プロテニス選手のセリーナ・ウィリアムズは、今アメリカが抱えている大きな問題に対して真剣に向き合っていた。
Serena Williams Is Fighting For Equal Pay For Women Of Colour
セリーナ・ウィリアムズは7月31日、黒人女性の同一賃金の日を祝して、「フォーチュン」に有色人種女性の賃金格差に関するエッセイを寄稿した。
テニス界のスーパースターはまず、有色人種女性の賃金格差に関するいくつかの事実を提示。黒人女性の賃金が白人男性の63%しかないこと、白人女性とくらべても17%少ないことなどに光を当てた。
「大卒の黒人女性でさえ、あらゆる階層で賃金が低くなっています。これはスラム街においても、シリコンバレーにおいても変わらない事実です」と彼女は書く。「わたしたちは協力してこの状況を変えるべきです。しかし、このためには全力を尽くして戦う必要があります」
ウィリアムズは、自身が経済的に成功している(彼女は「フォーブス」の「もっとも稼ぐスポーツ選手2017」リストにランクインした唯一の女性だ)ことは認めているが、だからといって立場を変えることはない。
「これまでの人生のあらゆるステージで、自分自身のために立ち上がり、主張をすることを学ばなければなりませんでした」と彼女は振り返る。「私は不公平に扱われてきました。男性の同僚には軽んじられてきましたし、一番つらいときには、テニスコート内外で差別的発言の対象になってきました」
現在の賃金格差は大きいが、ウィリアムズはこの状況を変えることができると信じている。しかし、このためには、あらゆる人種の男性や女性のサポート、問題を知るための経済的知識、「ある人にとっての不公正は、あらゆる人々にとっての不公正だ」という理解が必要だという。
セリーナ・ウィリアムズは、黒人女性が直面する賃金格差への社会的関心を高めるため、サーベイモンキー社の取締役も務めている。彼女が立ち上げをサポートした研究によれば、黒人女性の69%は賃金格差を認識しているが、白人男性で認識しているのは44%に過ぎないという。また、黒人女性の4分の3は職場に人種的マイノリティーを押さえつける大きな圧力があると認めている。
ウィリアムズは、このエッセイを次のような励ましの言葉で締めくくっている。「わたしはアスリート、起業家、また黒人としての自分の見方や経験をビジネスの世界に役立て、現在の白人・男性中心の産業界でより包括的な環境を作る手助けをしたいと思っています。そして、すべての有色人種女性にも同じように立ち向かって欲しいのです」
By Erica Gonzales on August 1, 2017
Photos by Esquire UK
ESQUIRE UK 原文(English)
TRANSLATION BY Wataru Nakamura
※この翻訳は抄訳です。
編集者:山野井 俊