新たなバカンス客が、「ホワイト・ロータス」に予約を入れました。雑誌『バラエティ』によるとBLACKPINKのリサがシーズン3に出演することが決まったのです。
本名のラリサ・マノバルでクレジットされる予定で、パーカー・ポージー(「ザ・ステアケース -偽りだらけの真実-」)やジェイソン・アイザックス(『ミセス・ハリス、パリへ行く』)、レスリー・ビブ(「ジュピターズ・レガシー」)、ドム・ヘトラクル(『ウモーン・パー・ムアン-羅生門』)、ミシェル・モナハン(『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』)、キャリー・クーン(「ギルデッド・エイジ -ニューヨーク黄金時代-」)、テイム・タプティムトン(「Farang」)と共演します。
ストライキが終わって以来、クリエイターのマイク・ホワイトはシーズン3の撮影が始まるのを心待ちにしていました。エンタメサイト「デッドライン」によると、撮影は今年2月にタイでスタートする予定。ホワイトは前作に比べてスケールアップしてカムバックすると、こう予告しています。
「今、真剣に脚本を仕上げているところだ。前回よりも長く、大きく、クレイジーになる。みんながどう思うのかはわからないけれど、少なくとも私はものすごく興奮している。私自身のバロメーターで判断するとこれはいいことだ」
シーズン1でスパのマネージャーのベリンダを演じていたナターシャ・ロスウェルも、再び登場します。彼女は雑誌『ヴァニティ・フェア』に、シーズン3の資料を読んでとてもワクワクしたと語っています。
「少なくとも5回は大きく息を飲みました。この脚本から、マイクに最高にスマートで面白いストーリーを語るスキルと能力があることがわかります。つまり彼のやること全部が俳優として、パフォーマーとしての私へのレッスンのようなものなのです。私自身も脚本家だけれど、彼はみんなを旅に連れていってくれる。みんな、シートベルトを締めてね。本物の旅だから」
それでは早速、「ホワイト・ロータス / 諸事情だらけのリゾートホテル」シーズン3についてわかっていることを見てみましょう。
雑誌『バラエティ』によると「ホワイト・ロータス」は毎シーズン、フォーシーズンズのリゾートで撮影されています。フォーシーズンズはバンコク、チェンマイ、サムイ島、ゴールデントライアングルにホテルを持っています。それぞれが異なる環境にあるので、シーズン3の舞台は都会になるかもしれないし、田園地帯もしくはジャングル、ビーチになるかもしれません。
2023年の初めにホワイトは新シーズンのロケ地を求め、日本を含めてアジアを視察したと話していました。タイに決めたのは、複雑ではあるけれど税制優遇措置があったからです。東宝のプロデューサーであるジョージナ・ポープは、東京映画祭で記者団に日本もロケ地の候補になっていたと語りました。その会話の中で、制作陣が優遇措置を重視した可能性を示唆しています。
「本州全体にわたって、素晴らしいロケーション候補地がたくさんありました。ショーランナーはどれも気に入りましたし、私はうまく行ったと確信していました。ですが当時、日本には税制上の優遇措置が皆無でした。だから、具体的な解答が出せませんでした。3500万ドルのプロジェクトが窓から飛んでいく音しか聞こえませんでした」。
同じ理由でトム・クルーズの『ミッション:インポッシブル』や、マーティン・スコセッシの『沈黙-サイレンス-』もロケ地をタイに移しています。結局、ホワイトもその仲間入りをしたわけです。
HBOのトップであるケイシー・ブロイズは、第2候補のロケ地を選択せざるを得なかったとはいえ、次のバカンス客たちに満足していると報じられています。ストーリーの詳細についてはまだ伏せられていますが、ブロイズはテレビシリーズのフェスティバル「シリーズマニア」の基調インタビューで、ホワイトの持っているシーズン3のビジョンは「本当に楽しい」と話しています。さらに「東洋の宗教とスピリチュアリティにおける死を、風刺的に面白おかしく描いている」とのこと。
シーズン1と2同様、金持ちのバカンス客にはスピリチュアルな癒しが必要なのです。
これはアンソロジー・シリーズなので(もちろん、各シーズンが完全につながっているわけではありません)、シーズン3ではあらゆることが起きる可能性があります。とは言え、次のシーズンで描かれるストーリーに関するアイディアは既に一部が明かされています。
ホワイトはシーズン2の終了後、あるインタビューで次のシーズンについて明るく語り始めました。シーズン2の終盤でターニャ(ジェニファー・クーリッジ)と彼女が殺したたくさんの男たちの運命にショックを受けている視聴者に、そこから回復させる暇すら与えなかったのです。
ホワイトの言葉から判断すると、シーズン3はシーズン2のラストで描かれた宿命的な対決の続編になる可能性が高そうです。
ホワイトいわく、「グレッグの身に起きることや、ターニャの死の陰謀についてポーシャが何もしない可能性もあると思う。怖くてね。でも、ボートに乗っていた人はみんな死んでしまったから、誰かがグレッグを追跡するのではないかという感じがするね。でも、どうなるかは観てのお楽しみだ」。
ちなみに忘れてしまった人のために復習しておくと、ターニャはジェニファー・クーリッジ演じる富豪の女性。グレッグ(ジョン・グライス)はその夫で、ポーシャ(ヘイリー・ルー・リチャードソン)はシーズン2で登場したターニャのアシスタントです。
テーマはどうなるのでしょうか? シーズン1は地獄のように緊張感に満ちた休暇を舞台に、より大きな社会的テーマを追求していました。ハワイの美しい島々を背景に、新しいスポットを訪れた旅行客が現地の資源を乱用、人々を酷使し、後のことは何も考えずに去っていく様子を描いたのです。そして続くシーズン2は、人を引き寄せる魅力とセックスのパワーがテーマでした。
ホワイトは、シーズン3の展開についてこう語っています。
「シーズン1は金に、シーズン2はセックスに焦点を当てた。シーズン3は死と東洋の宗教とスピリチュアリティを風刺的に描いたものになると思います。そして、ホワイト・ロータスというリゾート地でもう1シーズンをやることで、シリーズ全体がより豊かなタペストリーになるでしょうね」。
ターニャ役のジェニファー・クーリッジ、グレッグ役のジョン・グライス、ベリンダ役のナターシャ・ロスウェルを別として、この作品は毎シーズン新しいアンサンブルを迎えるのが特徴です。
ホワイトは、一番複雑な人物やファンのお気に入りのキャラクターを復活させるというパターンを隠し持っているようです。悩める大富豪ターニャを演じたクーリッジはシーズン1でファンの支持を獲得し、シーズン2でも同じ役を続投しました。2022年には自身初のエミー賞も獲得しています。ですがターニャの運命を考えると、シーズン3では回想シーン以外で彼女が出てくることはなさそうです。
ホワイト・ロータスのスパでマネージャーを務めるベリンダは、シーズン1でそのターニャに騙されました。シーズン2の終わりでターニャが早すぎる死を遂げた今、ベリンダがどのようにストーリーに関わってくるのかに注目したいところです。
他にキャスト候補として名前が上がっているのが、エヴァン・ピーターズとヘイデン・パネッティーア。2人とも作品への興味を示しています。パネッティーアはテレビ番組「E!ニュース」に、「すごく出演したいわ…」と語りながら、こう言います。
「ジェニファー・クーリッジのことが大好き。彼女が望むならカバン持ちでも靴磨きにも守護天使にも、大昔に生き別れた子どもにだってなる」
その気持ちは理解できますが、パネッティーアはシーズン2の終わりでターニャが死んだことをまだ知らないのかもしれません。
エヴァン・ピーターズに関しては、プロデューサーのデヴィッド・バーナードがエンタメサイトの「デッドライン」に対して、「シーズン2で彼と出演交渉していた」と暴露しています。
彼が演じる予定だったのはIT実業家のイーサンのようで…
「シーズン2で最後にキャスティングしたのはあの役だったんだが、当初はピーターズの予定だった。でも、スケジュールやタイミングなど、何かの理由でうまくいかずウィル・シャープが演じることになったんだ。シャープの演技は完璧だったけれど、だからと言って、ピーターズの名前が今後のキャスティングで再び浮上する可能性がないわけではないよね?」。
クーリッジが候補から姿を消した今、シーズン2のどのゲストがシーズン3に登場するのかを考えるのは楽しいものです。ファンの間では、セックス依存症のプロデューサーを演じたマイケル・インペリオリの名前が候補として上がっています。
彼自身も乗り気のようです。インペリオリいわく、「カムバックについてはあまり考えたくないんだ。なぜならまた出られるかもと思うと、とてもうれしくなってしまうから…。失望したくないからね。出られればそれで十分さ。マイクと仕事をするのが大好きだから」。
「ホワイト・ロータス / 諸事情だらけのリゾートホテル」シーズン1をU-NEXTで視聴
「ホワイト・ロータス / 諸事情だらけのリゾートホテル」シーズン2をU-NEXTで視聴
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Translation / Yoko Nagasaka
Edit / Minako Shitara
※この翻訳は抄訳です