俳優クリス・パインは、アメリカの魅力を体現したような人物です。
映画の中でホットドッグに食らいつくトム・ハンクスの姿と同じくらい、クリス・パインは良きアメリカの空気感を具現化したような人物なのです。だからと言って、彼がルールに固執しているというわけではありません。実際はその正反対で、現在38歳のパインはルールを破ることに対し、常に積極的なのです。
ここで私たちが「ルール」と言っているのは、スーツの仕立てに関するルールのことになります。パインは最新作となる犯罪TVドラマシリーズ「I Am The Nigh」の先行上映が行われた夜、頭の固い人たちが押しつけるルールをひっくり返し、最先端とも表現できる素敵なスタイリングで臨んでいました。
まず、パインはネクタイを締めていませんでした。いわゆる「エアタイ」スタイルです。
レッドカーペットといえば通常コンサバティブなもの、あるいはそうでなくてもフォーマルな格好で決める人が大勢います。しかしこの日のパインは、ネックウエアを完全にパスした良い身なりのサッカーチームだとしたら、そのチームのポイントゲッターとしてワントップを担えるほどの選手と言えるでしょう。また、テイラードスタイルを仕上げるための鉄板とは決して言えない、ピカピカのチェルシーのブーツを選ぶことで、クラシックかつ艶やかななスリーピースにエッジを効かせることも成功しているのです。
そしてショックなことに、ルールはそれだけにとどまりません。
よ~くご覧ください、パインは3種類の柄物を組み合わせ、破壊的とも言える効果を生み出しているではないですか…。チェックのウエストコートにウインドウペーンのパンツ、それにブラック・チャコールのブレザーという組み合わせです。皆さんは、「スーツスタイルは上下揃いのものでなくては…」という常識に捉われているでしょうが、パインは違うのです。
「別々のオーダーメイドのアイテムを合わせるのが、ますます流行りの着こなしになっています」と、パインは話します。
こういう着こなしで決めるには、スキルが必要です。
表面では、パインはパーティー会場の隅で皆さんの友人たちを盗み取ろうとしている、どこにでもいそうなリラックスした男性のように見えます。しかし、このスタイルは全く努力なしでできるものではありません。
皆さんもパインの真似をすれば、彼のようになることが可能かもしれません。
From Esquire UK
Translation / Hayashi Sakawa
※この翻訳は抄訳です。