2008年のこと、ブリトニー・スピアーズの精神衰弱を理由に、米ロサンゼルス郡地裁は父ジェイミー・スピアーズを後見人に指定。治療や自宅への訪問者など日常生活の管理を行ってきました。そうして年月が経ち昨2020年、ブリトニーはその適用解除を求めて法的手続きを開始しました。ジェイミーは、娘が保有する財産の共同後見人でもあったのです。

そして2021年9月29日(現地時間)、ブリトニーはこの成年後見制度の解除が認められるか否かの、重要な裁判の日を迎えました。その結果、裁判所は彼女の申し立てを認め、父ジェイミーの6000万ドル(およそ66億7000万円)に上る娘ブリトニーの財産管理の後見人資格を停止しました。

その前日にNetflixは、2008年から現在まで続くこの長い旅路を記録した新たなドキュメンタリー『ブリトニー対スピアーズ −後見人裁判の行方−』を公開。彼女を13年もの間苦しめ続けてきた制度と、その状況下に置かれてきた彼女の物語が赤裸々に語られた作品を絶妙なタイミングで配信しました。

1年以上かけて秘密裏に制作されたこのドキュメンタリーは、成年後見制度の正当性と、過去数年間にわたって芸能レポーターや専門家を困惑させてきたこの取り決めの内実を問うものです。タイトルが示すように本作は、ブリトニーの父親で後見人でもあるジェイミー・スピアーズに疑惑の目を向けています。『Variety』誌の報道によると、この映画は法律の専門家やスピアーズに近い人たちに話を聞きながら、制作者にリークされた未公開の法律文書も登場するとのこと。

同月22日(水)に公開された予告編には、「私は自分の人生を取り戻したいだけ」「もう13年になる。十分でしょう」と話すブリトニー自身のナレーションが使われています。これはスピアーズが、2008年頃から続いている成年後見制度の解除を積極的に望んでいることがわかる、夏に行われた衝撃的な証言の一部になります。

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Britney vs Spears | Official Trailer | Netflix
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スピアーズの法廷闘争に関するドキュメンタリーが制作されるのは、今回が初めてではありません。今年2月には、Huluはニューヨーク・タイムズと共同で製作した『Framing Britney Spears』が放映されました。この作品は、スピアーズの成年後見制度を開始当初までさかのぼって追い、スピアーズの家族にまつわる落とし穴や、精神的に不安定だった2000年代後半にスピアーズに関係していたスターやメディア関係者について描いています。

しかし、(すでに削除されていますが)Instagramの投稿でブリトニーは、この映画を批判。「自分にとって恥ずべき内容でありながら、それを間違った方向で描いている」と指摘しています。

Netflixのほうでは、この作品だけにブリトニー自身が語るシーンはありません。ですが、彼女が弁護士に残したとみられる伝言を録音したものや、映画監督のアンドリュー・ギャラリーに託した直筆の手紙、友人とのメールのやりとりなどの物証も出てきます。

そして早くも、解放感に満たされているブリトニーの様子がうかがわれる投稿も発見しました。2021年9月にブリトニーが婚約発表したお相手、イラン系アメリカ人モデル・フィットネストレーナーのサム・アスガリは9月29日に、この裁判で勝利したブリトニーを賛美するコメントをInstagramに投稿しています。

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そして、当の本人はというと…生まれたままに近い姿で、サンサンと輝く太陽と海を満喫する自由な様子とともに、「太平洋で遊べば、誰も傷つけることはない」というコメントを添えてInstagramで報告していました。

Soure / ESQUIRE US
Translation / Yuka Ogasawara
※この翻訳は抄訳です。