※本動画は、2度目の緊急事態宣言が出される前に新型コロナウイルス感染予防対策をしながら撮影しています。


 ワインの奥深さに敬意を払う一方で、「ワインやシャンパンって肩肘をはらず、もっとカジュアルで、でもエレガントで…、おいしくて、誰でも楽しめるオープンな世界」という哲学を持つワインスタイリストの藤﨑さん。

 動画連載「satokoの一杯逸品」の第2回目は、ワイン2本を用意し、ドリンク持込可能なお店へお出掛けしました。そう、最近よく耳にする「BYO」です。藤﨑さんおすすめのロゼ・スパークリングと白ワインにマッチするフードは何か…ペアリングしながら考察していきます。

■BYOとは?
…「Bring Your Own」の略で、「自分のを持ってきて」という意です。レストランや居酒屋では、「自分の“ワイン”を持ち込んでOKですよ」という表示になります。注意しなければいけないのは、お酒なら何でも持ち込んで大丈夫というワケではありません。一般的に、750mlまでの赤ワイン、白ワイン、ロゼワイン、スパークリングワインを持ち込み可能としています。利用したい方は、お店に可能か否か・持込料を事前に確認しましょう。
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藤﨑さん:こんにちは、「satokoの一杯逸品」のお時間です。本日は出張しています。出張というのは「テイクアウト」ができたり、「店にお酒を持ち込む」という意味での出張の回になります。

 今日おじゃましているのは東京・西麻布にある「胡同(フートン)」、韓国居酒屋です。ご登場いただくのは、株式会社テイクファイブ代表取締役で、「胡同」のオーナーでもある遠山和輝さんです。

遠山さん:こんにちは。

藤﨑さん:本日、「胡同」に持ち込んだワインは「ウルトラバイオレット スパークリング ロゼ カリフォルニア NV」、もう一種類がX JAPANのYOSHIKIさんがプロデュースされている白ワイン「ワイ・バイ・ヨシキ シャルドネ “アンコール”カリフォルニア 2019 」の2本を選びました。

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遠山さん:面白い組み合わせの2本ですね。世界的にロゼのスパークリングは進化していますよね。特に、カリフォルニアはワイナリーの個性が表現されている気がしています。

藤﨑さん:このロゼはジャケ買いです(笑)。ネーミングに惹かれて選んでみました。色も美しい。

▼Yoshikiさんがプロデュースされたワインとの出会い

遠山さん:白ワインは? 「Y by Yoshiki」を選んだ理由は何だったんですか?

藤﨑さん:以前(2018年7月)、Yoshikiさんとロブ・モンダヴィ Jr.さんがコラボレーションしてつくり上げたワインブランド「Y by Yoshiki」のリリース発表会があり、そのとき直接私が「ワインはどのようなときに飲むと良いか、また何を食べたくなりますか?」と質問させていただく機会がありました。

 Yoshikiさんのお答えが、「飲みたいときに、そのとき食べたいものです。それが幸せな時間になるから…」だったんですね。このひと言がすごく印象に残っていて、ふと思い出したんです。その言葉に共感するところもあり、本企画にぴったりだと思い、今回「ワイ・バイ・ヨシキ シャルドネ “アンコール”カリフォルニア 2019 」をおすすめしたいと思いました。

◇テイクアウトもできる、米国でローカライズされた韓国風タコス

藤﨑さん:テイスティング、としてロゼ・スパークリングで乾杯。ほほう、柔らかい口当たりですね。

遠山さん:美味しい。へぇ、今のカリフォルニアっぽい。苦味もないし、飲み口も優しい。しっかりブドウの味が出ているね。これは面白いかも、韓国風タコスと合わせたら…。

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藤﨑さん:私の目線は、もうタコスにいっています。そもそも、なぜ韓国居酒屋「胡同」でタコスを提供しようと思ったのですか?

遠山さん:新型コロナウイルス感染の拡大の影響で日本もですが、世界中の飲食業界が大変なことは皆さんもご存じかと思います。アメリカでは、ロックダウンになった時期もありました。

 そんな状況下でロサンゼルスでは、もともと文化として定着してて人気のあったフードトラックのテイクアウトが、密を避けるメリットと相まって注目も集めていました。

 そのフードトラック(キッチンカー)の中に人気メニューのひとつとして、ローカライズされた韓国風タコスがあると聞いて、「日本でも『胡同』で、そんなタコスを提供してみよう!」ということになりました。

 タコスなら店内でもテイクアウトでも、融通が利きますから。 

藤﨑さん:ひらめきですね。韓国居酒屋の「胡同」なら相性もいいでしょうし、「メキシカンじゃなくて、韓国居酒屋でタコス?」という意外性もウケそうですし。

 ロサンゼルスにはコリアンタウンがありますし、韓国系アメリカ人が提供するローカライズされた韓国料理って、日本人の舌にも合いそうですね。

◇ワインと韓国風タコスのペアリングを考察

藤﨑さん:では、ワインとのペアリングについて考えていきましょう。まずは、韓国風タコスを試食してみます。

 美味しい…。香ばしくて、脂っこくなく、旨味が舌に残ります。野菜とジャン(ソース&タレ)の味が明確になるので、ワインとのペアリングは面白くなりそうですね。 

▼ロゼとのペアリングは?

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 スパークリング ロゼの「ウルトラバイオレット スパークリング ロゼ カリフォルニア NV」は、カベルネ・フランが85%です。小売価格で3500円、使い勝手の良い価格なので、手に取りやすいかなと思っています。

 カベルネ・フランというブドウは、「主張する」というより、食べ物など何かとブレンドしたときに上手にアシストしてくれる存在で知られています。

 一方でカベルネ・フランは、すごい実力のあるブドウだとも思っています。

遠山さん:このロゼの仕上がり方、意外です。ロゼって苦味を感じるものもあるから、なかなか手を出しにくいけど、カベルネ・フランだと「こうくるのか…」、と発見がありますね。

 韓国風タコスのそれぞれをしっかり支えてくれる、というか上手に合わさってくれていて、もっと飲みたくなります。

藤﨑さん:ちなみに「胡同」は、持込料を払えばお酒が持ち込めます。1本1100円、これは素晴らしい…、コスパ高いです。「BYO」ですね。 

▼白ワインとのペアリングは?

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藤﨑さん:では次に、「ワイ・バイ・ヨシキ シャルドネ “アンコール”カリフォルニア 2019」で白ワインとのペアリングを考えていきます。

遠山さん:カリフォルニアのシャルドネって本当に時代のトレンドを表現していますよね。作り手の個性もあるけれど、ブドウの表現の仕方が面白い。今は強いけど軽さもあったり、酸味の出し方だったり、ペアリングの遊び方にも多様性を感じることが多いです。

藤﨑さん:同感です。10年前とはまた違うテクスチャーがあるような気がします。

遠山さん:ペアリングは、どうですか?

藤﨑さん:韓国風タコスのソースの旨味を感じたいと思っていて、そうなるとワインの酸味のあり方を考えないといけないですね。

 酸味って、ダイレクトにくると苦味に変わることがあるので…「ん、ちょっと違うかも」という風になるのももったいないですよね。料理もワインも素晴らしいから。

 であれば、何か工夫したい。それが「レモン」です。この韓国風タコスはそもそもレモンが添えてある…これはレモンを試すべきかなと思いました。

 うん、試してみて正解。私はレモンでタコスにアクセント付けたくらいのほうが、「ワイ・バイ・ヨシキ シャルドネ “アンコール”カリフォルニア 2019」と合わせやすいなって感じました。

遠山さん:注文したお客様が「味を変えたいな」と思ったときのために単純にレモンを添えて提供していただけなのです、こんなにレモンが良い働きをするとは驚きました。

 逆にソースとワインのペアリングが柔らかくなりますね。尖った感じもしない。レモンって、優秀ですね。このワイン、ブドウそのものが相当クオリティ高いですね。酸味の生かし方がすごく丁寧です。タコスにレモンをかけるだけで、白ワインにすごく合いますね。

藤﨑さん:酸味のあり方、勉強になります。つまりワインの酸味を主張させるのか、食材に酸味を加えていくのかで、ワインのいろいろな側面性が見えてくると思うんですよね。ワインが生きてくる、みたいな。

 そうすると、今回の韓国風タコスにおいては、レモンを絞ることで味がすごく広がる気がします。

遠山さん:なるほどね。

藤﨑さん:ペアリングの楽しみ方って、そのときの食材と「ワインで何ができるか?」という“最善を探る遊びだ”と思っています。

 ちなみに、この「ワイ・バイ・ヨシキ シャルドネ “アンコール”カリフォルニア 2019」は、小売価格で5300円です。

遠山さん:味わいの優しさに驚きました。カリフォルニアって、世界のフードペアリングをすごく研究しているエリアですよね。この仕上がりでこの価格、ペアリングの柔軟性もあり、いろいろな方におすすめしたくなりますね。

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◇まとめ

藤﨑さん:改めて、今回の韓国風タコスに含まれている材料を確認すると当然のことなんですが、お肉、ジャン、野菜と…“美味しい”が詰まってますね。なんか、罪悪感なくペロっといけちゃう感じ。

遠山さん:「胡同」は韓国料理・文化のベースを守りながら、トレンドも意識した刺激的な韓国居酒屋です。

 シンプルに美味しい韓国料理を食べて欲しい、と思っています。韓国料理の醍醐味って味覚の記憶だと思うんですよね。「あぁ、あの店のあれが食べたい」、みたいな。「胡同」はそういう気持ちになった時、思い出して欲しい存在になりたいと思っています。これからもいろいろと挑戦していきますので、ぜひいらしてください。

固定概念を外すのも面白い。自由にワインを楽しんで

藤﨑さん:ワインとのペアリングを考えるときって、今回の場合「タコスにはお肉が入っているから…じゃあ、赤ワイン」とか固定観念を外すのも面白いんです。自分が飲みたいワインを選んで飲んで、食べたいように食べる…。その中でワインの飲み比べをしたり、自分の好きなペアリングを見つけてみる。それが幸せなことで、この動画連載で伝えたいことです。

 「satokoの一杯逸品」、これからも美味しいペアリングをご紹介していきます。

藤﨑さん・遠山さんまたね~。

■胡同(フートン)西麻布店
住所/東京都港区西麻布4-1-8 上滝ビル1FMAP
TEL/03-5467-2213
時短営業期間/2021年1月8日〜2月7日まで20:00閉店(酒類の提供は19:00まで)
営業時間/【月~金】ランチ:12:00~15:00(L.O. 14:30)、ディナー:17:00~22:00

【土・日・祝日】ランチ:12:00~15:00(L.O. 14:30)、ディナー:17:00~22:00
テイクアウト / デリバリー/21:00まで
定休日/無休 ※年末年始はお問合せください。
席数/76席
公式サイト

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《Profile・経歴》
藤﨑聡子(Satoko FUJISAKI)
ワインスタイリスト

…1997年ワイン専門誌「ワイン王国」創刊、編集・作家担当・広告業務を担当。2003年ワインスタイリストとして独立。以後、男性ファッション誌、女性ファッション誌でシャンパン、ワイン、料理制作、スタイリング、レストラン紹介などを連載・執筆。

 世界的に発刊されているワイン漫画『神の雫』では、シャンパン女番長としてワインと食材のマッチングコラムを2年半にわたり執筆。これはフランス、上海、北京、香港、台北、ソウル、アメリカで翻訳され現在も発売中。単行本では24巻から36巻まで収録されている。

 レストランのワインリスト作成、メニュー開発、またスタッフに対するワインセミナーもジャンルを問わず手掛ける一方、ファッション撮影ではインテリアコーディネート、フードスタイリングなども担当構成。2014年12月、シャンパン100種類、メインディッシュは餃子、唐揚げをリスティングするラウンジ・Cave Cinderellaを東京・西麻布にオープン。

 フランス・シャンパーニュ生産者組合団体・シャンパーニュ騎士団より2007年シュヴァリエ・ド・シャンパーニュ、2009年ジャーナリスト最年少でオフィシエ・ド・シャンパーニュを叙任。シャンパン、餃子、唐揚げ、ポテトフライ、ゴルフをこよなく愛する。

Video Photograph & Edit / Kazune Yahikozawa 
Director / Yusuke Hama 
Hair and make-up / Makiko Hayashi(tree・tree)