北米市場も席巻するのか? フォルクスワーゲン「ID.BUZZ」について知っておくべきこと。
「ワーゲンバス」の愛称で親しまれてきた、フォルクスワーゲン(VW)の「トランスポーター」。愛好家の間では「タイプ2」、母国ドイツでは「ブリー(ブルドッグの意味)」などのニックネームでも呼ばれています。ヒッピー文化の象徴でもあり、愛嬌のあるルックスと実用性の高さから根強い人気を誇ってきた「ワーゲンバス」ですが、その愛すべきモデルのオマージュとして発表されたのが「ID.BUZZ」です。
VWのEVシリーズであることを示す「ID.」の名を冠し、VWのEVプラットフォーム「MEB(モジュラー・エレクトリック・ドライブマトリックス)」をベースにつくられたBEV(バッテリーEV)となります。BEVバンの「ID.BUZZ」と商用車仕様の「ID.BUZZカーゴ」の2種類がラインナップされています。
2022年5月から欧州の一部で発売が開始され、2022年生産分は予約完売という爆発的な人気を博しています。2022年末には東京・六本木の東京ミッドタウンで参考展示がされたものの、日本市場への正式導入をはじめ国内での動向については今だ明らかになっていません。アメリカ市場では2024年に3列シートのロングホイールベースモデルの「ID.BUZZ」の販売開始が予想され、「ID.BUZZカーゴ」については市場展開されないと見られています。
「ワーゲンバス」や「タイプ2」の愛称で親しまれるフォルクスワーゲン「トランスポーター」へのオマージュとしてデザインされた「ID.BUZZ」。現在の安全基準を満たすため、クラシカルな風合いは残しつつも、未来感のあるルックスに仕上がっています。
「ID.BUZZ」には、「タイプⅡ」の面影を感じ取ることができるでしょう。特にリアに向けた後方3分の1のデザインには、初代の名残りが感じられるかもしれません。
鼻先に輝くVWの大きなロゴが、60年代にルーツを持つ車であることを明確に物語ります。
3つの連なるサイドベントが目を引きますが、当然のことながらエンジン冷却用ではありません。これは、「ID.BUZZ」のルーツについて物語る、そんな懐かしさの演出でしょうか?
後方はトラディショナルなルックスです。そしてここにも、VWの重厚なロゴが光ります。
目を見張るほどの存在感を放つカーゴバンのバリエーション。こちらの「ID.BUZZカーゴ」は、ヨーロッパ圏での販売のみが確定していると見られています。
気になる「ID.BUZZカーゴ」の荷室容量は、3900リットルです。
EVとして誕生した「ID.BUZZ」ですが、他の競合EVとはやや異なり、パフォーマンスカーを目指すものではありません。電動モーターの出力は201馬力と控え目です。
DC急速充電ステーションならわずか30分ほどで、「残量5パーセントから80パーセントへの充電が可能」というのがVWの公表している特出すべき実力です。
「ID.BUZZ」の1-100km/h加速はわずか10秒強。ただし最高速度は時速90マイル(時速145キロ)ほどで、リミッターが発動する安全設計となっています。
「ID.BUZZ」に搭載された7KwHの高性能バッテリーの恩恵により、航続距離はWLTPサイクルで250~264マイル(402~424キロ)を誇ります。
シートとインテリア、それぞれのトリムを彩るツートーンのデザインが鮮やかです。ドアの輝きもまた目を惹きます。
「ID.BUZZ」にはフォルクスワーゲン自慢の新世代インフォテイメントシステム「Ready 2 Discover(レディートゥーディスカバー)」が導入された、10インチのタッチスクリーンが搭載されています(オプションで12インチも選択可能です)。
インフォテインメントは同じものが装備されていますが、「ID.BUZZカーゴ」のインテリアは商用車ということで実用性重視。カラフルさはありません。
フロントガラスの手前には、ドライバーとの直感的コミュニケーションを目的とした細長いライトストリップが配置されています。「ID.Light」と呼ばれる装備です。
2列シートの5名乗り仕様の「ID.BUZZ」であれば、2列目シートを折りたたむことで荷室容量が最大2205リットルにまで拡大します。
Source / Road & TrackTranslation / Kazuki Kimura※この翻訳は抄訳です
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