NBAの大スターであるレブロン・ジェームズ(クリーブランド・キャバリアーズ所属)は、親友ドウェイン・ウェイドのプロジェクトを引き継いでいました。
NBA(北米プロバスケットボールリーグ)の選手たちは、プロアスリートのなかでもファッションにもっとも気を遣っている面々と言えるでしょう。
このことについては、試合会場にある通路の環境に起因していると推測できます。選手たちが会場入りする際に(そして会場から立ち去る際にも)使う通路は、彼らのランウェイとも言えるからです。ここを通る選手の私服姿を撮影した写真や映像は、頻繁にSNSなどに投稿されているのをお気づきでしょう。
また、この通路は、選手たちがファッションセンスの高さを競い合う、ある種のレッドカーペット状態にもなっています。そして、洒落者揃いで知られるクリーブランド・キャバリアーズ(以下、キャブズ)の選手たちが、デザイナーのトム・ブラウン氏に誂(あつ)えさせたお揃いのスーツを身にまとって会場入りしたことにより、この通路は新たにそのチームの団結ぶりを示す場にもなってきたのです。
Photograph / AJ Mast/The New York Times/Redux
それは2018年4月下旬、キャブズの選手たちはインディアナ・ペイサーズとのプレイオフ第3、4戦の際に、「THOM BROWNE(トム ブラウン)」に作らせたオーダーメイドのスーツ、シューズ、それにアクセサリー類を身につけて試合会場に入場しました。
「ニューヨーク・タイムズ」紙によると、これは元々ブラウンとドウェイン・ウェイド(NBAのスーパースター選手)が思いついたアイデアだったそうですが、2018年2月にウェイドがキャブズからマイアミ・ヒートにトレードされた後は、親友のレブロン・ジェームズに話が引き継がれていたものでした。
このアイデアの狙いは、個々の選手同士の競り合いではなく、チームの団結をアピールすること…。このお揃いのスーツは、NBAで本当に重要なのはチームであることを控えめでかつフレンドリーに思い起こさせてくれるのです。
NBAの選手個人個人が、それぞれの個性や能力によって有名人になった例は数多くあります。今も、そうした例が生まれ続けているのは確かですが、バスケットボールの試合自体というのは、チーム全員で行うものであるはずです。
そして、「THOM BROWNE(トム ブラウン)」のスーツも、スタイリッシュなものであることは間違いありません。
グレイもしくはブラックのスーツというのは、人混みのなかでは目立たないかもしれません。ですが、それもブラウン氏にかかれば…一目でわかるディテール(それに非の打ち所のない仕立てのおかげで、時に控えめに感じられるこのスーツはとても大胆なも)に仕上がっています。
キャブズの選手たちは、オーダーメイドのスーツに白のドレスシャツ、グレイのネクタイ、ブラウンらしいグログランの縁どりのあるカーディガン、頑丈そうな黒のブーツを身にまとい、ジャケットの胸ポケットにはTVホールドにしたチーフを挿しています(レブロンは「Thom Browne Beats Studio3 Wireless」の特製ヘッドフォンもしています)。
私たちが見慣れたNBA選手の私服姿のような派手さはありませんが、このスーツには代わりに完璧に作りあげられた美しさがあります。このお揃いのスーツ姿が目立つのは、まさにこの美しさのおかげです。
現在、プレイオフの第1ラウンドで2勝2敗とやや苦戦しているキャブズですが、この「THOM BROWNE(トム ブラウン)」のスーツを着用することで引き続き華麗なアリウープやダンクを魅せてくれることでしょう。
それでは、レブロン・ジェームズやケビン・ラブらのスーツ姿を見てみましょう。
トム ブラウンのスーツを着用するNBAスターたち#1
Coutesy of Instagram@thombrowneny
トム ブラウンのスーツを着用するNBAスターたち#2
Coutesy of Instagram@thombrowneny
トム ブラウンのスーツを着用するNBAスターたち#3
Coutesy of Instagram@thombrowneny
By Christine Flammia on April 24, 2018
Photos by AJ Mast/The New York Times/Redux
ESQUIRE US 原文(English)
TRANSLATION BY Hayashi Sakawa
※この翻訳は抄訳です。
編集者:山野井 俊