各国のギャラリー(画廊)が作品を出品し、購入することが可能な国際アートフェア。国内最大級にして、待望されていた「世界水準」のアートフェア「東京現代/Tokyo Gendai」が2023年7月7日から9日の3日間、パシフィコ横浜にて開催されます。

tokyo gendai 東京現代
Tokyo Gendai
チケット購入サイト

税金問題をクリアに。“日本初”のアートフェア

開幕前夜となる7月6日にはプレスおよびVIPツアーが実施され、この時点で相当の活気を呈した会場。招待されたVIPとギャラリーの間ではすでに購入の契約が次々に結ばれていました。

これまで、日本で国際的アートフェアを開催する際に存在していた問題は税金です。国内に持ちこむ時点で各作品に輸入消費税がかけられ、そのうえ前払いが必須。購入されてもいないうちから税金がかけられることで、海外のギャラリーが日本での出展に二の足を踏んでいたところ、今回Tokyo Gendaiは保税資格を取得。フェア会場自体が「保税地域」となることで、これまで前払いしていた税を保留することが可能になりました。

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Tokyo Gendai
共同創設者マグナス・レンフリュー氏(左)とフェアディレクター・高根枝里氏

開幕に向けたプレスカンファレンスにおいて、Tokyo Gendai共同創設者マグナス・レンフリュー氏は「大きな一歩。法定資格を取得することができ、海外のギャラリーが参加しやすくなった。より多くのギャラリーを日本に招けるようにしたい」と、このフェアが開催にまでたどり着いたこと自体の意義を語りました。

必要以上の煩雑な手続きや、資金的負担が軽くなったことで、海外からのギャラリーが多く参加。その中には、Blum&Poe、Vito Schnabel Gallery、Perrotinなど名だたる欧米のギャラリーから、Tang Contemporary Artなどアジアのギャラリーも含まれ、国内外合わせて73が出品しています。 

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KITMIN LEE
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Courtesy of the artist and Misa Shin Gallery

日本政府が、日本を香港にとってかわるアートマーケットハブにする方針をとることを決め数年。アートフェアを観光の一部と捉える観光庁や文化庁、金融機関として増加する国内の購入希望者の声を受けたSMBCもパートナーに加わっています。

登壇した三井住友銀行プライベートバンキング本部長・高橋克周氏も、「現代アートは人気が広まっている、それは日本でも同様に。でも、海外に比べ日本におけるアートのプレゼンスはまだまだ小さい。金融機関として反省すべきなのは、アートマーケットへの貢献が限定的。欧米に目を向ければ、アートの専任スタッフを抱えている金融機関も多い。ですが、日本の活動はまだまだ小さい…。これをひとつのきっかけとしてアートという市場・文化に大きく貢献して行けたらと思っている」とスピーチ。  

世界に大きく後れを取っている日本のアートマーケットを、なんとか世界基準にまでもっていけるかどうか。2023年にようやく実現した「日本で初めて保税資格を取得した世界水準のアートフェア」。今後も大きな広がりを見せるのか、それともシュリンクするのか。大きな分岐点となりそうです。

Tokyo Gendai 会期 2023年7月7日(金)~7月9日(日)


会場/横浜国際平和会議場(パシフィコ横浜) 
住所/神奈川県横浜市西区みなとみらい1-1-1
時間/7月7日(金)、8日(土)11:00~19:00
   7月9日(日)11:00~17:00

【チケット情報】
当日券/一般:4000円(1名様入場)
学生/2500 円(中高大学生 1名様入場)
子ども/無料 (12歳以下、大人同伴に限り入場無料)

公式ウェブサイト