炭水化物を摂取することが多い人はニキビができやすい可能性

 きれいな肌を手に入れたいなら、その鍵は食事にあります。

 米国栄養士会誌『Journal of the Academy of Nutrition and Dietetics』に掲載されたある研究によれば、「血糖値を急上昇させる炭水化物を摂取することが多い人は、ニキビができやすい可能性がある」と説明されています。 

実験方法の解説

 この研究では、肌がきれいな32人、中程度から重度のニキビのある32人を対象に、5日間にわたって食事記録を取り、血液検査を実施。

 その結果、参加者の61%で食事の内容と肌の状態に関連性が見られたといいます。なかでも、ニキビに悩まされている人々にもっとも関連性が高いと考えられた食べ物は、「ピザとフライドポテト、チョコレート」であったそうです。 

ニキビが多い人の食生活の特徴

 これは、脂っこい食べ物がニキビの原因になるとする“昔からの信仰”に合致するものです。

 しかし、研究者が血液検査の結果わかったのは、ニキビは脂よりも炭水化物との相関がより強いということです。この研究によれば、ニキビに悩む人々は、そうでない人に比べて、下記の三つ食生活の特徴が見られたと言います。

  1. より多くのカロリーを炭水化物から摂っていたこと。
  2. 全体として炭水化物の摂取量が多かったこと。
  3. より多くのエンプティ炭水化物(栄養素をほとんど含まない炭水化物)を摂っていたこと。 

…などがわかっています。

GL値(グリセミック負荷)とは?

 また、ニキビが多い人は、血糖負荷の高い食べ物をより多く食べる傾向にあったそうです。

 血糖負荷とは、GL値グリセミックロード(グリセミック負荷)のことです。GL値は、食品に含まれる糖質の重量に、GI値(食後血糖値の上昇を示す指標)をかけて100で割ったものです。

・GL値=各食品が含有する炭水化物の量(g) × GI値 ÷ 100

 通常より多くの食物繊維を含む複合炭水化物は、血糖値を急上昇させやすい単純炭水化物や精製炭水化物に比べて、血糖負荷は低い傾向にあります。
 

 では、血糖負荷の高い食べ物はどのように肌に悪影響を与えるのでしょうか。

 研究チームによれば、こういった食べ物はインスリンの過剰分泌の原因となり、これによってインスリン様成長因子(IGF-1)と呼ばれるホルモンの濃度が高まるそうです。 

 「IGF-1が過剰になると雄性ホルモンの分泌が促進され、この雄性ホルモンが皮脂分泌を増加させ、ニキビの原因になり得る」というわけです。

注意点

 この研究では、血糖値を急上昇させる食べ物がニキビの絶対的な原因になっているかは現時点では証明できていません。しかし、きれいな肌を手に入れたいのなら、精製炭水化物の摂取量を減らすのは良いことでしょう。

Source / Men's Health
Translation / Wataru Nakamura
※この翻訳は抄訳です。