ベン・アフレックがつまらないブルース・ウェインを演じてしまったせいで、バットマンは少しダサいキャラクターになってしまいました。しかし、少なくとも私たちには、バットモービルに関しての印象はそのままのはずです。これだけは誰がバットマンを演じようが、カッコいいのです。そんな折、そんなバットモービルのようなSUVが登場しました。
それが「Karlmann King(カールマン・キング)」です。2016年4月に北京モーターショーで発表されたのち、2018年3月に、恐らくSUVモデル史上最も高い価格で世界限定9台のみ販売されることとなったのです。
ベントレー「ベンテイガ」やロールスロイス「カリナン」といったラグジュアリーSUVが続々と発表されるなか、「カールマン・キング」は武骨すぎるスタイリングをそのままに、新車販売価格は約2.2億円、カスタマイズオプション等を盛込むと約4.3億円と、とんでもない価格にまで到達する究極のラグジュアリーかつステルスタイプ?なSUVモデルの販売を開始したのでした。
その外観は、クリスチャン・ベールが演じたバットマン(別名「カッコいいバットマン」)が乗り回していたバットモービルの日常用バージョンのような外見であることに加え、これまで発売された中でもっとも高価なSUVになるわけです。
設計は中国企業であるIATオートモバイル・テクノロジー(IAT Automobile Technology)によるもので、フォードのピックアップトラック「F-550」をベースにつくられたそうです。車重は4.5トン(装甲仕様にした場合は6トン)で、6.8リッターのV10エンジンを搭載しています。
「カールマン・キング」の車体は、外側がカーボンファイバーとスチール(もしくは防弾素材)で洗練されたアーバン・アーミーの雰囲気を漂わせるものです(どういやらステルスではないようです…)。しかし、車内はそれほど硬派ではありません。テレビ、エスプレッソマシン、ムーディーな照明、ゲームコンソール、シャンパン用冷蔵庫などが装備されているので、気の利いたストレッチリムジンと同じようなアメニティとなっています。
このラグジュアリーすぎるSUVは、贅沢に目がなく同時に究極の安全性を好む金持ちにとって、最高の乗り物となるでしょう。ただし、ひとつだけ欠点があります。それは時速87マイル(約140km)しかスピードが出ないことです。
そんなスピードでは、ゴッサムシティを救う任務は務まらないでしょう。