ジェームズ・ボンドにある種のカルト的な個性があるというのは、周知の事実でしょう。確かに彼は架空の人物です。時に冷酷な国家暴力の代表エージェントとして、女王と国の許可のもと、当局の目が届かない場所で銃声を響かせています。
しかし、この汚い仕事をこなす姿はとても魅力的に映ります。そして、誰もが同意すると思いますが、最高にスタイリッシュです。タキシードからタクティカルヴェストまで、ボンドに着こなせない服はありません。そして、ダニエル・クレイグが演じる最新作『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』では、シリーズ史上最も親しみやすいスパイ・スタイルを目にすることができそうです。
最新作の撮影現場で撮られた写真で、クレイグが「Massimo Alba(マッシモ・アルバ)」の濃いコーデュロイのスーツに、「Drake’s(ドレイクス)」の上質なチョコレート色のチャッカブーツを履いているのが確認されました。今までの「007」シリーズにはなかった新しい雰囲気で、スパイのライセンスを持っていない方でも容易に真似できそうです。
いかがですか? スーツも靴も、着こなしを真似ることは可能ではないですか? では続いて、このコロナ禍のカジュアルスタイルやこれから本格的に到来する夏のベタベタした気候でも合わせられることができそうな、チャッカブーツのほうを詳しく見ていきましょう。
これはひと言で言えば、「ショートパンツから(着る機会があれば)フォーマルスタイルまで合わせられる優れもの」なのです。
夏にピッタリ
ハイカットのスニーカーが、ショートパンツによく合うことに既に気づいている方も少なくないでしょう。スニーカーに、自分の名前がつくような有名バスケットボール選手になれた気分も味わえますね…。これと同様に、チャッカブーツにもその効果があります。
「ブーツ」と言われると、夏には履きたい気持ちなどなくなることはよくわかります。ですが、チャッカは他のブーツとは違って比較的カットが低く、スエードの素材なので夏でも快適に履くことができるのです。
チノショーツパンツに、軽めの白いボタンダウンシャツに合わせてみてください。冒険したいなら、シアサッカーを合わせてもいいでしょう。夜のお出かけには、夏にも履ける薄手のジーンズを履いてみるのおすすめ、ぜひお試しください。きっとびっくりして、鏡を二度見すること間違いなしですよ。
最高基準でつくられている
前述した素材のスエードですが、とても柔らかいものが使われています。
革に使うには違和感のある表現ですが、思わず「バターみたい」と言いたくなるような質感です。その触り心地と、弾力のあるクレープソールに足を乗せて快適に歩き回ることを想像してみてください。
このモデル「Crosby」はイタリアで製造され、靴には評判のあるこの国の高い基準にそった素材と製造手法が使われています。
一年中履ける
夏に履けることはわかってもらえたかと思いますが、他の“投資”アイテム同様、このブーツは汎用性も高くなっています。
フランネルパンツや厚手のデニムに合わせれば、寒くなっても履くことができます。また、場面も選びません。モカシンのようなつま先のステッチと重めのソールのおかげで、デニムと合わせればガッシリした印象を与えてもくれます。スーツに合わせれば、一転して洗練された印象に…。
おしゃれな服にも合わせられる目立ちすぎないアイテムなのですが、そこには、スタイル全体を打ち負かすような気高くも寡黙なパワーも擁しているのです。つまり、あなたのクローゼットに収納されている全ての服に合わせることも可能ですし、合わせたくてしょうがなくなるアイテムなのです。
Source / ESQUIRE US
Translation / Yuka Ogasawara
※この翻訳は抄訳です。