Googleは、最高のGoogle Doodleでボディビル界のレジェンドをお祝いしました。このアニメーションは、偉大なアスリートの一人である日系アメリカ人トミー・コーノ氏を讃(たた)えたものにあります。
◇「Doodle(ドゥードゥル)」とは?
ご存知の方も多いかと思いますが、ここでおさらい。Googleのロゴが、祝日や記念日などの特別な日に特殊なデザインに変更される「ホリデーロゴ」のことを呼んでいます。この英単語の本来の意味は、「いたずら書き」になります。
◇米国史上最も偉大な
ウエイトリフティング選手
2021年6月27日(日)に公開されたGoogle Doodleは、オリンピックの元金メダリストであり、ボディビルダーの世界チャンピオンでもある日系アメリカ人のコーノ氏の誕生日を祝うものでした。このアニメーション動画を紹介するInstagramの投稿でGoogleは、そのコーノ氏を「米国史上最も偉大なウエイトリフティング選手の一人」と、説明しています。
さらに、「キャリアを通じて、ウエイトリフティング26種もの世界記録を樹立し、数多くの選手権でタイトルを獲得したアスリートである」とも、記しています。
◇日系アメリカ人
トミー・コーノ氏の経歴
1930年カルフォルニア州で生まれたコーノ氏は、第二次世界大戦中の日系人強制収容所で過酷な幼少期を過ごしました。その収容所で、隣人に紹介されたのがウエイトリフティングであり、彼は10代の頃から夢中になっていたそうです。
1951年、コーノ氏は陸軍に入隊し、朝鮮戦争に出兵しそうになりました。が、その類稀(たぐいまれ)なるウエイトリフティングセンスによってオリンピック出場の可能性が考慮され、兵役免除となっています。
陸軍はそれだけではなく、彼のオリンピックへのトレーニングのため、多くの費用を負担しました。そして陸軍の投資は、実を結んだのです。
コーノ氏は1952年と1956年のオリンピックで金メダル、1960年のオリンピックで銀メダルを獲得。さらに1954年、1955年、1957年、1961年のミスター・ユニバースでタイトルも獲得しています。ですが残念ながら1963年、前回の東京オリンピックの前年に膝(ひざ)の故障し、引退しています。
引退後のコーノ氏は、コーチとして1968年メキシコオリンピック、1972年西ドイツオリンピックのウエイトリフティングチームを指導しました。その後、1976年のオリンピックでは、アメリカのウエイトリフティングチームのヘッドコーチを任されています。
Googleはコーノ氏の経歴を紹介する記事の中で、「コーノ氏はインターナショナルウエイトリフティング界、USオリンピック界でも殿堂入りを果たし、歴代オリンピック選手の中でもトップ100アスリートの中の1人である」と、記しています。
◇コーノ氏が残した遺産
コーノ氏は2016年に、肝臓病の合併症により85歳で亡くなりました。
しかし、関節を守るサポーターやローカットのウエイトリフティングシューズを競技に導入したという彼の遺産は、現在もウエイトリフティング競技内で受け継がれています。さらに冒頭に登場したGoogle Doodleもまた、彼の遺産として追加されることでしょう。
Source / Men's Health US
Translation / Kazuhiro Uchida
※この翻訳は抄訳です。