2018.04.08

SHARP-DRESSED DAN

ダニエル・デイ=ルイスの最後作品『ファントム・スレッド』で学ぶ着こなし

ポール・トーマス・アンダーソン監督の新作映画『ファントム・スレッド』(5月公開予定)が話題になっています。ディオールやバレンシアガがモデルでは? とか、ダニエル・デイ=ルイスの最後の作品になるのでは?とか、どの映画賞をとるかなど、と。

 我々としてはこう断言しましょう。この映画は間違いなく、今年のベストドレス賞だと。それは『アーティスト』や『8 Mile』などで衣装デザインを手がけ、アカデミー受賞経験のあるコスチュームデザイナー、マーク・ブリッジスの力によるものです。
 
 「もし衣装デザインの手法があるとしたら、私がやっていることがそうでしょう。つまり、登場人物が行くだろうと思われる店で買い物するのです」とブリッジスは言います。
 
 ブリッジスとデイ=ルイス(彼自身、隠れたファッション・アイコンでもある)は、映画の主人公である50年代のイギリスのファッション・デザイナー、レイノルズ・ウッドコックの服を買い集めました。 
 
 彼らはロンドンのドレイクスやヒルディッチ&キーでアクセサリーを選び、バチカン御用達のガマレッリでマゼンタ色のソックスを注文。その色はウッドコックのエキセントリックさをよく表しています。ハンドメイドの靴は、デイ=ルイスも常連というジョージ・クレバリー(デイ=ルイスはかつて5年ほど靴屋になるための修業をしたことがあるので、靴は何より重要)で仕立てました。
 
 「私はよく、役者と足元から相談して決めていきます。もしダニエルがいつも決まった職人に靴を作ってもらっているなら、そのほうがいいと思ったのです」(ブリッジス)とはいえ、それらは細部。すべてはテーラーで決まります。ウッドコックが生きた時代と階級の人間にとって、それはプライドそのものです。そこで、彼らは1930年代の「イングリッシュ・ドレープ」(肩幅も胸幅もゆったりして、ウエストを絞り、ヒップは優美にフレア)をさらに洗練させたサヴィルロウのテーラー、アンダーソン&シェパードを訪問しました。
 
 「この店のスーツのドレープは1930年代からほとんど変わっていません」とブリッジス。さらにブリッジスは、カントリー・スーツ(とびきり厚手のツイード)、仕事用スーツ2着(デイ=ルイスがアトリエで着るダブルブレスト)、ショール・ラペルのタキシード(バラシャウールで、信じられないほどエレガント)、そしてブルーの厚手のツイードのオーバーコートを準備。これは、店の前でテーラーたちが代わる代わる着てみるほど人気があったとか。
 
 いったん服が集められると、デイ=ルイスは難なくそれらを着こなしました。「彼は、撮影の日に着るべきだと思ったものを選ぶだけでした」とブリッジスは言います。
 
 この映画の衣装は時代を反映したものですが、現代の男性にも参考になることがあります。まずは最高級の店で買う価値を知ること。「常にイギリスのビスポークには、暗黙の了解がありました。一度買えば、たびたび買うようになり、やがてそれが当たり前になる…」。男にとっては傾聴に値する言葉ですね。
 

Translation / Tomoko Kawaguchi

    DAILY FORTUNE

    • 1位

      やぎ座

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      12/22~1/19

    • 2位

      ふたご座

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      5/21~6/21

    • 3位

      みずがめ座

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      1/20~2/18

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