あなたには、お気に入りのクルマのコマーシャルありましたか?
YOUTUBE / M35A2
自動車メーカーはこれまで、いくつものクリエイティビィティ溢れるコマーシャルフィルムをTV上に打ち出してきました。そのうちのいくつかは世界的な賞を獲得するなど、そのクリエイティビティを競い合うほど高次元の領域でした。そんなわけで皆さんのなかには小さいころ、そんなテレビコマーシャルに感動しながら、「僕は大人になったら、こんなクルマに乗るんだ!」と心に決めたころもあったはずです。
皆さん思い出してください、どんなクルマが好きでしたか?
私(筆者)は1990年代のポルシェのコマーシャルが好きでした。「X-MEN」や「ウルヴァリン」などに出演していたパトリック・スチュワート氏が、ナレーションをしていたのです。
その出だしはこうです。
ある倉庫から2台のポルシェが、左右二手に分かれて旅立ちます。先に出て、向かって右に行くのがル・マン耐久レースのレーシングカーであり、左に行くのが市販車になります。面白いのはそこから…。レーシングカーはサーキットを走行しており、市販車はもちろん所有者の走行のもと、レストランへと向かいます。
所有者の男性はバレーパーキング(海外のホテルやレストランで駐車を係員に任せるサービス)で2人組の従業員にクルマを預けるのです…(笑)。そこからの展開は、ぜひともYoutube動画でご確認ください。1990年代に公開された、ポルシェ「993」(現在の911)のコマーシャルになります。
当時のクルマのコマーシャルで、こんなストーリー性のあるものはそう多くはなかったこともあったのでしょう。私は、このCMの戦略に見事ひっかかってしまったわけです(笑)。
>>>「やっぱり、いいなあ。」何度見てもグッとくるクルマCMをもっと観る!
1996年日産「300ZX」のCM
Courtesy of instagram@Nissan
偉大なるハードロックバンド「ヴァン・ヘイレン」の名曲『You Really Got Me』をフィーチャリングしたBGMに、おもちゃの人形と「300ZX」が物語を展開するストップモーションアニメ仕立てのCM。この手法は、90年代の子供たちをいい意味で洗脳するには最適でした。現在も、この「300ZX」がクールなイメージのままキープできているのは、そのCMの成功のお陰といっていいでしょう。それにヤラレタ少年たちは、いまではいい大人になっていることでしょう。
1980年代のいすゞのCM
Getty Images
1980年代、この「ジョー・イスズ」(米国いすゞのテレビコマーシャルに登場する架空のセールスマン) という男性によるユニークな宣伝方法によって、このCMは一躍有名に。いくつかの賞を受賞するほどの出来映えでした。しかしながら2018年の現在、このCMの手法をトライするにはかなりの度胸が必要ななるでしょう。この時代だからこその、秀作です。
1983年ポルシェ「911」のCM
Porsche
ポルシェは、「レーシング部門で集積した専門知識を、常にロードカーの開発へと応用させている」と名言しています。そしてこの3つのCMは、そのことをしっかりと表現しているのです。ポルシェの有名なキャッチフレーズ、「何者も近づくことすらない」は的を得ていますね。
1991年のアルファロメオ「SZ」のC
Getty Images
1990年代の芸術的かつ少し風変りなCMが好きな方にはこちらを。ちょっと長めではありますが、この6分間の映像には心を動かすパワーがあります。
1960年フォード「ファルコン」のCM
Getty Images
チャーリー・ブラウンと、スヌーピーをはじめ「ピーナッツ」に登場する個性豊かなキャラクターたち「ピーナッツ・ギャング」が初めてテレビに登場した名作CMになります。この1960年代のCMは、「少し平凡だよ」と言われても仕方ありません。でも、それ以上に、この映像の可愛らしさに心惹かれる人も多いはずです。
1960年代フォルクスワーゲン「ビートル」のCM
Getty Images
1960年代から1970年代のフォルクスワーゲンにおける、冷却装置付き「ビートル」は完璧なクルマです。このCMはアメリカでの「ビートル」の型破りな存在感を控えめなユーモアで包み込み、ドイツのエンジニアリングの優位性を描いた最高のバランスで描かれています。現在、このCMは大学の講義での題材に選ばれ、その戦略の立て方について、多く学生がこれをベンチマークにディスカッションしているそうです。
1960年代フォルクスワーゲン「ビートル」のCM #2
Getty Images
1960年代にフォルクスワーゲンは、多くの印象的な広告を作り上げました。なので、その中で1つを選ぶというのは、実に難しいことなのです。
1967年シボレー「カマロ SS」のCM
Getty Images
カマロ初のCMは、とてつもなく凝っています。そこには火山、そして派手でゾッとするよな音楽、低い声のナレーター…そうして「カマロSS」の登場になります。これはかなりのインパクトで迫ってきますよ。
1968年シトロエン「DS」のCM
Getty Images
新型のコーナー追従ヘッドライトの宣伝のため、シトロンは斬新なCMを思いついたようです。舞台は暗闇のうねった道。なので、クルマの美しさはほとんど映し出されません…ですが、ほどよいカメラワークとヒップジャズで、思わず見入ってしまうことでしょう。
1971年ホンダ「N600」のCM
HONDA
『YOU MEET THE NICEST PEOPLE ON A HONDA(素晴らしい人、Hondaに乗る)』をキャッチコピーとした有名な広告キャンペーンから数年後、ホンダは米国の初期のCMを彷彿とさせる、陽気なトーンで打ち出しました。それは、これまでアメリカ人が親しんでいた、小さな「N600」と打って変わっていたのでした…。
1975年クライスラー「コルドバ」のCM
Courtesy of Instagram@panossgiann
誰も「ソフト・コリンシアン・レザー」なるものが何かなんて、まったく知らないしょう。でも、いいんです。メキシコの名優Ricardo Montalban(リカルド・モンタルバン)が艶っぽく話していれば、そんなことは関係なくなるのです。1975年に放送されたCMの中でも、かなり見事なCMではないでしょうか?
1980年ダットサン「280ZX」10周年記念モデルのCM
NISSAN
生産10周年を記念してできたこのモデルのCMは、至る所に1980年代らしさを感じることができるでしょう。日本名である「フェアレディ」のアメリカ的解釈がコレなのでしょうか(笑)?
1984年シボレー「コルベット」のCM
CHAVROLET
1984年に第4世代の「コルベット」がデビューしたことはシボレーにとって、とても重大なことでした。そのため、華々しくデビューを飾るために作られたCMがこちらになります。なので映画なみのクオリティ、誰もがきっと感動することでしょう。
1984年フォルクスワーゲン「ラビットGTI」のCM
Road and Track
フォルクスワーゲンは、この「ラビットGTI」のアメリカ市場での購買台数上昇を狙ってか、バックミュージックにドイツ語版ザ・ビーチ・ボーイズ”風”の音楽を使用しています。
1980年代ポルシェ「944ターボ」のCM
PORSCHE
ポルシェのコマーシャルには、一貫してユーモアが加味されています。そして、それ以上に自信に満ち溢れていることを感じることができます。1980年代のこのCMは、ジミ・ヘンドリックスの『パープル・ヘイズ』の四重奏曲バージョンをBGMにした実に魅力的な映像なのです。
Road and Track(原文:English)
BY BRIAN SILVESTRO, CHRIS PERKINS
JUN 14, 2018
Translation / Mirei Uchihori
※この翻訳は抄訳です。
Edit / Kaz Ogawa,Mirei Uchihori