吉田由美
Yumi Yoshida

向かった先は、旧車のイベントです!

 新型コロナウイルス感染の拡大に伴い、国内外のイベントが続々と中止になっています。自動車関連のイベントでその被害が真っ先に出たのは、中国で開催される北京モーターショーでした。その中止に続いて、同じく中国で開催されるF1も延期。日本でも札幌モーターショーや仙台モーターショーが中止に。そして、ジュネーブモーターショーまで中止…。その後もイベントの中止が相次いでいます。

 そんな決定が下る直前、日本国内では、神奈川県横浜市にあるパシフィコ横浜で「第2回ノスタルジック2デイズ2020」というイベントが開催されました。主催者や関係団体の集客努力が実り、近年の自動車関連イベントの入場者数は増加傾向にあります。皆さん、ご存知でしたか?

トヨタ「2000GT」
Yumi Yoshida
イベント当日に飾られていたトヨタ「2000GT」。
プリンス「グロリア」
Yumi Yoshida
こちらは、1964年の東京五輪で登場したプリンス「グロリア五輪公用車」。

 クルマの展示イベントは、大きく分けると3種類に分類できます。まずは新型車をいち早く見られる「モーターショー」。続いて「オートサロン」などのような、カスタムカーやチューニングカー、ドレスアップカーを中心とした展示イベント。そして3つ目が、「ヒストリックカー」のイベントです。つまり、旧車・クラシックカーのイベントです。今回、私がお邪魔した「第2回ノスタルジック2デイズ2020」は、旧車のイベントに当たります。

 旧車・クラシックカーの世界は、実に面白いのです。何しろ対象となるのは、これまでに発売された全ての自動車です。その中から毎年、展示する旧車を選ぶのですから、さすがに何かテーマがないとなかなか選びきれません。またショーに行くと、今人気の旧車がわかるというのも醍醐味となります。

通称「米国の25年ルール」、ご存知ですか?

 実は今、この旧車の世界が人気です。旧車人気沸騰の裏には、通称「アメリカの25年ルール」と呼ばれる規則の存在があります。これは、中古車を輸入する場合に適応される「クラシックカー登録制度」に基づくものです。それによりますと、「販売後25年以上経過しているクルマには排出ガス規制や安全基準、そして右ハンドル車の輸入規制がなくなり、アメリカ国内で販売できるようになる」という規則です。

 そのため、それまでさほど注目されていなかったクルマが、このタイミングで急に注目を集め、突然価格が高騰する可能性もあるのです。 例えば2019年にその規制が解除されたBNR32型・日産「スカイラインGT-R」は、中古車でありながら高価で取り引きされる車体もあるのだとか…。

 他にも2019年に規制が解除されたクルマの例としては6代目のトヨタ「セリカ」、6代目の日産「シルビア」、初代のホンダ「NSX タイプR」、マツダ「RX-7」などがあります。さらに2020年には、DC2型のホンダ「インテグラ タイプR」や、R33型の日産「スカイラインGT-R」、AE111型のトヨタ「カローラレビン/スプリンター トレノ」、三菱「ランサーエボリューション3」などが加わる見込みです。

あったー!! 『サーキットの狼』です!

 そして、私が今年このイベント会場で注目したのは、やっぱり漫画『サーキットの狼』世代なので(?)、ロータス「ヨーロッパSP・矢吹裕矢仕様」でした。実は私が会場にいたときに、この漫画の作者である池沢早人師(いけざわさとし)先生のトークショーがステージで行われていました。が、その後の予定があったので、残念ながら見ることができず…。今見ても赤いラインがとにかく懐かしい!

サーキットの狼のクルマ
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これが、ロータス「ヨーロッパSP・矢吹裕矢仕様」。今見ても素敵です!

 そして、今年は東京五輪が開催されるということで、このページの上の方ですでに写真をご紹介している、1964年の東京五輪で登場したプリンス「グロリア五輪公用車」も発見。水色のカラーに日の丸とオリンピックのステッカーが貼られています。

 今年、創立100周年を迎えるマツダブースも注目でした。自社でレストアしたという4台が展示され、そこには1938年から発売された3輪トラックGA型「グリーンパネル」の姿もありました。

 さらに、フロント中央にライトを1つ搭載したひとつ目の小さな水色のクルマが…。これは「フジキャビン」という名前だそうですが、インパクトが強すぎです!

 調べてみると、かつて存在した富士自動車(スバルではありません)が、1956年~1957年のわずか2年間に製造した三輪の超小型車です。2人乗り、125ccのガソリン車で、5.5馬力とのこと。全長は2950mm、全幅1270mm、全高1250mm、車両重量は130kg。わずか85台しか生産されなかったのだそうです。ちなみに軽量化に成功した秘密は、繊維強化プラスチック「FRP」が使用されていて、そのお陰で劣化が少ないそう。これ、乗ってみたい!

フジキャビン
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わずか85台しか生産されなかった、幻の「フジキャビン」。


「ロードスター」30周年記念モデルの…、サングラス!?

 こういったクルマ関連のイベントでは、グッズ売り場を覗くのも私の楽しみの1つ。この日私が注目したのは、ドライビングサングラスブランド、DEEC(ディーク)でした。

 実は私も、このブランドのサングラスを2つ使っていますが、ドライブのためのサングラスで、ガラス偏光レンズを使ったものです。5層の特殊構造からなるUVカットレンズで紫外線を99.9%カット。さらに眩しさを軽減する機能が加わっているそうです(よくモノを落とす私にとっては、レンズに傷がつきにくいのも嬉しいポイントです…)。

 そして肝心のフレームデザインは、日本人に似合うようにデザインされていて、さらにクルマのブレーキパットからシャフトまでをモチーフにしていると言います。素材は軽くて強度が高いチタンを使用。

 私はレンズも替えているので、夏場はもちろん、雪道ドライブ、そして推奨はされていませんが、夜やトンネルでもそのまま使用しています。そして今回は、新作2点とマツダ「ロードスター」30周年を記念してつくられたロードスタ―30thアニバーサリーモデル「M30」も展示されていました。

 目から入る紫外線カットにも役立つサングラスですが、個人的には「このブランドに花粉症用眼鏡もつくってもらえると嬉しい」、と思った次第でした。

サングラス
Yumi Yoshida

吉田由美さん
tatsu yuasa


カーライフ・エッセイスト
吉田由美

2月23日、岩手県生まれ。短大在学中に「ミス渋谷」、「ミス・チェッカーモータース」、「準ミス・エチュード」など、10個以上のミスコンタイトルを受賞。卒業後、本格的にモデル活動をはじめる。1998年より、モデル業とともに日産ドライビングパークで、セーフティ・ドライビング(安全運転講習)のインストラクターに。3年間務めた後、現在は「カーライフ・エッセイスト」として、著書、雑誌、ブログなどの執筆活動を行っている。