Netflixドキュメンタリー映画『Sky Ladder(邦題:空のハシゴ: ツァイ・グオチャンの夜空のアート)』も記憶に新しい、現代芸術家・蔡國強(Cai Guo-Qiang、ツァイ・グオチャン、さい・こっきょう)。彼の大規模個展をサンローランが東京・国立新美術館と共催することを発表しました。

これはyouTubeの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。
Sky Ladder | Official Trailer [HD] | Netflix
Sky Ladder | Official Trailer [HD] | Netflix thumnail
Watch onWatch on YouTube

出身地である中国のあらゆる伝統文化を、批判的観点を込めつつ視覚化してきた蔡國強。とりわけ火薬という素材を緻密にコントロールし、爆発の瞬間に生まれる芸術は例え彼の名前を知らない人々の脳裏にも、オリンピックの開閉会式やパリのニュイ・ブランシュ(白夜祭)などさまざまな場で焼きついてきました。 

international contemporary artist cai guo qiang creates explosive new artwork for national gallery of victoria
Scott Barbour//Getty Images
2019年5月、メルボルンでの制作時の様子。

巨大な作品を多く残してきた彼の大規模個展「蔡國強 宇宙遊―〈原初火球〉から始まる」がこの夏、2023年6月29日~8月21日の会期で東京の国立新美術館で開催されます。

同美術館の柱なし2000平方メートルの企画展示室1Eでは、蔡國強の原始、芸術的ビッグバンとも言える30年前の伝説的展覧会「原初火球」が再現されます。そしてそれをスタート地点に、その後の彼が現在へと至るまでの作品がどう進化してきたのかを振り返ります。

「蔡國強 宇宙遊―〈原初火球〉から始まる」
Courtesy of Cai Studio
蔡國強、「原初火球 The Project for Projects」P3 art and environmentでの展示風景、1991年。 撮影:萩原義弘 提供:蔡スタジオ

ガラスと鏡を使った新作火薬絵画3作品や、「国内の国公立美術館と作家が所蔵する約50件の作品」、「作品の中を自由に歩きながら体感する」ことができるLEDを使った大規模なキネティック・ライト・インスタレーション『未知との遭遇』などが展示される予定。それぞれにアーティスト自身による解説も掲示されるそう。

蔡國強
Adrian Gaut
蔡國強 2023

サンローランによるコミッションワーク。福島県でのアート制作決定

注目なのは、開幕に先立ちに福島県・いわき市で実施されるアート制作。これはサンローランによるコミッションワーク(企業・団体・個人などが芸術家に依頼して制作してもらうアート)。このアートプロジェクトも、30年前の思い出に端を発したものだそう。

堪能な日本語とともに日中文化交流にも尽力してきた彼は、同市でかつて地元の友人たちと協働し、爆発プロジェクト『地平線:外星人のためのプロジェクトNo. 14』を実現させています。その当時と同じ海岸で、サンローラン バイ アンソニー・ヴァカレロからの委託制作、名づけて昼花火(※)『満天の桜が咲く日』をプロジェクト実行委員会の主催により実施。こちらの詳しい情報は未発表。解禁が待たれます。

cai guoqiang's day time firework demonstrated in shanghai
VCG//Getty Images
上海で実施された「昼花火」の様子。2014年8月撮影。

先日もクリエイティブディレクター、アンソニー・ヴァカレロ指揮のもと、映画製作会社設立を発表。第76回カンヌ国際映画祭でペドロ・アルモドバル監督による新作を発表したばかりのサンローラン。カルチャーシーンにおいて、これまでのファッションブランドとは異なる一歩踏み込んだ関わり方を提示しています。

展覧会「蔡國強 宇宙遊―〈原初火球〉から始まる」は、同ブランドの文化的布石を示す新たなムーブメントのひとつ。一度は足を運んでみてはいかがでしょう。

蔡國強 宇宙遊―〈原初火球〉から始まる
Courtesy of Cai Studio


蔡國強 宇宙遊 ー<原初火球>から始まる

会期:2023年6月29日(木)~8月21日(月)

休館日:毎週火曜日
開館時間:10:00-18:00
※毎週金・土曜日は20:00まで ※入場は閉館の30分前まで

会場:国立新美術館 企画展示室1E[東京・六本木]
主催:国立新美術館、SAINT LAURENT
観覧料 (税込): 一般1,500円、大学生1000円
※高校生、18歳未満の方(学生証または年齢のわかるものが必要)は入場無料。
※障害者手帳をご持参の方(付添の方1名を含む)は入場無料。
チケット情報は後日、美術館ホームページ等でお知らせします。

アクセス:
・東京メトロ千代田線 乃木坂駅 青山霊園方面改札6出口(美術館直結)
・東京メトロ日比谷線 六本木駅 4a出口から徒歩約5分
・都営地下鉄大江戸線 六本木駅 7出口から徒歩約4分
※美術館に駐車場はございません

住所:東京都港区六本木7-22-2
お問合せ:050-5541-8600 (ハローダイヤル)
美術館ホームページ

●お問い合わせ
サンローラン クライアントサービス
TEL 0120-95-2746

ブランド公式サイト