「XKSS」と「Eタイプ・ライトウェイト」の復刻販売を行ったジャガーが、今度は伝説的レーシングカー「Dタイプ」の復活で注目を集めました。
Courtesy of Jaguar
米国の人気モータースポーツ誌『ロード&トラック』の編集部では、2018年1月に「ジャガー・ランドローバーのクラシック・ワークスは夢の工場」として銘打った特集を組みました。ですが、ここの工場では、さらに夢のようなことが起こったのです。
というのも、その夢の工場である「ジャガークラシック」は、同社の復刻シリーズの一環として25台の「Dタイプ」も再生産することを発表したのです。
これは「XKSS」および「Eタイプ・ライトウェイト」に続く、偉大なる復活となるのです。(次ページへ続く)
Jaguar Classic D-Types 01
Courtesy of Jaguar
また、今回の再生産モデルは、レプリカ車とは違います。
1955年、1956年、1957年のル・マン24時間レースを制したモデルと、まったく同じ仕様の新車が作られるのです。
Jaguar Classic D-Types 02
Courtesy of Jaguar
ジャガーが「Dタイプ」の再生産を決定した理由がなぜか、気になりませんか?
過去に遡ると1955年、ジャガーは100台の「Dタイプ」を生産予定でした、しかし実際に生産できたのは75台のみだったのです。同社は「当初の大きな目標を実現するために、2018年になり残りの25台を再生産すると決めたのです」ということです。
Jaguar Classic D-Types 03
Courtesy of Jaguar
ここでトリビアです!
ジャガーは当時残っていた「Dタイプ」25台分のシャシーについて…、限定生産の公道車である「XKSS」に転用するつもりだったそうです。このため、ジャガーの工場が1957年に火事に見舞われるまでに、16台の「XKSS」が生産されました。そして、残りの「Dタイプ」9台分のシャシーは、火事で消失したそうなのです。
一方、失われた9台分の「XKSS」は、2017年の復刻シリーズで再生産されています。
というわけで、ジャガーはすでに「Dタイプ」をベースとする自動車を100台生産していたのです。とはいえ、そもそも「Dタイプ」の再生産に理由をつける必要などありません。些細な部分にこだわって、素晴らしいモデルの復活に水を差すのはやめておきましょう。
Jaguar Classic D-Types 04
Courtesy of Jaguar
今回発表された25台の「Dタイプ」は、ジャガー・ランドローバー・クラシックのコベントリー工場で生産され、顧客はショートノーズとロングノーズの2タイプから選択できることになりました。
ジャガーは現在も、オリジナルの「Dタイプ」の技術仕様や関連書類を保管しているため、復刻モデルはオリジナルとまったく同じものにすることができたのです。
Jaguar Classic D-Types 05
Courtesy of Jaguar
新たに生産される「Dタイプ」は、ジャガーの有名な3.4リッターの直列6気筒「XKエンジン」を搭載し、出力はおよそ250hpになる見込みです。
このエンジンを搭載した「Dタイプ」は、ル・マン(フランスのル・マン近郊で行われる耐久レース)で最高時速190マイル(305km)を誇ったモデルです。またこのクルマは、1955年としては革新的なハイテク技術である4輪ディスクブレーキを搭載していました。
Jaguar Classic D-Types 06
Courtesy of Jaguar
ジャガーは復刻版「Dタイプ」の価格については、2016年に1956年のル・マンに勝利した「Dタイプ」が2200万ドルで売れたことを考えれば、バーゲン同然の価格になることでしょう。
Courtesy of Jaguar,RM Sotheby's
購入を希望する人へのアドバイスがあるとすれば、当時のレーシングチーム「Ecurie Ecosse」のカラーリングである青と白のモデルをオーダーして欲しいということです。
Jaguar Classic D-Types 07
Courtesy of Jaguar
From Road & Track
By Chris Perkins
Feb 7, 2018
Courtesy of Jaguar
Translation / Wataru Nakamura
※この翻訳は抄訳です。
Edit / Hikaru SATO, Kaz OGAWA