のクルマつくり続けています。イタリアのサンタアガタ・ボロニェーゼにあるランボルギーニ(=正式名称ヌォーヴァ・アウトモービリ・アウトモービリ・フェルッチオ・ランボオルギーニSpA)本社の創設者である故フェルッチオ・ランボルギーニ氏のアイデアは、フェラーリに匹敵する(と言うより、「超える」のほうがふさわしいかもしれません)象徴的なスーパーカーをつくることでした。

 その歴史に、大きな爪痕を残す名車が2台あります。そのひとつが、1966年より販売開始となった「ミウラ」(~1977年まで販売)であり、いまだに究極の曲線美を誇るラグジュアリーなスポーツカーとして君臨しています。そしてもうひとつが、前出の「ミウラ」を凌駕する走りに長けた次世代ミッドシップ・スーパースポーツカーとして、差別化を図るために974年より市販車として販売開始となった「カウンタック」(~1990年までの販売)です。

 1999年以降はフォルクスワーゲングループに属し、2019年8月現時点での現行車両は、「アヴェンタドール (Aventador )」、「ウラカン(Huracàn)」と「ウルス(Urus )」の3モデルとなっています 。

 先に挙げた「アヴェンタドール」と「ウラカン」の2つは、スパイダー、クーペ、ロードスターのバージョンがありますが、これらのクルマが最大の強みを発揮するところが、その“シャープなカタチ”。そしてさらに、“パーソナライズ”ができるところにあるのです。

 一方「ウルス」では、サンタアガタ・ボロニェーゼの本社に脈々と継承されるDNAが、初めて“SUV”という新たなカタチで具現化させたモデルとして、世界的な衝撃を与えたは記憶に新しいところでしょう。

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Courtesy Lamborghini

 2019年4月9日から14日まで開催された「ミラノ デザイン ウィーク」で、ランボルギーニは「Living in the Fast Lane: the interactive Lamborghini Lab」と題して、デザインと技術、エンジニアリング開発との融合をテーマに初出展しました。この展示では、ジュネーブ・モーターショーでワールドプレミアされた「ウラカン EVO スパイダー」もイタリアにおいては初披露ということに。そんな好機を逃すわけにはいきません。「エスクァイア・イタリア」のスタッフもその会場へ向かいました。

これはyouTubeの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。
Lamborghini - Huracán EVO Spyder at Fuorisalone
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 会場は、ミラノのトルトーナ通り15にあるホテル「マグナ パルス スイーツ ミラノ(Magna Pars Suites Milano)」。そこには、初期の歴史的な名作から今日に至るまでのランボルギーニを表現、訪れる人は知らぬ間にランボルギーニの世界感に引き込まれていく構成に。

 目玉となった「ウラカン EVO スパイダー」の展示コーナーでは、LDVI(Lamborghini Dinamica Integrated Vehicle)システムをはじめ、8.4インチのタッチスクリーンで提供される新しいコネクティビティ機能を実際にチェックすることができました。また、「アド ペルソナム スタジオ(Ad Personam Studio)」と名づけられたカスタマイズエリアでは、「カーコンフィギュレーター」を使用して、あらゆるパーソナライゼーションを仮想体験できる仕立てに…これが実に圧巻でした。

 本題に入る前に、ここで「カーコンフィグレータ」というワードを解説しましょう。まず知るべきは「コンフィグレータ」の意味です。

 このワードは、コンピュータ用語で「構成する」「環境設定する」 という意味の「configure」に由来します。「特定の用途のために構成する」という 意味から転じて、「製品の見積のための選定を行うツール」をここでは「コンフィグレータ」と呼んでいるのです。

 いまや多くのクルマメーカーでも一般化し、最近の公式サイトには大抵クルマの車種や様々なオプションを選ぶページがあります。車種を決め、次にグレードを選んだら、ボディーの色や内装の色、ホイールなどを選びます。そしてさらにオプシ ョンの装備を追加していくと、金額が見積もられる…そんなツールを皆さんも一度は試したことがあるのではないでしょうか。それを 「カーコンフィグレータ」と言います。

 そうして「マグナ パルス スイーツ ミラノ」に設置されたアトリエにて、ランボルギーニが誇る「アドペルソナム」プログラムの責任者であるヴィットリオ・ギャバ氏にいくつか質問させていただきました…。

「アドペルソナム」とは

ギャバ氏:通常私たちは、オプション範囲の説明から始めます。標準装備から、「カーコンフィグレータ」に則して、顧客が自分のクルマのカスタマイズについてのアイデアはいかなるものかを確かめる出発点とも言えます。そして次に、工場でディーラーに会うことになります。ここで顧客は、専用スペースであるスタジオ「アドペルソナム」にて利用可能なすべての素材と色を一緒に確認します。

…そこには、ステアリングホイールとホイールの展示もあります。そうして私どものコンサルタントとともに、顧客さまの好みを話をしながら正解へと導いていきます。しかしながら、技術的にカスタマイズに制限のあるパーツもあります。例えばブレーキキャリパーの色がそれにあたり、かなり標準的なものになってしまいます。そういったすべての情報を顧客に共有しながら、一緒になった自分だけのランボルギーニを探していくのです。

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Courtesy Lamborghini


最も要望の多いカスタマイズは?

ギャバ氏:最もパーソナライズする傾向がある顧客はアメリカ人と日本人であり、アラブ人と英国人へと続きます。自分のクルマに使用したい色のサンプルを一緒に持ってくる顧客もいますが、いったん外装用の色を作成したら、それを範囲内で実装して内装用の色も再考することもあります。サンプルカラーは2万ユーロの費用がかかります。

…私たちが要求されたカスタマイズで範囲を広げるとき、我々は常に許可を顧客に求めます。もし顧客が自らのパーソナライズを、他と変わらないほど高次元で完成させたいのであれば、我々は顧客に約3万ユーロほどの現金対価を要求するでしょう。それは単色のクルマこそが、将来のクラシックの市場でもっと高い価値を生むからです。

…外側の色に加えて、私たちはインテリアをパーソナライズするためにカーボン素材を用意しています。これは標準的なものとは違い、全く新しいタイプの鍛造カーボンです。カスタマイズは車種にも関連しますが、高いクルマを購入する顧客の皆さんほど、パーソナライズする傾向が強いのは確かです。

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Courtesy Lamborghini

 

未来の材料はますます持続可能なものになりますか?

ギャバ氏:今のところ私たちはインテリアに、(約68%のポリエステルと約32%のポリウレタンからなる、耐久性とクリーニング性が高く外観と触感は天然スエードに近い)人工素材「アルカンターラ」を使用しています。そして、何人かの顧客のためにいま私たちは、新たなる革を研究開発しています。私たちは未来を見据えることを忘れず、特に革の可能性を探るため、実験室ではバクテリアや菌を利用した研究をしています。

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Lamborghini Ad Personam Studio
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要求は何でも受け入れるのか?

ギャバ氏:私たちは常々、客との妥協点を見つけようと顧客の皆さんへガイドラインを提示しながら満足してもらえるよう努めています。そこには常に、ランボルギーニブランドとしての一貫性を守る責務を私たちスタッフ全員が持っているからです。

…私たちにとっての顧客の皆さんの満足は、同時に私たちの会社の思いと一致することでもあるのです。これは非常に重要なことです。なので常に、相互の理解をともなった要求をいただき、それにお応えできるよう努めていますので…。いわば顧客の皆さんも、ランボルギーニブランドの貴重なスタッフの一人なのです。

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Courtesy Photo Marco Erba

From Esquire IT
Translation / Utah Zion 
※この翻訳は抄訳です。


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