アキュラ「NSX」とランボルギーニ「ディアブロ」と言えば、どちらも90年代を代表するミッドエンジンの名車です。どちらも「スーパーカー」と定義されるクルマではありますが、「それ以上の共通点などない」と言っても過言ではありません。

そのクルマと同じく90年代の象徴とも呼ぶべき存在なのが、元メジャーリーガーのホセ・カンセコです。オークランド・アスレチックスや、テキサス・レンジャーズ、ボストン・レッドソックスなど数々の球団に在籍し、1988年に二冠王とMVPに輝くなど1980年代中頃から1990年代後半にかけて活躍。スキャンダルの多さでも有名でした。

oakland athletics v chicago white sox
Focus On Sport//Getty Images
90年代の大リーグを代表する選手の一人、ホセ・カンセコの在りし日の姿。

そんな90年代を象徴する同士には、意外な接点がありました。

実はカンセコ、「ディアブロ」によく似せてつくられた「NSX」のキットカー(編集注:専用につくられた自動車部品を自宅のガレージなどで組むことができる自動車キットのこと)の所有者として知られていました。そしてそのクルマは、つい先日までオークションサイトに出展されていたのです。

 
EBAY MOTORS
 
EBAY MOTORS

「eBay Motors」の出品情報によれば、このキットカーを生み出したのは「Vaydor(ヴェイダー)」というメーカーです。あの「ディアブロ」の外観を忠実に再現し、より実用性と信頼性の高いクルマと組み合わせることで、市街地の交差点なども苦にしない小回りの利く1台に仕上げられていました。

外観については、よくあるポンティアック「フィエロ」やトヨタ「MR2」をベースにした「ディアブロ」のキットカーよりはるかに、「ディアブロGT」らしい仕上がりと言えるでしょう。

1993 lamborghini diablo
Heritage Images//Getty Images
コチラが正真正銘のランボルギーニ「ディアブロ」。1993年のモデルです。

最初の所有者であったカンセコはすでにこのキットカーを手放していて、それ以来すでに2度の転売がなされています。本物のランボルギーニでないことは確実なのですが、オークションサイトの説明には「ランボルギーニ・ディアブロ+アキュラNSXのスーパーカー(かつてホセ・カンセコが所有)」と悪びれもせずに記されていました。

さて、気になるオークションですが、2022年4月26日午前12時46分に(同年5月2日現在)入札は終了しています。即決価格は17万5 000ドル(約2270万円)が設定されていましたが、即決落札者は現れず…。そして最高入札額は、12万6100ドル(約1630万円)となりました。残念ながら現在は、それ以上の詳細情報は明らかになっていません。

Source / Road & Track
Translation / Kazuki Kimura
この翻訳は抄訳です。