現行のメルセデス「AMG C63」が搭載するエンジンは、4.0リッターV8ツインターボエンジンです。その完成度はまさに一級品と呼ぶにふさわしく、専門家からも高い評価を集めています。そんな高品質なエンジンが2022年には、4気筒のハイブリッドパワープラントに積み替えられることは以前から噂されていましたが、ついにバッテリーアシストによる新型ドライブトレインの実力が明かされることとなりました。
イギリスのカーメディア「オートカー（Autocar）」によると、その最大出力は660馬力、最高トルクは553lb-ft。この驚異的とも呼べるスペックの高さは、2022年5月末に行われたニュルブルクリンク24時間耐久レースの関連イベントとして、カモフラージュされたプロトタイプが公開された際に確認された数値です。
新たに搭載された2.0リッターターボのM139エンジンは、それ単体で463馬力をたたき出すと言われています。それが事実であれば、過去のAMGシリーズのどのモデルよりも高い出力ということになります。忘れてはならないことに、そのモンスターエンジンに加えて、リアアクスルには198馬力の電気モーターが装備されているのです。
シリンダーの数こそ半減しましたが、約660馬力という数字であれば新型車の出力は現行モデルの「AMG C63」を167馬力も上回ることになります。最大のライバルと目されるBMW「M3」と比較しても、大幅なパワーアップが実現しています。
驚きはパワーだけにあらず
メルセデスが「Autocar」に明かした事実は、パワー面以外にもあります。
新型「AMG C63」の重量は、真新しいハイブリッド技術が追加装備されているにも関わらず、「現行モデルよりも軽量化されている」と言います。新型エンジンM139の重量が、現行のV8エンジンと比べ107ポンド（約49kg）も軽い353ポンド（約160kg）に抑えられた結果とのこと。
この超強力なM139エンジンがリアドライブのAMGに搭載されるのは、今回のケースが初めてというわけではありません。メルセデスは2シーターのオープンカーのエントリーグレード「SL43」の情報公開を行ったばかりですが、よりベーシックなチューニングではあるものの、その「SL43」にも同じエンジンが搭載されています。
このように小出しに明らかになっていく情報が、「AMG C63」への興味をより一層引き立てます。その全貌が明らかになる日が待ち遠しい限りです。
Source / Road & Track
Translation / Kazuki Kimura
※この翻訳は抄訳です
