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CNNアンダーソン・クーパーの母、故グロリア・ヴァンダービルトの人生
女優で、ソーシャライトのグロリア・ヴァンダービルトが2019年6月17日、95歳で亡くなりました。高名なヴァンダービルト家の一族であり、CNNのアンカーマンであるアンダーソン・クーパーの母でもあります。彼女は93歳でインスタグラムを始めたことでも有名でした…。
追悼の意を込めて…、グロリアの人生を振り返ってみましょう。
アメリカ・ニューヨーク出身のソーシャライト（上流階級や富裕層に属する人物であり、チャリティー活動等のパーティーを主催したり参加したりする人物やその家族のこと）で、モデル・女優や芸術家、ファッションデザイナーとしても活躍してきたグロリア・ヴァンダービルトさんをご存じでしょうか。
その家柄は、18世紀まで遡（さかのぼ）らなくてはならない富豪一族の一員で、現在、報道番組で歯切れのいいコメントで人気となっているアンカーマン、アンダーソン・クーパーの母親としても知られています。
そんな彼女が御歳93歳にして、インスタグラムにデビューしたことはアメリカでも話題になりました。
初めてのポストは2017年4月27日（木）。そこから一気に現在は、7万2000人超のフォロワーを獲得しているのです。自身のアート作品や10代の頃に撮影されたポートレート、それに60年代に彼女が手がけたという豪華爛漫なベッドルームまで…。グロリアさんの審美眼でセレクトされた写真の数々が並んでいます。
美しい写真以外にも注目したいのが、各画像に添えられたキャプション。ホルスト・P・ホルストがフォトグラファーを務めた初めての撮影で緊張したことや、大好きなドローイングに隠された悲しいメッセージなどが端的に綴られています。
また、チャールズ・チャップリンやドロシー・パーカーと参加したディナーパーティーの思い出などなど、当時の裏話を混ぜながら、ひとつひとつ解説されています
お騒がせセレブの代表ジェンナー姉妹やハディッド姉妹など、若き人気セレブたちの公式インスタグラムを楽しむのもいいのでしょう。ですが、このグロリアさんのインスタグラムからは、クリエイティブな感性と卓越したセンス等、知的インスピレーションをたくさん得ることができるはずです。
そこには、人間としての深みを感じさせる投稿ばかり…。ただの小自慢でもセルフプロデュースでもない壮大なポートフォリオを、この機会にぜひ覗いてみてください。その数々のネタは性別を超えています。男性にもおすすめです!!
写真は1934年12月2日。ロングアイランドに住む叔母、ガートルード・ヴァンダービルトさんと一緒に。グロリアさんは当時10歳。
グロリアさんが生後18カ月のころ、父が肝硬変により死去。彼女が500万ドルの信託基金の半分の相続人となりました。そして、彼女が成人するまでは母親であるグロリア・モーガンが管財人に…。
その母は彼女を連れて、パリへ何度も往復しました。あまりにも頻繁にパリを往復するため、伯母ガートルード・ヴァンダービルト・ホイットニーは彼女の母の経済状況を調査。そして、彫刻家であり慈善家でもあるホイットニーは、グロリアさんの養育権を求め、1934年に養育権裁判を起こします。
この裁判は当時大きなスキャンダルとなり、まだ幼いグロリアさんが周囲の影響を受けずに自分の意見を述べることができるよう、裁判官は傍聴人すべてに退出を命じたそうです。
結果、グロリアさんは伯母ガートルードさんの被保護者となったのでした。その裁判の様子は、1982年のNBCの連続ドラマ『Little Gloria... Happy at Last 』で描かれ、エミー賞6部門とゴールデン・グローブ賞にノミネートされています。
1939年4月28日。キューバからニューヨークへ帰国したばかりのグロリアさん。
1941年、グロリアさんは17歳にしてエージェントであるパット・ディシコ氏と結婚。そしてハリウッドへ…。
1941年前後の写真です。1941年に結婚したグロリアさんとパットパット・ディシコさんの生活は、そう長く続きませんでした。1945年には離婚します。
のちのグロリアさんは、「彼は私の頭を掴んで壁に打ちつけた」「私の目の周りには、黒いあざができたわ」など、パットさんからの虐待的な行為を受けていたと語っています。
それを知ってこちらの写真を見ると…。何かを訴えたい気持ちでいっぱいな表情に見えます。
1950年代、グロリアさんはCBSのラジオにも出演し、歌も披露しています。
こちらの写真は1956年8月28日、映画監督であるシドニー・ルメット氏との再々婚したときのものです。
グロリアさんは1941年にパット・ディシコ氏と結婚し、1945年に離婚。次にその同年4月に、指揮者であるレオポルド・ストコフスキー氏と再婚するのでした。しかしながら、1950年8月22日、長男レオポルド・スタニスラス・ストコフスキー（愛称スタン）、1952年1月31日に次男クリストファー・ストコフスキーをもうけながらも、1955年10月に離婚していたのです。
そうして新たに迎えたシドニー・ルメット氏との新生活も、1963年8月に終止符を打つのでした。
1958年の写真。ノエル・カワード脚本による、NBCテレビのショートドラマで登場したグロリアさん。
シルクのドレスで、魅力的な女性を見せてくれました。
1960年ごろのグロリアさん。このころ、彼女はアーティストとしての才能をフルに発揮しています。油彩画、水彩画、パステル画で個展を開くなど、アーティストとしての人気も得てきた時代です。
さらにソーシャライツ、女優としても、ファッションデザイナーとしても幅を広げていくグロリアさん。大忙しの中で、水泳で息抜きといった感じでしょうか。
こちらは1969年12月18日の写真です。1963年12月24日に再々々婚した作家のワイアット・エモリー・クーパー氏とともに、ニューヨークで行われたミュージカル『Coco』のプレミア会場にて。
このクーパー氏との間に1967年6月3日に誕生した四男が、CNNの「アンダーソン・クーパー360°」を担当するアンダーソン・クーパー氏です。
1993年4月2日、ニューヨークの公立図書館で行われた「ヴォーグ・マガジン100周年記念」イベントに出席するグロリアさん。エスコートするのは、当時交際していた写真家であり映画製作者ゴードン・パークス氏とともに。
パークス氏との交際は、2006年に彼が亡くなるまで続いていました。
2004年11月13日、ニューヨークのブックストア「バーンズ＆ノーブル」にて、当時のグロリアさんにとっての新刊『It Seemed Important At The Time』の出版記念トークショーが開催されました。
サブタイトルは彼女の手書きで、「A Romance Memoir」。恋多き彼女が自身で綴る「ロマンスの覚書」といったところでしょうか。この本の表紙からすると…、グロリアさんは7人と男性と…？
2016年4月4日にニューヨークのタイムワーナーセンターにて、グロリアさんは息子のアンダーソン・クーパー氏とともにHBOのドキュメンタリー映画『Nothing Left Unsaid』のプレミアに出席しました。
2017年4月27日（木）に公開された、初Postです。2013年の作品「Flowers for the moon」。
