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金獅子賞を獲得『ジョーカー』、ヒース・レジャーを超えた!? ホアキン・フェニックスの役者魂

伝説的な悪役…ジョーカーの起源を現代にふさわしい方法でパワフルかつ、エモーショナルに描いた衝撃作がいよいよロードショー。

By and Joji Inoue
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© 2019 WARNER BROS. ENT. ALL RIGHTS RESERVED TM & © DC COMICS

 2019秋、最大級の話題作『ジョーカー』が、2019年10月4日(金)に公開しました。

 ベネチア国際映画祭で最高賞を獲得し、批評家や各国メディアからも絶賛され「アカデミー賞も射程内」と言われている今作は、DCコミックスのバットマンの宿敵として有名な悪役ジョーカーの“はじまり”を描いたものです。観賞するにあたり、どんなコトを知っておけばいいのかを、ここでおさらいしてみてましょう。

 ※もちろん、ネタバレは極力避けていますので…。

◇ストーリーは?

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 まずは、今作のあらすじを軽く予習しましょう。

…舞台は1980年代初頭。貧富の差が広がり、不満や不寛容があちこちでふつふつとあふれるゴッサム・シティの片隅。

 「笑いのある人生は素晴らしい」と信じる孤独な男アーサー・フレック(ホアキン・フェニックス)は、コメディアンになるという夢を抱きつつ、病弱な母の面倒を見ながらピエロの大道芸人として日々食いつないでいました。

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© 2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & © DC Comics

 しかし世界は冷たく、彼はやがて残酷な現実に直面することに…。

 重厚で悲哀に満ちたこの物語は、30年以上昔の設定ながらも現代社会の様子がまざまざと反映されており、観る者の同情もしっかり誘う、いまだからこそ観ておくべき内容です。

◇アメコミとして初の快挙を達成

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© 2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & © DC Comics

 第76回ベネチア国際映画祭では、上映後8分間ものスタンディングオベーションで迎えられ、審査員からも「単なるコミック映画の域を超えている」と高い評価を得ています。

 そこでの最高賞である、金獅子賞を見事受賞した本作。これはアメコミ原作ものとしては史上初となる偉業で、アメコミ映画の地位をまた大きく後押しすることに貢献しました。

 映画ツウはもちろん、このジャンルを敬遠しがちな人の心にも、グサリと刺さるはずです。

 なお今作の監督は、大ヒットコメディ映画『ハング・オーバー』シリーズの監督や、『アリー/スター誕生』の製作を務めたトッド・フィリップス氏

 映画『アリー~』で主演&監督を務めた俳優ブラッドリー・クーパーもプロデュースに関わっています。

写真:トッド監督(写真左)とホアキン。ベネチア国際映画祭にて。

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◇最凶ヴィランの起源をオリジナルストーリーで描く

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© 2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & © DC Comics

 バットマンに追い詰められ、化学工場の薬品タンクの中に落ち、肌や髪の色が変わり口が裂け、自身の変わり果てた姿に正気を失ってジョーカーになった―というのが、一般的に知られているジョーカーのオリジンでしょう。

 しかし今作では、原作コミックにはない独自のストーリーで新たなオリジンにアプローチしているため、新鮮味も充分。

 さらに悲運と複雑さに満ち、リアリティーを増した彼の誕生秘話を、ぜひその目で確かめてみてください。

◇主演ホアキンの役者魂

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© 2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & © DC Comics

 「世界一有名なヴィラン(悪役)」とも呼べるジョーカーを過去に演じてきたのは、ジャック・ニコルソンヒース・レジャージャレッド・レトといったそうそうたる面々で、皆アカデミー賞を受賞している名優たちです…。

 この名優たちの名前を聞くだけで、鳥肌がたってくる方も少なくないでしょう。

 そして今回、新たにジョーカー役に抜擢されたのは、演技の素晴らしさに定評のあるホアキン・フェニックス。

 映画『ダークナイト』(2008)のヒース版ジョーカーは、「映画史上最高のヴィラン」との呼び声も高いのですが、今作のホアキンも「キャリア史上最高の演技」「アカデミー賞も確実」と絶賛を集めており、ヒース支持派の意見も揺らぐことになりそうです! 

 ホアキン・フェニックスは、わずか3カ月で約24kgもの減量をし、全身全霊で挑んだ彼の、ほとんど狂気に満ちた演技はまさに必見です。

 アカデミー賞には過去3度ノミネートされているものの、未だ受賞経験のないホアキンですが、今作で悲願の受賞となるかも!?です。

 重要な役どころで出演している超大御所ロバート・デ・ニーロや、新鋭女優ザジー・ビーツにも注目です。

◇『バットマン』を観ていなくてもOK

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© 2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & © DC Comics

 「バットマンの宿敵であるがゆえに、過去のバットマンの映画も観ておくべき?」と、心配している人も少なくないかもしれません。が、ご安心を!

 今作は基本ジョーカーの起源のみにフォーカスしたものなので、バットマンの過去作品を観ていなくてもきちんと楽しめます(もちろん、観ている人はなおのこと楽しめることでしょう)。 

 ただしバットマンことブルース・ウェインの一族は、今作のストーリーにおける重要ポイントとなるので、そこは覚えておいてください。

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◇予告動画

これはyouTubeの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。
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『ジョーカー』
2019年10月4日(金)全国ロードショー
© 2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & © DC Comics

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