奥深いウイスキーの世界。じっくりと時間をかけてつくられるウイスキーは、飲む人にもその重厚感を与え、特別な時間をつくり上げます。

 長い歴史の中で、そのつくり方やスタイルに大きな変化はありません。が、消費に関する好不況の波も、幾度となく経験してきました。しかし、2000年代に入ってからはその需要は安定しながら上昇傾向にあります。平成30年の国税庁の調査によれば、近年日本では酒類販売(消費)量は減少しつつあるにも関わらず、種類別にみるとウイスキーとリキュールの数値は伸びています。

 特に、ジャパニーズウイスキーは世界からも高い注目を浴びており、希少性・価格ともに上がっています。そんなウイスキーについて、あまり知られていない9つの真実についてお話しましょう。

1.技術工程的に、ウイスキーが腐ることはありません

 ボトルが未開封で暗い場所に保管されているという限定ですが、「ウイスキーが腐ることはない」と言っていいでしょう。ボトルを開けてしまってから保存する場合は、しっかりと適切な方法で閉じるようにしてください。そうすれば、開栓後でもウイスキーをできるだけ長く保管することができるでしょう。

 また日に当たると、味が少しかび臭くなってしまう場合があります。なので、できるだけ暗い場所に置くようにしましょう。

2.天候がウイスキーに影響を与える

 例えばカナダ産のウイスキーは、極北の気候の影響を大きく受けています。暖かい季節から寒い季節への移り変わるときに樽は夏に膨張し、冬に再び収縮するわけです。その結果として、樽に空気が出入りするようになるわけです…。その結果として、中には青りんごを思わせるような、ふんわりとしたフルーティな味わいが加わったものも存在します。

three friends wine tasting at a local vineyard
Cavan Images//Getty Images

3.ウイスキーはあらゆる穀物からつくることができる

 一般的にウイスキーは、大麦・ライ麦・トウモロコシを原料につくられます。ですが、実際にはその他の穀物でもつくることは可能です。ウイスキーの世界は保守的な業界でもありますが、ソバ・スペルト小麦・そしてキヌアを原料としたウイスキーづくりに挑戦した蒸留所も存在しています。

4.穀物と同じく水もウイスキーの味を左右する

 風味に関しては、蒸留器の水源が不可欠です。例えば「ジャックダニエル」は、鍾乳洞から湧き出る天然温水の水を使用しています。天然水は鉄分をほとんど含まないため、ウイスキーづくりには最適なのだそう。

 逆に鉄分を多く含んだ水を使用すると、黒く苦い味になる傾向にあります。ミネラルが豊富で、鉄分を含まない冷水が理想とされています。

ウイスキー
Getty Images

5.現在、世界中で数百万本のウイスキー樽が熟成されている

 上質なウイスキーほど何年もの間樽に保管され、熟成を待つ必要があります。そのため瓶詰めされるのを、ひっそりと待ち続ける樽が数百万と存在しているのです。例えば「ジャックダニエル」では230万、「ジェムソン」ではおおよそ130万の樽が保管されているとのこと。

6.ウイスキーの色は樽が影響している

 樽でつくられたウイスキーだけが、あの特徴的な琥珀色になります。濃い色のウイスキーは、オーク材の樽が影響しています。「ウイスキーは樽からその味の60パーセントを得て、その色の100パーセントを得る」とも言われているそうです。

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7.ウイスキーは必ずしも新しい樽に入れる必要はない

 「ジャックダニエル」は、あの芳醇なテネシーウイスキーを生産するため、すべて北米東部の森林で育ったホワイトオークを材料に、自社で製造した新樽を使用しています。

 ですが一方で、アイリッシュウイスキーの「ジェムソン」は、毎年13万近くのシェリー樽とアメリカのバーボン樽を輸入しています。つまり、いったんシェリー酒を熟成した樽と、バーボンを熟成した樽を使用しているのです。 

8.醸造と蒸留の博士号を取得することができる

 スコットランドのエジンバラにあるヘリオット・ワット大学では、醸造および蒸留の博士号を取得することができます。世界中で、博士号を保持する蒸留者(もしくはマスターウイスキーブレンダー)はごくわずかです。

whisky being poured in a tumbler, close up
Westend61//Getty Images

9.ウイスキーに氷を入れて飲むのは大丈夫

 これには、賛否両論あるかもしれません。ですが、ほとんどの蒸留者は「各々の好きな方法でウイスキーを飲むべきだ」と考えています。「スコッチ・ウイスキー」のような特徴的なものは、水を数滴加えて香りを楽しみながら飲むのがおすすめです。

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Source / ESQUIRE ES