落札者が決まった瞬間に、“バンクシー”の魔の手が発動。

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  A Banksy Sold for $1.4 Million, Then Immediately Self-Destructed

 正体不明のアーティスト“バンクシー”の存在は、以前より増して世界中が注目しています。「エスクァイア・デジタル」でも2017年12月に、「あのBanksyの正体発覚!?…喜ぶべきか喜ばざるべきか」として特集を組んでもいました。

 そんな最中、彼が手がけた作品の中でも人気No.1とも言える「Balloon Girl(バルーン ガール)」が、2018年10月5日(現地時間)にロンドンで行われたサザビーズのオークションに出展されることに。すると、2人の電話入札者の競争の末、事前予想の3倍に当たる104万2000ポンド(約1億5500万円)で落札されたのでした…。 

 が、このドラマは、そう簡単には幕を閉じるものではありません。なにせ主人公は、“バンクシー”の作品ですから…。

 クライマックスは予想外の方向からやってきました。落札が決定し、オークション会場内は落札者を讃える拍手喝采にあふれようとしているところです。オークショニアが、象牙のハンマーを叩いた数秒後のことだったのです。そのハンマーの音があたかもトリガーとなったかのように、作品のほうから小さな工作機械が動き出したような音が聴こえ始めのです。すると、騒然というよりも逆に声を失ってしまった会場内…。
 なにが起こったかって? 

 それは「バルーン ガール」が「バラバラガール」に…。なんと、その額縁内にシュレッダーが仕込まれていたようで、絵が自動的に切り刻まれていまったのでした。文字通り「落札」とも言えるのです。 

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 サザビーズのシニア ディレクターを務めるアレックス・ブランチック氏は、「われわれはバンクシーされたようだ(バンクシーにしてやられました)」と専門紙「The Art Newspaper」にコメントしています。落札者はガッカリしたかもしれません。ですが、オークション会場は「落札者のことにつきましては、別のステップで対応します」と文書で記されていました。

衝撃の仕掛けを動画で観てみましょう

 
 バンクシー自身、衝撃とともに作品の自壊を見つめる参加者の写真をインスタグラムに投稿しています。そこには、「Going, going, gone...(いいですか? いいですか? はい、決まり…)」と、競売の台詞をキャプションに添えていました。

 今回起きたことについては、もしかしたら“バンクシー”が落札額に納得がいかなかったため、シュレッダーを起動させた可能性も無きにしも非ずかと…。はたして、「バルーン ガール」の落札価格はいくらが妥当なのか気になるところです。

 このことに対して、「この作品の価格がさらに価値があったかもしれないと討論する人が出てくるかもしれませんね」と、ブランチック氏はコメントしています。 

 正体不明のアーティスト“バンクシー”の他の作品を落札しようとしている方は、今後、要注意と言えることでしょう。“バンクシー”はもしかしたら、オークション会場内に潜んでいるかもしれませんし…。自ら身代わりに落札させるというスパイ的な行為も行っているかもしれませんね。


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あのBanksyの正体発覚!?…喜ぶべきか喜ばざるべきか


By Gabrielle Bruney on October 7, 2018
Photos by Getty Images
ESQUIRE US 原文(English)
TRANSLATION BY Shun Yamanoi
※この翻訳は抄訳です。 
編集者:山野井 俊