2022年11月、某雑誌が発表した2022年ヒット商品ランキングで総合第1位になった「Yakult(ヤクルト)1000/Y1000」。今までの乳酸菌飲料とは別の機能をもち、「乳酸菌 シロタ株」により、一時的な精神的ストレスがかかる状況での「ストレス緩和」、「睡眠の質向上」の機能があることが報告されています。ヤクルト本社で初めての機能性表示食品として、2019年に発売されたのが「Yakult(ヤクルト)1000(※)」です。

近年の睡眠研究の進展はもとより、このコロナ禍で睡眠の大切さを実感している人も多い中、数々の著名人が愛飲しているとあって、入手困難と話題になるなど社会現象に。

今回話を聞いたのは、これまで多くのアート展を手掛けている「チームラボ」代表の猪子寿之氏。いくつものアート展を同時に動かし、日本はもちろん海外からのオファーも多く、その勢いは止まることを知らない。常に最高のパフォーマンスを発揮するために、いったい何に気をつけ、何にこだわっているのか? 猪子氏が心がけている健康法やこだわりについて、2022年7月に大阪市の長居植物園でスタートした夜のオープンエアーミュージアムを前にたっぷり語ってもらいました。 

※「Yakult1000」は宅配専用商品、「Y1000」はスーパー・コンビニ等の店頭商品

猪子寿之
Shun Yokoi
チームラボボタニカルガーデン 大阪@大阪・長居植物園

環境に生かされる生命、環境なくして存在しないアート~「存在の輪郭が曖昧なものをつくりたかった」

2022年7月、大阪市にある長居植物園にオープンした「チームラボ ボタニカルガーデン 大阪」。約24万平米という広大な植物園の中央に池があり、小さな「島」が浮かんでいます。雑草や木、それらを食べる虫や鳥たち、ありのままにたたずむその小島に突如巨大な壁が立ちはだかります。この「風の中の散逸する鳥の彫刻群」は今回の展覧会のシグニチャーとなっていて、陽が沈むと幻想的な世界を映し出します。

「この周辺を飛ぶ鳥たちが世界に連続的に与えるエネルギーを表現したもので、鳥の運動エネルギーが空気などの外界に散逸している様子をリアルタイムに描いています。鳥が飛ぶと風が起こり、草木が揺れる。散逸していくエネルギーが鳥の周辺で渦になったりしていくのです。2つとして同じもの(模様)は生まれないのですが、逆に周辺に鳥たちが飛ばないと真っ暗な闇になる」と説明する猪子氏。

「展覧会なのに真っ暗で何も見えないこともあるなんて、それってどうなの? と(笑)。そこでまず鳥が集まるようにするにはどうしたらいいのか考えたんですけど、鳥の生態系を理解することが大事でした。そこで鳥がやってきたいと思える環境、木を植えて虫が集まる場所をつくることから始めました。

鳥がいなければ存在しない作品だけど、同時に木や虫の存在も欠かせない。今回は鳥だけれど、表現したかったことは、生命の存在の輪郭とは、物質的な肉体の境界線ではなく、肉体と連続する環境まで含めた曖昧なものであるということなんです。鳥の存在は、虫・草木などの生態系や環境と境界なくつながっているし、肉体の外部にもエネルギーを流し続け、影響を与え続けていることを感じてもらいたいと思っています」。

猪子寿之
Shun Yokoi
撮影中も鳥など飛翔体が飛ばないと、ときどき暗闇になる瞬間も。生物に「活かされている」とも言えるアート作品。

鳥と地球・人、全てがあいまいにつながっている

「例えば石ころって、自分自身で安定的な構造を持っているから密閉された箱に入れてもその形のままで存在し続けます。その一方で、閉じた箱に入れられると存在をなくしてしまう、自分自身で構造を持たないものもあります。例えば、『渦』。渦自体は自分自身で構造を持っていない。渦は水が外から内へ、また内から外へ出ていく水の流れによって構造をつくり、定常させています。渦の存在は、自明ですが、どこからが渦で、どこから渦じゃないのか、その存在の境界線は曖昧です。流れの中に存在するのであって渦の構造は、渦自身が持っていないのです。

生命もそう。人間は肉体という輪郭はあるけど、密閉された箱に入れると死んで肉体もぐちゃぐちゃになります。つまり、石ころと違って、自ら構造を持っていないのです。肉体の外側から内側、内側から外側に出ていく物質とエネルギーの流れが、構造をつくっている。例えば人間は外から食物を取り入れて、排せつしています。それを排せつできないように出口をふさいでしまえば、しばらくして死んでしまいますよね。生命の構造は自分自身ではなく、それらと連続する環境によってつくられていて、渦と同じように、存在の輪郭は曖昧なんです」。

「自分と腸内の細菌との関係なんてまさにそう。脳内で分泌されると幸せを感じると言われているセロトニンも、そのもとは腸内の細菌が作り出しているとも言われています。私の幸せはどこまでが私の心の作用なのか、私の肉体の外側にある細菌が生み出したものなのか、その境界は曖昧なものですね」。

アーティストとして経営者として多忙な毎日を送る猪子さんは、腸内に作用する細菌類と共生する食習慣を何年も続けているということがわかりました。

inoko toshiyuki
Shun Yokoi
「特別な理由がない限り、夜は毎日自分でつくったものを食べる」と言う猪子さん。

菌は奥深い。自他ともに認める「発酵マニア」

取材を進めて確信したこと。それは猪子さんは自ら腸内細菌の重要性について社内で解説したり、先述の作品群も細菌をイメージリソースにしているなど、趣味レベルを超えた無類の「菌好き」であること。

「菌にハマり始めたのは、かれこれ15年以上前から。夜はほとんど自宅で食事するので毎日発酵食品を食べているし、自分でも発酵食品をつくっている」と言います。

――つくっているとは驚きですね。今、ハマっているものは何ですか?

「今は発酵玄米にハマっているかな。“寝かせ玄米”とも言いますよね。寝かせる時に、納豆を混ぜることで発酵速度を高めると水分が飛ぶ前に発酵してよりおいしい気がする。小さい頃から発酵食品を食べていたから好きなんですよ、こういうのが。この世界で一番好きな食べ物は納豆です」。

――発酵食品を食べるようになったきっかけは?

「うちは田舎だったし小さい頃から発酵食品が食卓に並んでいて、親も普通に食べているから抵抗がなかったですね。発酵食品って地域の文化的な特性が一番出るでしょう。『発酵=臭い』なんです。日本の醤油や納豆も食べたことがない海外の人からすれば臭いですよね。発酵と腐敗は仕組みが同じだから、腐っているものを食べないための反応だとすれば臭いと感じるのは仕方ない。でも、(発酵したものは)食べてみると“うまみ”があるから脳がおいしいと感知して、情報を『これは食べていいモノだ』と更新していく。だから、食べることでその匂いを克服していくのです。しかもその土地の微生物が作用しているわけです。外国の文化を知るには、その国の発酵食品を食べることが一番手っ取り早いとも思っています」。

inoko toshiyuki
Shun Yoko
チームラボにもヤクルトレディがやってくるそう。

――乳酸菌やビフィズス菌と言えば、腸内フローラも注目されていますよね?

「腸は“第二の脳”とも言われていますしね。体を内側から守ってくれているのが腸内細菌。今や、全身をコントロールしていると言っても過言ではなく、人間の幸せも腸内でつくられているんじゃないか、って思いますよね(笑)。それを90年以上前から菌の研究をし、乳酸菌飲料をつくったヤクルトの創始者・代田稔さんってスゴい…。いろんな意味で、菌は奥が深いですよね」。

鳥や自然も境界がなく環境によってつながりがあるように、「菌と人」も互いに共生し合い、連続する環境の中で構築されている?と仮定すると興味深く、チームラボの作品から自然や人・菌に至るまで、境界なく連続していく様は未来へと続いていきます。

Profile

猪子寿之(Inoko Toshiyuki)

アート集団、チームラボ代表。1977年生まれ。徳島市出身。東京大学工学部計数工学科卒業後の2001年、大学院で自然言語処理とアートを研究しつつチームラボ設立。国内では東京・豊洲や大阪・長居植物園、福岡などで常設展が開かれているほか、上海やマカオ、マイアミ、シンガポールなど海外へも進出。現在も世界数か国でのチームラボミュージアムのオープン計画が進行している。

乳酸菌 シロタ株が1mlあたり10億個含まれる乳製品乳酸菌飲料「Y1000」

ヤクルト
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(110ml) 1本 ¥162(税込・編集部調べ)

機能性表示食品(成分評価)

届出表示:本品には乳酸菌 シロタ株(L.カゼイ YIT 9029)が含まれます。乳酸菌 シロタ株(L.カゼイ YIT 9029)には、一時的な精神的ストレスがかかる状況でのストレスをやわらげる機能や睡眠の質(眠りの深さ、すっきりとした目覚め)を高める機能があることが報告されています。さらに、腸内環境を改善する機能があることが報告されています。 

・食生活は主食、主菜、副菜を基本に食事のバランスを。
・本品は機能性表示食品です。特定保健用食品と異なり、消費者庁長官による個別審査を受けたものではありません。
・本品は、疾病の診断、治療、予防を目的としたものではありません。

●商品に関するお問い合わせ
ヤクルトお客さま相談センター
TEL 0120-11-8960
※携帯電話からは 0570-00-8960(有料)へ
(受付時間 10:00~16:00 土・日・祝日・夏季休業・年末年始等を除く)※時間を短縮しています

公式サイト

teamlabo botanical garden
「チームラボ ボタニカルガーデン 大阪」長居植物園 ©チームラボ
チームラボ ボタニカルガーデン 大阪

昼間の植物園が夜になると、作品空間へと様変わりする。メインとなる「風の中の散逸する鳥の彫刻群」ほか、日中と日没で表情が変わる卵型の物体が密集する「ツバキ園の呼応する小宇宙」や光と音が呼応しながら幻想的な風景を映し出す「自立しつつも呼応する生命の森 - ユーカリ」、森の中で静かに燃え続ける「森に憑依する炎 - 二次林」など、季節に咲く花や草木を楽しみながら夜の植物園を散策してみては?

長居植物園
大阪市住吉区長居公園1-23
(12月・1月)18:00 - 21:30(20:30 最終入場)
*開催時間はシーズンによって変更になります
*第2・第4月曜日休園

公式サイト

Photographer: Shun Yokoi(thida)
Hair & Make: Shutaro(vitamins)
Writer: Mayumi Hasegawa
Editor: Keiichi Koyama