フォルクスワーゲンのEV(電気自動車)と言えば、「ID」シリーズです。主流と呼ぶにふさわしいボディスタイルを持ったコンパクトSUVの「ID.4」を皮切りに、レトロファンキーなミニバン「ID.バズ(ID.Buzz)」ではワイルドな魅力も見せつけました。

そして今度は、再び親しみやすいシルエットの新型ミッドサイズセダン「ID.エアロ(ID.Aero)」が、ヨーロッパ、中国、北米の各市場で展開される予定です。ここで紹介するのはコンセプトカーとして公表されたものですが、同じプラットフォームを採用した市販モデルも近々投下される予定とのこと。

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VOLKSWAGEN

「ID.エアロ」の名称ですが、これは空力特性を強調したネーミングです。事実、フォルクスワーゲンはこのセダンの空気抵抗係数は「0.23」であると主張しています。メルセデス・ベンツ「EQS」の0.20にはわずかに及ばないものの、極めて滑らかな設計であることに違いはありません。

車高の高さにも関わらず、航続距離275マイル(約443キロ)というEPA評価(編集注:EPA=U.S. Environmental Protection Agency:アメリカ合衆国環境保護庁)を獲得した「ID.4」よりも、距離を伸ばすことになるのは確実と見られており、300マイル(約483キロ)は超えていくものと思われます。

77.0kWh(キロワット時)のバッテリーパックを積む「ID.エアロ」であれば、WLTPサイクル(編集注:WLTP=Worldwide harmonized Light duty driving Test Procedure:乗用車等の国際調和排出ガス・燃費試験法)なら航続距離は385マイル(約620キロ)に達するとフォルクスワーゲンは主張しています。

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全長約190インチ(約483センチメートル)ということで、現行のミドルサイズセダンである「パサート」とほぼ同様のサイズとなります。ヘッドライトやテールランプ、フールラインのクロームメッキ、ブラックルーフ、タッチセンサー式ドアハンドル、そして22インチの大径ホイールは、市販化の際には細部が変更されることになるでしょう。

いずれにせよ、このコンセプトモデルとは大きく変わることのない最終形態で仕上がることになると見られています。ちなみにインテリアの写真については、まだ公開されていません。

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前述のとおり、フォルクスワーゲンはこのセダンをEVのフラグシップモデルとして、ヨーロッパ、中国、北米の各市場で展開される予定です。アメリカでは確実に、テスラ「Model 3」、ヒュンダイ「アイオニック6」、ポールスター「ポールスター2」など先行するEVの強力なライバルとなるでしょう。ちなみに「ID.エアロ」の生産は、2023年に開始される予定です。

Source / CAR AND DRIVER
Translation / Kazuki Kimura
※この翻訳は抄訳です