《目次》

▶ジャガイモを食べると高血圧のリスクが上がる!?

▶サツマイモ食べるべき8つのメリット

―血圧を下げる効果

―むくみ解消|カリウム豊富

―繊維質・ヤラピンが豊富

―抗酸化作用βカロテンでエイジングケア

―免疫力を上げる|ビタミン豊富

―食欲を安定させる

―癌(がん)リスクを下げる効果

―安眠効果

▶サツマイモによる減量効果の是非

▶結論:サツマイモとダイエット|注意点

◇週4回ジャガイモを食べると高血圧のリスクが上がる

健康に気をつかう人なら、ポテトチップやフライドポテトを食べようなんて滅多に思わないでしょう。ならば、ベイクドポテトなら安心なのでしょうか?

「ジャガイモを週に4回食べると、GI(Glycemic Index)レベルが高くなるため、高血圧のリスクが11%ほど上昇した結果が導き出された。これによって細胞の機能障害が発生し、BP(Blood Pressure=血圧)が高くなる可能性があります。それは茹でたり、焼いたり、つぶしたりするなど、どのようにジャガイモを調理して食べてもリスクは同じです」という研究が2016年5月に報告されています。ちなみに調理法別で「焼く」「ゆでる」「つぶす」場合は11%ほど、油で揚げた場合には17%ほど、高血圧のリスク上昇が認められたと述べています。

研究でその理由に関しては、「ジャガイモが食品が体内で糖に変わることで、血糖値が上昇させるスピードを示すGI値(グリセミック指数)が高いため」としています。「このGI値が高ければ高いほど細胞の機能を低下させ、結果的に血圧を高くしてしまうからです」と、説明も加えています。

また、大阪がん循環器病予防センターと米国ハーバード大学T.H.チャン公衆衛生大学院との共同研究では、「ジャガイモ料理全般に言えることですが、特にフライドポテトの摂取量が多い場合には2型糖尿病になるリスクが高くなる」とも報告されています。とは言え、日本のジャガイモはおいしいですし、極端にジャガイモを断つのは現実的ではありません。なので、バランスの良い食事を摂ることが大切ということ。可能な限りの量を野菜などの食材に、置き換えることをおすすめします。

◇サツマイモをもっと食べるべき8つのメリット

しかしながら、それでもこの研究結果が気になる人は、さらなる対処法を検討しているはずです。そこでジャガイモの代わりに、サツマイモを選ぶというのはどうでしょうか? 下記で、サツマイモを食べることによって期待できる、8つの効果を再確認していきましょう。

【1】血圧を下げる効果への期待

仕事のストレスやお酒の飲みすぎなどは、血圧は急上昇しがち行為です。血圧を下げるためのβ遮断薬を服用するよりも、サツマイモを食することを試してみたほうがいいかもしれません。

英国の国民健康・栄養調査によれば、「サツマイモに多く含まれているカリウムは、血圧を大幅に下げ、ストレスの影響を和らげるのに十分な量に相当する」ということ。カリウムは血圧を低下させる効果が報告されているので、高血圧の予防に効果が期待できるというわけです。

【2】むくみ解消が期待できるカリウム豊富

むくみの原因になるナトリウムを、身体の外に排出する働きをしてくれるのが「カリウム」です。

サツマイモのカリウム含有量は、100gあたり約470mgと言われています。これは精白米100gあたりカリウム含有量(約88mg)と比較すると、およそ5.4倍。この数値を見ると、むくみ対策の効果が具体的イメージできるかもしれません。

《100gあたりのカリウム含有量》

  • 生サツマイモ:約470mg
  • 焼きいも:約540mg
  • 蒸したサツマイモ:約490mg
  • 蒸し切干サツマイモ:約980mg

【3】繊維質・ヤラピンが豊富|老廃物の排出

腸内をきれいにしてくれる食物繊維と、「ヤラピン(jalapin)」がサツマイモには含まれています。この「ヤラピン」とは、サツマイモを切ると断面から出る白い液体のことを指し、「それはサツマイモにしか含まれないもので、胃の粘膜を保護したり排便を促したりする効果がある」と言われています。特にサツマイモの皮には、この「ヤラピン」が豊富に含まれているとのこと。

循環器分野で信頼度の高い、米国オハイオ州にあるクリーブランドクリニックの研究によれば、「サツマイモは世界でも有数の食物繊維を含む食物であり、コレステロール値を下げながら健康的な減量に役立つ」という研究結果も報告されています。

【4】抗酸化作用βカロテンで、エイジングケアの期待

βカロテンは体内でビタミンAに変換し、皮膚や粘膜を丈夫にしたり、視力の維持、がんの予防への期待、免疫力の強化など、健康を保つために重要な働きをする栄養素です。

アメリカ国立衛生研究所の研究でサツマイモには、エイジングクリームの有効成分でもあるビタミンAの推奨摂取量が、豊富に含まれていることが報告されています。

【5】免疫力を上げるサツマイモ|ビタミン豊富

サツマイモには1日あたりの推奨量の「774%のビタミンA」と、「53%ビタミンC」が含まれています。ビタミンCは熱に弱く加熱すると半分以上も損失しますが、サツマイモはでんぷんにより守られるため、加熱しても損失は少ないでしょう。そして、しっかりビタミンCを摂ることが可能となります(日本の厚生労働省が推奨するビタミンAの1日の摂取基準量は、こちらから)。

また、抗酸化作用があるということを、さまざまな研究で発表されている「ビタミンE」もそこには含まれており、体内の糖質の酸化を防ぐ効果が期待できます。

【6】食欲を安定させて間食を制御する

米国オレゴン州立大学の研究によると、サツマイモ100gに含まれるマグネシウムは約24mgと豊富に含まれているため、炭水化物を代謝して食欲を安定させることでダイエットに役立つそうです。

とは言え、やっぱり間食(お菓子)が多い習慣は控えるべきです。

【7】癌(がん)リスクを下げる効果が期待

サツマイモは、がんになる確率をかなり下げてくれるという研究結果もあります。ハーバード大学の公衆衛生大学院の研究によれば、βカロテンを多く含む食事は前立腺癌のリスクを最大で40%低減させたという結果を導いた研究もあります。

さらにサツマイモに含まれるビタミンCによって、がんの発生原因の1つである活性酸素の発生を抑制する、そんな効果も期待できるということ。

【8】安眠効果

眠くてソファーからベッドに移動して横になっても、なかなか眠れないという夜は不快なものです。羊の数を数えても、はたまた、カナダのリュック・ボードワン博士が開発した「認知シャッフル睡眠法」を実践しても、何の意味もなかったこともあったことでしょう。

そこでサツマイモの登場です。そこには、「快眠に良い」とされている栄養素ビタミンC、トリプトファン、カリウム、マグネシウムなどなど、サツマイモに多めに含まれています。なので効率的に摂取ができれば、快眠がかなう日々も近いでしょう。

◇サツマイモによる減量効果の是非|正しいやり方

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Getty Images

サツマイモは、メキシコを中心とする熱帯アメリカで生まれました。紀元前800~1000年ごろには、中央アンデス地方でサツマイモがつくられていたのです。何世紀もの間、人類はサツマイモを食べてきています。それには、正当な理由があるからです。

この野菜には、特に内臓の健康をサポートするビタミンAといったビタミン、ミネラル、それに植物性栄養素と呼ばれる強力な植物化合物がたくさん含まれています。現在ではどうでしょうか? お菓子などを食べずに自然な甘みと風味を楽しむために、また、しっかりとした炭水化物の供給源として、自然エネルギー源として野菜を摂取するアスリートたちの間でも人気があるのがサツマイモです。

ですが、野菜すべてが同じような成分で構成されているわけではありません。サツマイモは炭水化物の塊です。一方、キュウリのような野菜は90%以上が水分になります。体重を減らしたいと思っているならば、サツマイモがダイエットに適しているのか? そうではないのか?と、気になるところだと思います。

では、サツマイモの評価と、減量の妨げにならない方法をご紹介していきます。

サツマイモの摂取方法に問題がないか確認しましょう

まず、サツマイモに対する考え方を変えてみましょう。

管理栄養士のブライアン・サンピエールさんは、「当然ながらサツマイモは野菜ですが、その考えが常に正しいとは言えません。サツマイモは全粒穀物と同様に、でんぷん質の炭水化物からできているのでおすすめします」と話しています。「結局のところサツマイモは、中程度の大きさのもので24g近くの炭水化物源となっています」と、彼は付け加えています。

そして、考え方の転換が重要な理由はこうです。

サツマイモを炭水化物と考えれば、後から炭水化物を食べ過ぎてしまうことが少なくなりますし、量も調節しやすくなるからです。サンピエールさんは、一般的な健康と体脂肪の減少のためには良質な炭水化物を1食あたり、ひと握りで1〜2杯程度摂取することを目標にすることが良いと提案しています。「サツマイモ、普通のジャガイモ、豆類やレンズ豆、全粒粉、果物などは、炭水化物の量を増やすのに最適な選択肢であると言えます」と、話しています。

サツマイモには食物繊維が豊富に含まれています

管理栄養士のライアン・マシエルさんは、「皮付きのまま食べると、特に食物繊維が豊富です」、と言っています。中程度の大きさのもので食物繊維は約3.8g含まれており、50歳未満の男性であれば1日に約38gを目安に摂取するといいでしょう。

では、食物繊維の効果以上に言われていることはなんでしょうか? 「食物繊維は、空腹ホルモンのレベルを低下させ、満腹感をもたらすコレシストキニンなどのホルモンの産生を増加させ、消化も遅らせ、血糖値のコントロールも改善へ。よりよく噛んでゆっくりと食べることを促し、その行為自体で満腹感に影響を与えることができるタイプの炭水化物です」と、マシエルさんは説明します。

特にサツマイモには、血糖値の上昇を穏やかにする「レジスタントスターチ(難消化性でんぷん)」と呼ばれる食物繊維が含まれており、いくつかの研究では肥満のリスクを軽減する効果があると報告されています。

サツマイモがダイエットに役立つ理由は他にもあります

サツマイモは、ビタミンやミネラルなどの健康効果のある成分が豊富に含まれているわりには、カロリーはそれほど高くありません。中程度の大きさ(100 g あたり)のもので約131キロカロリーほどです。

加えて、水分も多く含まれているので、食欲を抑えることもできます。「サツマイモ自体が“ホールフード(まるごと食べる食品)”なので、一般的な加工食品よりも腹持ちが良い傾向にあります」と、マシエルさんは説明します。

◇サツマイモとダイエットの結論|注意点

どんな食べ物でも、食べ過ぎると体重増加の原因になるものですが、何でも食べることができるということでは、サツマイモはとてもヘルシーな選択肢になります。

注意事項としてマシエルさんは、「サツマイモは茹でたり焼いたりして、食べてください。当然のことですが、美味しいからといってフライにしたり、スイートポテトパイなど甘いデザートにしてしまうと、“いわゆる”健康的な食べ物ではなくなってしまいます。たまにならばいいですが、毎日は控えましょう。それに大量のバターやベーコン、サワークリームをトッピングにして食するのは、可能な限り避けるべきです。サツマイモを食べ過ぎるよりも、それらトッピングの脂質のほうが太る原因になってしまいますので」と、注意しています。

結論としては、サツマイモは食物繊維が豊富で低カロリーな食材。ダイエットにふさわしい食材と言えます。ただし、山盛りのフライドポテトのカタチでは食べないでくださいね。

《ダイエットにおすすめの正しい食べ方》

  • 皮付きのまま食べる
  • バランスの良い食事に取り入れる(肉や卵、野菜も一緒に)

《サツマイモの主要な栄養素》

サツマイモ100gに含まれる主な栄養素は、次の通りです(文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」参照)。

  • エネルギー:134キロカロリー
  • たんぱく質:1.2g
  • 脂質:0.2g
  • 炭水化物:31.9g
  • 食物繊維:2.2g
  • カルシウム:36mg
  • リン:47mg
  • マグネシウム:24mg
  • カリウム:480mg
  • ビタミンC:29mg
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Source / Men's Health US 1, 2
Translation / Kazuhiro Uchida
※この翻訳は抄訳です。