ピクサー・アニメーション・スタジオがおくる、2007年に公開された映画『レミーのおいしいレストラン』(原題:Ratatouille)は、私たちに料理について多くのことを教えてくれました。主人公は、今は亡き天才シェフのグストーに憧れを持つ、ねずみのレミー。うだつの上がらない見習い料理人とレミーが出会い、レストラン「グストー」の評判がうなぎのぼりとなる物語です。
映画の中でも描写があるように、本来、ねずみが調理場にいるというのは前代未聞の状況です。しかし、ピクサーの魔法によって、ネズミがエプロンを着用して一流レストランで素晴らしい料理を提供するアニメーション映画に仕上がったのです。この映画のタイトルにもなった「Ratatouille(ラタトゥユ)」とは、南フランスでは一般的な家庭料理の1つである野菜煮込み料理で、映画の後、世界的に有名になりました。この映画を観たことがないという方でも、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
しかし、このピクサーの偉大な料理映画のメインディッシュを実際に食べたことがある方はそう多くはないかもしれません。なのでここで改めて、ベジタリアンにもおすすめできる絶品の「ラタトゥユ」レシピを研究する人々の情報を集め、精査してみました。
料理評論家のアントン・イーゴ氏のような、料理で特別な体験を得るべくこの料理を再現しようとしたYouTuberが何人かいます。中でも、調理方法が特にシンプルで調理法も盛りつけも劇中のものと似ているという理由から、インガ・ラム氏のレシピと調理法をここでご紹介いたします。
ラタトゥユのレシピ
材料A(ソース)
- 赤・黄・オレンジのピーマン 1つずつ
- 玉ねぎ 1つ
- ダイスカットのトマト缶(またはトマト) 1つ
- 赤ワイン 50ml
- お好みのハーブ(ローリエ、パセリ、タイム など)
- 塩
- ブラックペッパー
材料B
- ナス 1つ
- トマト大 1つ
- ズッキーニ(あれば黄と緑の2種)1つ
- オリーブオイル
- 塩
- ブラックペッパー
- (にんにく)
- (ローズマリー)
つくり方
- まず、赤、黄、オレンジのピーマンを半分に切り、芯と種を取り除いて、オーブンで焼きます。
- その間に、玉ねぎをみじん切りして、オリーブオイルで炒めます。
- オーブンから取り出したピーマンは、皮を剥いてからすべて混ぜ合わさるようにみじん切りします。
- 玉ねぎは、きつね色になるくらい焼いたところで、赤ワイン、ダイスカットしたトマト、ローリエ、パセリ、タイムなどのお好みの香り高いハーブを加えます。トマトが好きな方は、トマトペーストを加えてもいいでしょう。最後に、黒こしょうも加えます。
- 弱火ですべてを炒め合わせた後、塩を加えて味を調えます。
- そして、フードプロセッサーなどですべて均一にします。
- 「ラタトゥユ」には、ベースとなるナス、トマト、ズッキーニ(動画では2色のズッキーニを使用)の薄切りも必要です。家にスライサーがなければ、根気よくナイフを使って少しずつ、均一の厚さになるようにカットしましょう。
- 耐熱容器にフードプロセッサーにかけたソースをベースにのせ、その上にスライスしたナス、トマト、ズッキーニのスライスを交互にのせていきます。
- 形を整えた後、オリーブオイルをぬります。動画では、オリーブオイルに塩やブラックペッパー、にんにく、ローズマリーなどのお好みのハーブなどを混ぜ合わせたものを全体にぬっています。
- 耐熱容器のサイズにカットしたベーキングペーパーをのせ、表面に少し焦げ目がつくまで焼いたら、ラタトゥユの完成です。ここから、映画のような盛り付けを再現したい方は、次の項目も続けてみてください。
- 理想を言えば、お菓子づくりなどで使用する丸型の「セルクルリング 」を用意してください。そして、余白が楽しめるよう大きめのお皿を用意し、その中央にその「セルクルリング 」を配置します。まずはごそっと、スライスをすくって垂直に型を満たすように配置してください。次に「セルクルリング 」を外し、お目見えした垂直に立ったスライスの山の上に、今度はスライスの束を水平になるよう配置します。続いて、この山が崩れないことを祈りながら、仕上げに残りのソースをすくって、ラタトゥユの山の周りに円を描くようにソースの道をつくってください。これで完成度はより高まるでしょう。最後に再び理想を言えば、チャイブがほしいですね。でも、日本では難しいかもしれません。その場合は浅葱(あさつき)の先を1本、数センチ切って飾ってください。これで完璧です。
Source / ESQUIRE ES
※この翻訳は抄訳です。