「スター・ウォーズ」シリーズのファンたちは、これらの作品のことを同世代の神話として捉えています。その神話は、何万年もの時間を跨(また)いで語られる、銀河全体の歴史や物語となっています。そしてオリジナル3部作の初期のころでさえ、ルーカス監督は初期の映画の中では1度も探られることのなかったアイデアを持っていました。それは…。 
 
 映像制作会社ルーカスフィルムでクリエイティブ・アート・マネージャーを務めるフィル・ショースタック氏が、2019年9月10日に『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』のコンセプトの一部をネットに公開していました。

 そのコンセプトの中には、同作品のいわゆる「フォース・ゴースト」の背後にあった、元々のアイデアについて書かれた大いに興味をそそる新たな見方を示したものが含まれています。そして、もしジョージ・ルーカス監督のコンセプトが、今日同シリーズ作品の製作に携わっている映画関係者に何らかの影響を及ぼしたとすれば(間違いなく実際に及ぼしてしますが)、これらの脚本のページには2019年12月20日に公開予定の次回作『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』の作中で描かれる壮大な戦闘の中で、フォース・ゴーストがどのように機能するかについてのエキサイティングなディテールがいくつか含まれている可能性があります。 
 
 「スター・ウォーズ」シリーズの脚本家ローレンス・カスダン氏とルーカス監督が書いた1981年2月付の『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』の草稿では、ルーク・スカイウォーカーと皇帝パルパティーン/ダース・シディアスとの最後の戦いの中で、「ヨーダとオビ=ワンの霊体が実際に(ルークを)支援することになっていた」とショースタック氏は指摘しています。

 実際に公開された作品では、このゴーストたちはエンディングのシーンに登場して私たちのヒーローに別れを告げるだけでしたが、それとは異なり、この草稿の中では、亡くなった二人のジェダイがルークをパルパティーンの閃光のショックから守ることになっています。 
 
 もちろんこのコンセプトは、1983年に映画が公開された際には変更されていました。例えば皇帝パルパティーンは、ルークの「冥界(死者の世界)の友人たち」に言及しています。「スター・ウォーズ」の中で、死後の世界がどうなっているかは私たちにはよく分かりません。ただ、同シリーズの歴史に登場する様々な物語の中で、私たちが「冥界」について耳にするのは間違いなく今回が初めとなるわけです。

これはxの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。

 
 

フィル・ショースタック氏のツイート内容: 
『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』について、ルーカス監督の1981年2月の段階における素案の中では、オビ=ワンとヨーダが「冥界」から帰還し、皇帝パルパティーンとの戦いでルーク・スカイウォーカーを助太刀することになっていました。ルークの父親であるアナキンを含むこのジェダイらは、のちに復活してイウォークのお祝いのシーンに登場していました。 

 またこの草稿には、同作品の別のエンディングを記したページも含まれています。

 エンドアあるいはイウォークについての最後のお祝い(のシーン)では、ジェダイの風変わりな老人たちが、大好きな同映画のエンディングに出てくる青っぽい幻影ではなく、実際に肉体を持った存在として復活することになっています。

 またオビ=ワンは、ルークに「私が冥界に居続ける必要はなくなった。あなたの父親は良い側に転向し、そして私は、彼の旅を邪魔することができたのだ」と語っています。つまりルーカス監督らが当初、ジェダイが死から完全に復活することができるように計画していたことは間違いありません。

preview for Esquire Screen Shots: Every Plot Hole in the Star Wars Saga

 これはすべて、長く続く「Skywalker saga(Saga=歴史的、伝説的出来事をまとめた物語⇒スカイウォーカー家の壮大なる物語)の完結編の中で、『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』のフォース・ゴーストがどのような可能性があるかを理解する上での鍵となるかもしれません。ちなみにこの新作に、ルーク・スカイウォーカー役のマーク・ハミルが出演することは確認されています。

 また、『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』と『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』でアナキン・スカイウォーカー役を演じたヘイデン・クリステンセンが何らかのカタチでここに復活し、ジェダイからシス、そして再びジェダイへと転向するアナキンを演じるという可能性も何年も前から噂になっています。

 もちろんオビ=ワン役を演じたユアン・マクレガーが、『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』のエンディングに登場したアレック・ギネス演じる老人オビ=ワンの外見に、ますます近づいてきているのは言うまでもありません。そして人気キャラクターのヨーダも、『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』で再び姿を見せるとの噂もしばらく前から流れています。 
 
 そうしたことによって、この新作映画の中でフォース・ゴーストが大きな可能性をもたらことを私たちに気づかせてくれるのです…。『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』の監督を務めるJ・J・エイブラムスが「やりかけの仕事を片づけること」、そして「スター・ウォーズ」のオリジナル3部作に敬意を表することに対して非常に気にかけていることを考え合わせれば、そうしたものをいくつか目にするのはほぼ間違いないでしょうから…。

 2017年の『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』でのルークの死には、とても多くの「スター・ウォーズ」ファンが怒っていました。ルークは結局のところ、『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』の終盤でカイロ・レンの裏をかいて、反乱軍を救うために自分のフォースのホログラムを送り出すことができていたのです。

 あの非常に強力なパワーを持つジェダイが、死後でも使えるトリックがいくつかあると想像するのは、さほど難しいことではありません。なぜなら、シリーズ第1作目の『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』のエンディングでは、オビ=ワンが「もしあなたが私を倒すなら、私は、あなたが想像するよりもはるかに強力になるだろう」と言っていたからです。 

 

 
 

From Esquire US 
Translation / Hayashi Sakawa 
※この翻訳は抄訳です。