「ローファー」はスマートなドレスアップからカジュアルなスタイルにも使える、面倒くさがりな人こそ選ぶべき靴、として以前紹介しました。ですが、2020年の春は、新型コロナウイルス感染症の影響により、その感染拡大を抑えるためにもお洒落をして出かける機会は自粛するべき…となります。
そこで少々心配なことは、この事態に終息が見えてきたころ、「あれ、お洒落ってどうするんだっけ?」、「前はどんな服を着ていたっけ…?」となってしまわないだろうかという点になります。
そのためにもお洒落に関しても、自宅でできる頭のエクササイズは必要ではないでしょうか? そんなわけで、トレンドに左右されることなく時代を超越し着こなせる理想的なアイテムのひとつとして、ローファーをご紹介しましょう。
オールラウンドな靴
ローファーは一年中履ける靴ですが、特に靴の選択に迷いがちな夏に最適となります。
とは言うものの、まず最初に、靴下なしのスタイルに関してはインソールが汗で汚れたり、においの原因にもなるのであまりおすすめしません。ですが、現在では男性の間でも一般的になったフットカバー(靴からのぞかない浅履きの靴下)タイプの短ソックスなどを履いてチノパンやショートパンツを合わせれば、涼しげかつクラシックなスタイルに映えることでしょう。
では、主役のローファーの話に入るとしましょう。
そもそもこの名称は、「散歩する」という意味の英語「loaf」という単語から派生したものです。 まさにその名の通り、ちょっとしたお出かけの際に気軽に履ける靴なのです。
「完璧なローファー、それ1つあれば十分だ!」と、断言したい気持ちはやまやまですが、その他の靴に多様な種類があるのと同様に、このローファーにもさまざまなモデルがあるのです。例えばクラシックな「ペニーローファー」から、やや難易度の高い「ホースビット」まで…自らの個性にふさわしいローファーを選択できるバリエーションがあります。そこでそれぞれのモデルの魅力とともに、厳選アイテムを順にご案内します。
控えめな「ペニーローファー」
「ペニーローファー」は、最もシンプルなモデルの1つです。
その特徴は、甲部分にノッチ(perfumeでもお笑い芸人でもありません。ここではくぼみのことを指します)が入ったサドルストラップがあることになります。そのノッチは、「ペニーローファー」がその名前を得た由来となります。
諸説ありますが、1930年代ころは2セントで電話をかけることができたため、1足ずつそのノッチにコインを差し込んでおくことで、緊急時に連絡できるよう備えていたことが由来だとも言われています。
現在でも「ペニーローファー」は、一年を通してストリートでも見られます。基本的には丈夫なレザーや厚いスエード素材などが一般ですが、近年では夏向けの薄いレザーなどのモデルも登場しています。
暖かい季節であれば、茶色やクリームホワイトなどのスエードバージョンのほうが着こなしの色彩に映えることでしょう。もし何の装飾も施されていない、「よりシンプルなデザインが好みだ」という方にはスリッポンをおすすめしますが…。
デザイン性重視の「ホースビットローファー」
もう少しデザイン性のあるローファーが欲しいという方には、タッセルや金属装飾付きの「ホースビットローファー」が良いでしょう。甲部分についたタッセルが、よりプレッピーな印象を与えてくれ、よりファッショナブルな印象に仕上げてくれるはずです。
このモデルは、1953年にイタリアのブランド「GUCCI」により誕生しました。「グッチ」の創設者であるグッチオ・グッチの長男であるアルド・グッチ氏は、馬術スポーツに深い関心があり、馬のハミ(轡〈くつわ〉)のカタチをした金属の装飾を施したローファーをデザインしました。それがいわゆる「ビットローファー」もしくは「ビット」と呼ばれるようになった、「GUCCI」の代名詞的存在となっているアイテムです。
どうやってコーディネートするの?
前述したようにローファーの合わせるべきボトムスは、チノパンやショートパンツが良いでしょう。さらに加えると、色のコントラストが肝心となります。明るいパンツにはダークブルー、ダークブラウン、または黒いローファーを合わせます。逆に暗いパンツには、クリーム色やホワイトのローファーを合わせ、コントラストを楽しんでください。スーツにローファーを合わせる場合には、滑らかな茶色の靴がおすすめとなります。
Source / ESQUIRE NL
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