ノストラダムスにマヤ人、そして現代にも存在する霊能力者の方たち…人類が誕生して以来、未来を予言しようと試みてきた者は各時代に存在します。そんな彼らが予想しようとしたのは、私たちが生きている間に何が起こるかということです(そして、ことごとく失敗してきました)。
特に世界の終わりの予想を外し続けているようですが、実際にその時が訪れる際には、スムーズに短時間で終わることを祈ります。しかし私たちは、見当違いの方向に答えを求めていたのかもしれません。人類の終焉を正しく予測できる存在がいるとすれば、それはおそらく、長寿アニメシリーズの『ザ・シンプソンズ』ではないでしょうか。
30年以上にわたり、ホーマー、マージ、バート、リサ、マギーのハチャメチャな日常を描いたこのシリーズは、熱心な視聴者に支持されてきました。そのストーリーの多くは想像を絶するほど馬鹿げているにもかかわらず、後になって現実になることがかなり多くあります。これが奇妙な偶然なのか? 無意識なのか? それとも千里眼なのか? の判断は皆さんにお任せします。ですが、ここで改めてFOXの番組『ザ・シンプソンズ』がいかに未来を的確に予想しているか考えると、不安を感じずにはいられません。さらに不気味なことに、この番組の未来予測はますます正確になってきているようですからたまりません。
予言通りにドナルド・トランプが大統領になった直後には、長年『ザ・シンプソンズ』のショーランナー(現場責任者)を務めてきたアル・ジーン氏は「エスクィア」に対し、次のように語っています。
「ジョークとして番組に入れたことが現実になったことは、クレイジーであるとともに少し悲しいことです」
それでは、トラの攻撃からトランプ大統領まで、『ザ・シンプソンズ』が予言を的中させてきた出来事をご紹介していきます。なので皆さん、この機会に大人気アニメを観て未来に備えましょう。
リチャード・ブランソンの宇宙旅行
リチャード・ブランソンやヴァージン・アトランティックという実名が出たわけではありませんが、2014年3月放映されたシーズン25 / エピソード15“The War of Art(アート戦争)”では、宇宙で活躍する億万長者のアート鑑賞が描かれています。それが2021年7月に(本物の)飛行機に乗って成層圏へ向かい、53マイル上空でヴァージン社の従業員と一緒に宙に浮かぶリチャード・ブランソンに酷似していることが確認できるでしょう。
さらに現在、絵画を宇宙船に持ち込むという余裕を示すストーリーから、「この描写はブランソンにとって2回目のフライトではないか?」という噂も流れています…。さて、次回のフライトでブランソンは絵画を持ち込むでしょうか? とは言え、こうなっては「後づけ」と解釈されることは間違いないでしょうが…楽しみでもあります。
テッド・クルーズが自然災害中に家族旅行
最近、現実になった未来予想の1つが、テッド・クルーズ上院議員の騒動によく似た描写がある1993年5月放映されたシーズン4/エピソード21の“Marge in Chains(マージの逮捕)”です。パンデミックや州全体を襲った気象災害でテキサス州の人々が停電や断水で苦しむ中、クルーズ上院議員はオフィスを閉め、犬を家に残して家族でメキシコへ休暇に出かけました。そして空港に並んでいるところを目撃され問題に。そして、すぐに帰国して謝罪することになりました。
ドナルド・トランプ大統領
今や有名になった回、2000年3月放映されたシーズン11 / エピソード17の“Bart to the Future(リサ大統領のホワイトハウス)"では、リサ・シンプソンが大統領になっています。
これはまだ理解できるでしょう。ですが不気味なのは、2000年に放送されたこのエピソードでリサが、ドナルド・トランプ大統領の後継者になると予測されていたことです。架空のトランプ大統領の任期は、実際の任期と同じくらい悲惨なものだったようですし…。
服装まで同じカマラ・ハリス
2016年にトランプ氏が選挙に成功した際、上記のエピソードでの予言ぶりが話題になりました。ですがさらに…今2021年1月、カマラ・ハリスが副大統領に就任したときも同様のこのエピソードが大きな話題となりました。
前出の“Bart to the Future(リサ大統領のホワイトハウス)”では、初の女性大統領となったリサの衣装が就任式当日のカマラ・ハリス副大統領の衣装にそっくり(アクセサリーまで!)だったのです。
これはあまりにも同じすぎるので、怪しいものです…が、とは言えハリス副大統領が、典型的な『ザ・シンプソンズ』ファンには見えません…。この真相はいかに?
ジークフリード&ロイとトラの攻撃
2003年10月、人気のマジシャンコンビ「ジークフリード&ロイ」がラスベガスのMGMミラージュが経営するエンターテイメント複合施設で公演中、当時7歳のホワイトタイガー「マンテコア」がロイ・ホーンの首に噛みつきました。
このトラはホーンの首に噛みついて、まるで子猫を運ぶかように舞台の外まで引きずっていったと言います。救急隊員による大量出血の処置の後、同氏は大学病院で緊急外科手術を受けました。重傷から回復した後も、ホーンは再びトラを使ったショーに挑みましたが、結局ショービジネスからの引退に追い込まれました。
そして、その10年前となる1993年12月放映されたシーズン5 / エピソード10の“$pringfield (or How I Learned to Stop Worrying and Love Legalized Gambling)<マージプッツン物語>”には、「ジークフリード&ロイ」の2人がホワイトタイガーに襲われるエピソードがつづられているのでした…。
アップルの製品と機能
最近、FaceTimeを使いましたか? Apple Watchをお持ちですか? あるいは、アップルのオートコレクト機能のおかげでメールの間違いに気づいたことはありませんか?
『ザ・シンプソンズ』では1995年放映のシーズン6からすでに、ビデオチャットもiPhone(第1世代は2007年1月9日に発表)らしきものが登場し、そのパッド上で字を書き、さらにはオートコレクト機能で修正が施されています。また、Apple Wathchらしきスマートウォッチまで。しかも、それに対して会話もしています。ちなみに、オンライン授業のシーンもあります。
とは言え、リサが自宅で使用していたビデオチャットですが、電話は置くタイプのダイヤル式でした。これなら押し間違えはないので、間違え電話をかける心配はありませんね。その点は、アップルよりも優れたアイデアかもしれません。ですが残念ながら、電話番号登録機能はなさそうです。
『ゲーム・オブ・スローンズ』最終話
※ネタバレ注意です!
ファンを圧倒した最終話が放送される前に、『ザ・シンプソンズ』は2017年10月放映されたシーズン29 / エピソード1の “The Serfsons(サーフソンズ)”ですでに、『ゲーム・オブ・スローンズ』のウェスタロス大陸に起こることを予言しました。
ドラゴンが立ち上がって村全体を焼き尽くすというストーリーは、HBOシリーズの最終シーズンの混沌とした結末に酷似しています。
レディー・ガガのハーフタイムショー
レディー・ガガがこれをそのまま参考にしたとは言いたくありませんが、2012年5月に放映されたシーズン23 / エピソード22の“Lisa Goes Gaga(リサとガガ)”に、ガガがカメオ出演。それはもう、2017年のスーパーボウルのハーフタイムショーにそっくりでした。
パンデミック(殺人蜂つき)
1993年5月の放映されたシーズン4 / エピソード21の“Marge in Chains(マージの逮捕)”では、「OSKA FLU(大阪肺炎)」という名の感染症など、さまざまな予測が登場しています。
ですが中でも注目すべきは、新型コロナウイルス感染症の症状を、見事に再現しているところです。治療法もなく、「本当に必要なのは安静にすることだ」という医師の見解が示される中に殺人蜂が現れ、町の人々がパニックに陥るというものです。
2020年の報道を彷彿とさせる予言ではないでしょうか?
ディズニーのFOX買収
1998年11月に放映されたシーズン10 / エピソード5の“When You Dish Upon a Star(スターどっきり<秘> 生活)”では、20世紀フォックスの看板が街中に出てくる場面があります。その「20th CENTURY FOX」の象徴的エンブレムの下にはビシッと、「A DIVISION OF WALT DISNEY CO(ウォルト・ディズニー社の子会社)」と刻まれているのです。
これはちょっとしたジョークだったのでしょうか? それとも20年以上前からの計画だったのでしょうか? だとしても、そんな秘密まで知る制作チームなのでしょうか…。
アメリカ同時多発テロ
予言の中でも最も奇妙で有名なのが、1997年9月に放映されたシーズン9 / エピソード1の“The City of New York vs. Homer Simpson(ホーマーのニューヨーク物語)”です。
このエピソードの内容は、アメリカの同時多発テロを暗示しているようにも見えます。これに対して前出のショーランナーであるジーン氏は、エスクァイアに対して次のように語っています。
「なぜ、こんなことが起きたのかわからないのですが…。本当に奇妙だったのはこのエピソードで、『9ドル、ニューヨーク』と書かれたパンフレットが出てきます。その絵を見ると、その9ドルのすぐ後ろ(しかも向かって右に)にワールドトレードセンターの2棟が並んでいます。それは、(シルエットなので黒の数字のように見え、しかもそのポジションから911のようにも見て取れるのです。意図的にデザインをしたとしても、これ以上わかりやすいデザインはできないはずです。そのことが今でも、気になっています…本当に奇妙なことです」
Source / ESQUIRE US
Translation / Yuka Ogasawara
※この翻訳は抄訳です。