《概要》

  • 小腹や空腹を埋める目的であったとしても、ポテトチップスなど、でんぷん質を多量に含むスナック類をは避けておくべきかもしれません。特に食後に食べるのは禁物です。
  • でんぷん質を多く含むスナック類を食べることで、心臓病のリスクが高まることが研究で報告されています。
  • 間食として優れているのは柑橘類、ベリー類、パプリカ、ナッツ類、豆腐など、炎症作用を抑えるとされる食べ物です。ただし、でんぷん質の食品であっても、ほどほどを心がければ問題ないとされています。

次のトレーニングやランニングに出掛ける際には、エネルギー補給の目的であったとしても、ポテトチップスなどでんぷん質のスナック類は避けておくのが賢明でしょう。特に、食事の直後のポテトチップスは要注意と言えます。

「アメリカ心臓協会(American Heart Association)」が発行する心臓の専門誌『アメリカ心臓協会ジャーナル(Journal of the American Heart Association)』に掲載された研究報告によれば、この種のスナック類は、特に食後に食べることで心血管疾患のリスクを高めることが報告されています。

どんな栄養調査方法? 結果

上の研究は、2003年~2014年にかけてアメリカ国内で大規模な栄養調査として実施され、2万1000人あまりの参加者を対象に分析がなされました。そこでは、食事の際にどのような食品を摂取しているのか? また、どのような間食がどのようなタイミングで食べられているのか、と人々の食生活を徹底的に調査したのです。

そこで穀類や果物、乳製品を主原料としたオヤツではなく、でんぷん質を多く含むスナック類を好む人々の多くに「心血管疾患による死亡リスクの増加」が明らかになったばかりでなく、「その増加率の数値は最大57パーセントに及ぶ」という調査結果が示されました。

また、果物や野菜を中心に間食を摂るという人々に関しては、「心臓のみならず癌(がん)のリスクも低く抑えられている」ということも数値で明らかになっています。さらに、間食のタイミングについても注目すべき点であることが指摘されました。

それは、食後すぐにでんぷん質を多く含む食品を摂ることによって、「心血管の健康状態に、かなりの悪影響が及んでいる」という結果も示されたのです。特に、「加工された穀類、肉類、固形状態の脂肪、高脂肪乳製品を多く含む“洋食”と分類された食事の後での間食で、そのリスクが高まる」というような報告もなされています。

これらの食品には血糖値を上昇させる作用があるため、食後数時間以内にでんぷん質のスナック類を食べることで血糖値の上昇が継続され、そこで炎症レベルも引き上げられることに意味しているとの判断です。

専門家による解説

「血管新生財団(Angiogenesis Foundation)」の代表兼メディカルディレクターであり、『病気にならない食習慣(EAT TO BEAT DISEASE)』の著者ウィリアム・リー博士は、「そのような食生活を長く続けることは、心臓に対して見過ごせない影響を及ぼす可能性があります」、と述べています。

「食事は運動と同様に、心臓の健康状態にとって大きな影響を与えるものです。冠動脈のプラークの周囲には炎症細胞が生まれやすいことが研究でわかっていて、酵素を放出してさらにダメージを拡大するという悪循環が起きるケースもわかっています。そんなわけで炎症を引き起こす可能性を持つ食品を食べ続ければ、とんでもない悪影響が生じてしまう可能性は大なのです」と、リー博士は言います。

抗炎症作用に優れた効果が期待できる食べ物

そのことを踏まえながら考えれば、炎症作用を抑えるとされる優れた食品が健康維持に有効である理由を見て取ることができるでしょう。柑橘類、ベリー類、パプリカ、ナッツ類、豆類などの食品は冠動脈のプラークをケアし、炎症を抑える効果があることがさまざまな研究で報告されているのです。

だからと言って、「ジャガイモが悪者である」ということではありません。ジャガイモの栄養価の高さ、特に食物繊維やカリウム、ビタミンCが豊富であることは、過去のさまざまな研究によって既に証明されており、これらの栄養素はいずれも心臓の活動を助けるものとされています。

事実、ジャガイモは「完璧な炭水化物」と呼ばれるほどの食材です。ギリシャヨーグルトや低脂肪のチリビーンズと同様、優れたタンパク源という側面も持ち合わせていることを忘れずに。

しかし注意しておくべき点は、食材の加工方法

例えば売られているポテトチップスの場合、ジャガイモの栄養素の大半が取り除かれてしまっていると言っていいでしょう。そこに、過剰な塩分や人体にとって好ましくない脂肪分が添加されているものも少なくありません。つまり、「自家製のポテトチップスとは全く異なるもの」と言えるのです。

解決・改善方法は?

では一体、どうすれば良いのでしょうか?

何度も繰り返し言われてきたとおり、野菜と果物とを中心とした食事を多く摂ることを意識し、洋風の食生活を改めることでしょう。また、スーパーのお菓子売り場からは足を遠ざけることが賢明と言えるかもしれません。

Source / Bicycling
Translation / Kazuki Kimura
※この翻訳は抄訳です。