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肉や野菜を切る、刻む、魚をさばくなど包丁の用途は多彩で、それに合わせて多様な包丁が販売されています。多くの家庭にはいくつかの包丁があり、用途に応じて買い足せばOKですが、一人暮らしで初めて包丁を買うときなどはどれを選んでいいかわからないかもしれません。
そこでこのページでは、三徳包丁、菜切り包丁、柳刃包丁など、種類ごとの特徴を紹介するとともに、包丁の選び方を解説します。さらに、Amazonで購入できる家庭用包丁を種類ごとに紹介します。
包丁の種類を紹介
三徳包丁とは刃渡りが15~20cm程度の包丁で、肉・魚・野菜など、幅広い材料に対応し、日本の過程で最もスタンダードと考えられる包丁です。和包丁である菜切り包丁と、洋包丁である牛刀の特性を組み合わせています。
刃先はあまり尖っておらず、まな板と平行になっている部分が多いところは菜切り包丁と似ています。どの包丁を買うか迷っている人は、まずは三徳包丁を買うのがおすすめです。
世界中で使われている、洋包丁のスタンダードと言えるのが牛刀包丁です。フレンチナイフやシェフナイフとも呼ばれます。先端が尖っており、細かいもののカットも得意です。
肉を切ることを重視してつくられており、刃先が肉に入っていきやすい特徴があります。野菜の千切りにはあまり向きませんが、それ以外であれば幅広く使えるでしょう。
野菜を切るためにつくられた和包丁です。薄く軽いのが特徴で、白菜やキャベツの千切りなどを得意とします。また、大根の桂むきに使うと、大変使い勝手のよい包丁です。
一方で刃先が四角いため、刃先で食材を切ろうとしても難しいでしょう。また、飾り切りなどの細かい作業にも不向きです。肉や魚も切りにくいので、あくまで野菜のみに使うことになるでしょう。
先端が尖っており、刃渡りの長い和包丁です。刃が薄く、刺身の柵を切り分ける際に使われます。長い刃を引いて一度に切れるため、刺身の断面の繊維を壊さないとされています。
刺身だけでなく、ローストビーフなど柔らかい肉を切るときにも使えます。一方で硬いものを切るのは苦手であり、用途も狭くなってもいるので、刺身を切るために購入されるケースが多いでしょう。
魚をさばくのにも使われる和包丁です。先端が尖っており、刃が片面のみの「片刃」になっているのが特徴です。
片刃になっていることで、粘りのある魚の身に刃がくっつきにくくなり、無理に力を入れなくてもスーッと切れるようにしているので、食材の繊維を壊さずに切ることも可能と言えます。
刃渡り15cm以下の小さな包丁をペティナイフと呼びます。刃の幅が狭くなっており、シルエットは牛刀と似ています。大きなものは切れませんが、細かい作業が得意です。
ゆずやかぼすなどの小さな果物を切ったり、ミニトマトなどを切るのにも便利です。また、小回りがきくので魚の三枚おろしなどにも役立ちます。
包丁の素材を紹介
家庭用包丁として、最もスタンダードなのがステンレス素材です。さびに強いことが特徴で、定期的に研ぐ以外に特別なお手入れが必要ありません。
なお、ひとくちにステンレスと言ってもさまざまなタイプがあります。切れ味が落ちにくくさびに強いモリブデンバナジウム鋼や、異なるステンレス素材を重ねたダマスカス鋼、さらにステンレスで鋼(はがね)を挟み、お手入れのしやすさと切れ味を両立した三層構造のものなどがあります。
鋼は日本刀に使われてきた素材で、現在も昔ながらの和包丁を中心に使われています。出刃包丁や柳刃包丁など、和食の料理人や寿司職人が使っているイメージが強い素材です。
ステンレスと異なり、非常にさびやすいため毎日のお手入れが必要です。その代わり、きちんと研がれた鋼の包丁の切れ味は抜群で食材の繊維を壊しません。
金属ではなく、陶磁器であるセラミックでつくられた包丁です。金属製の包丁に比べて非常に軽いことが特徴で、義歯にも使われるジルコニアセラミックなどが使われているので強度も十分に確保されています。
やや価格が高いこと、基本的に自宅では研げず、研ぐ際にはメーカーに送ることになるのが金属製の包丁と比べたときの違いです。
包丁の選び方
包丁を持っておらず、1本目の包丁を探しているなら三徳包丁がおすすとなります。三徳包丁があれば、肉・魚・野菜すべてがカットできるため困ることは少ないでしょう。
すでに三徳包丁を持っていて、2本目の包丁を探しているなら、より肉類が切りやすい牛刀包丁、魚類の調理に適した出刃包丁、フルーツのカットに便利なペティナイフなどから必要な包丁を選ぶのがおすすめです。
包丁の切れ味に特別なこだわりがなれば、お手入れが簡単なステンレスか、軽くて扱いやすいセラミックがおすすめです。ステンレスとセラミックは、食器用スポンジで洗って軽く水分を拭き取るだけでよく、手入れに手間がかからず日常使いに向いています。
とにかくよく切れるプロ仕様の包丁がほしいなら、鋼の包丁にチャレンジするのもおすすめです。また、鋼をセラミックで挟んだ層構造の包丁を検討してもよいでしょう。
ステンレスの包丁の中には、柄が本体と一体化しているタイプがあります。これは、本体と柄の接続部に汚れがたまることがなく、煮沸消毒や食洗機にも対応しているため、お手入れが非常に簡単です。
また、包丁は素材によって重さが異なります。最も軽いのはセラミック製の包丁です。同じ刃渡りでも軽いことで扱いがグンとラクになるため、力の弱い人や手の小さい人、料理に慣れていない人にもおすすめです。
包丁のおすすめ11選
▼三徳包丁
貝印 関孫六 10000ST 三徳包丁 165mm AB5290
貝印の関孫六(せきまごろく)シリーズは、家庭用包丁として人気のシリーズです。この三徳包丁は刃渡り165mmで取り回しがよく使いやすい、定番の製品です。
継ぎ目のないオールステンレス構造になっていて、煮沸消毒にも対応、清潔に保ちやすい包丁です。お手入れが簡単で、野菜から肉、魚まで万能に活躍するオールマイティな包丁と言えるでしょう。
- 素材:ステンレス
京セラ セラミック三徳ナイフ(16cm) FKR-160X-FP
軽く、切れ味も鋭いセラミック製の三徳包丁です。本体の重さは98g。同じ刃渡り16cmの金属製の包丁の1/3程度の重さしかありません。包丁の扱いに慣れていない人にとって、とても使いやすく感じられるでしょう。
一方で、魚の骨やカニの殻、果物の種などに当たると歯が欠けることがあるので、取り扱いには注意が必要です。それでも、そうしたデメリットを補って余りある使いやすさなので、初心者から料理好きの人まで幅広くおすすめできます。
- 素材:セラミック
▼牛刀包丁
貝印 関孫六 牛刀 240mm べにふじ AB-5442
貝印の関孫六の中でも、こちらの「べにふじ」は切れ味鋭く、堅牢性にも優れたシリーズです。ハンドル(柄)の終端まで刃から続く金属が通っている「本通し」仕上げになっており、重量バランスがよく長時間の使用でも快適です。
刃は独自の研磨加工を行うことで食材を切断する際の抵抗が小さくなっており、サクサクとカットできます。刃渡り24cmと長めなので、大きな肉の塊などもカットしやすいでしょう。
- 素材:ステンレス
▼菜切り包丁
貝印 関孫六 菜切り包丁 165mm 10000ST
ステンレス一体成形で、お手入れのしやすい菜切り包丁です。この包丁のステンレスにはコバルトが含まれており、非常に硬く、耐久性と切れ味に優れているのが特徴です。
一体成形で煮沸消毒や食洗機にも対応しており、普段使いに最適です。菜切り包丁は三徳包丁でも代用できますが、白菜やキャベツ、かぼちゃなどのカットがよりしやすくなるため、よく野菜を調理する人にはおすすめです。
- 素材:ステンレス
京セラ セラミック 菜切りナイフ(15cm) FKR-150HIP-FP
セラミック製の菜切り包丁です。セラミックは硬いものを切ると欠けることがあるため、丸ごとのカボチャをカットするのには向きません。が、軽さと相まって、キャベツの千切りなどには抜群の使いやすさを発揮します。
重さはわずか104gと、金属製の包丁の1/3程度。桂むきなどにも使いやすいでしょう。セラミック包丁は自分で研げませんが、京セラのセラミック包丁には無料の研ぎ直し券が付いているのもうれしい点です。
- 素材:セラミック
▼柳刃包丁
下村工業 ヴェルダン 柳刃包丁 240mm OVD-163
世界的な金属加工の街、燕三条で生産されている柳刃包丁です。ステンレスにモリブデンとバナジウムを添加することで切れ味が続く、耐久性に優れた包丁になっています。
240mmという刃渡りの長い包丁ですが、ゆるやかにカーブした持ち手は手のひらによく馴染(なじ)み、力も入りやすく、大変扱いやすいものです。継ぎ目のない一体構造なので、衛生的に使えるのもよいところと言えるでしょう。
- 素材:ステンレス
土佐刃物 柳刃包丁 片刃 青鋼 2号 260mm
炭素の含有量の多い、青鋼(あおはがね)2号を使用した柳刃包丁です。青鋼2号は切れ味に優れ、耐久性が高いため高級な包丁に使われています。
しかも、研ぎやすい素材でもあるため、はじめて鋼の包丁を手にする人にもおすすめできます。刃渡りは260mmと長いですが、重さは200g程度なので比較的扱いやすいでしょう。
- 素材:鋼
▼出刃包丁
貝印 関孫六 銀寿本鋼 和包丁 出刃150mm
出刃包丁は、刃渡り13~18cm程度のものが一般的。こちらは150mmの中間サイズで、アジやイワシ、サバなど家庭でよく食べる魚をさばくのに適しています。1本目の出刃包丁におすすめの大きさです。
刃は、日本刀のように鋼を槌で打ってつくる鍛造和づくり。柄は水に強い天然木でできており、いかにも出刃包丁らしいデザインがされています。
- 素材:鋼
吉田金属工業 グローバルイスト 出刃包丁 12cm
世界で愛用されている日本製の包丁「グローバル」シリーズを、日本向けに合わせたのが「グローバルイスト」です。刃の付け方や柄の形状などを、日本人と日本の料理により合うように再設計されています。
こちらの出刃包丁は刃渡り12cmと小ぶりで、アジやイサキなどの小ぶりな魚やイカなどをさばくのに適しています。煮沸消毒や食洗機に対応したステンレス一体成形で、お手入れも簡単です。
- 素材:ステンレス
▼ペティナイフ
T-fal(ティファール) ユーティリティナイフ 12cm
フライパンや鍋、アイロンなど、強力なコーティング技術で有名なティファールのナイフです。このナイフにはチタン強化コーティングが施されており、丈夫でさびづらく、切れ味が長続きします。
さらに食材が包丁につきづらかったり、汚れやニオイもつきづらいメリットも。金属製に見えない外観ですが、刃はステンレス製です。ペティナイフとしては長めなので、ちょっとした調理にも万能に使えるでしょう。
- 素材:ステンレス
京セラ セラミックナイフ(包丁) フルーツ 11cm
セラミック製のペティナイフです。わずか51gと軽いため取り回しがよく、フルーツや小さな食材のカットに大活躍します。
セラミックは金属ではないため、食洗機はもちろん、漂白剤を使った除菌も可能です。落としてしまったり硬い食材を切ったりすると、刃、欠けやすいというデメリットもありますが、包丁の扱いが苦手な人でも比較的扱いやすく、料理初心者にもおすすめです。
- 素材:セラミック
まとめ
包丁は得意とすることが種類ごとに異なり、また素材によってお手入れの方法、しやすさも異なります。ここで解説したことを参考に、自分に合った包丁を選んでみてください。
また、紹介した包丁はどれも評判のよいものばかりですから、気に入ったものがあれば、ぜひ購入して、毎日の調理に活用してみてください。